『か』の消えた世界
奴らはプ〜ンとやってくる。人の血を満足げに吸い、いやらしい掻痒を残して去っていく。非常に煩わしい存在だった。
現在、奴らを見ることはない。冬はもちろん、夏でも飛んでいない。一匹残らず消え去った。もう黒くて小さなボディーの放つ羽音に、眠りを妨げられることもなくなった。
けれどもその代償に、我々のコミュニケーションは困難を極めた。理由は明白だった。
聡明なあなたなら、この文章を読んで気づくはずだ。奴らもすべてこの世を去ったのだ。
一字残らず。
奴らはプ〜ンとやってくる。人の血を満足げに吸い、いやらしい掻痒を残して去っていく。非常に煩わしい存在だった。
現在、奴らを見ることはない。冬はもちろん、夏でも飛んでいない。一匹残らず消え去った。もう黒くて小さなボディーの放つ羽音に、眠りを妨げられることもなくなった。
けれどもその代償に、我々のコミュニケーションは困難を極めた。理由は明白だった。
聡明なあなたなら、この文章を読んで気づくはずだ。奴らもすべてこの世を去ったのだ。
一字残らず。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。