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人魚姫  作者: 如月 雪
1/8

出逢い

拙い文章ですが、最後まで読んで頂けたら幸いです

僕達が出逢ったのは運命と言う名の 神の仕業だったのかも知れない










五年前の夏










僕は親友に誘われた海岸で、溺れていた少女を助けた






血の気の無い顔を見たとき 思わず見よう見まねで人工呼吸をしていた





その子が息を吹き返した時 遠くからその子を探しているらしい数人の大人の声が聞こえてきた




「るう!るう!」




駆け寄って来た父親らしき人達にその子を任せ、僕は彼らの元を離れ 親友の待つ海の家に戻っていった




*********************************************




「海!お前びしょ濡れじゃないか!何してたんだよ?」



悪友の古澤晃がバスタオルで海の頭を拭いてくれた




少しお節介だが気の良い奴だ




「何処へ行ってたんだよ? せっかく女の子に声を掛けたのにさ、お前が居なくちゃ始まらないってんだよ。それなのに、知らない間にお前が居なくなるんだからな〜 」


「そうだよ。翔と海が居ないと女の子が寄ってきてくれないんだもんな」


がりがり君を食べながらぼやいているのは、内 弘樹だ。




僕は濡れたTシャツを着替えながら 隣に座っている小野寺翔おのでらしょうを見た



ニヤニヤと笑っているあの顔は 何か企んでいる顔だ




タオルの隙間から覗いた僕の視線と翔のそれがぶつかった。


「何だよ?」


ニヤリと口を歪めて笑う翔はクックッと喉の奥で笑った




こんな時はろくな事が無い




こいつと付き合いだして学んだ一つだ。「何 企んでる?」

ドスッと翔の横に座ると 声を低くして聞いた



「お前に女の子を紹介してやろうと思ってさ。すっげー可愛いぞ〜 近くまで来てるらしいからこれから二人で行かないか?」



僕達は男子寮の仲間五人と一緒に二泊三日の短い旅に来ていた


来年の夏休みは受験一色に染まってしまう


ほんの短い楽しみに浸っていた



「馬鹿らしい。女の子なんて良いよ。彼女なんていらないし」


ぶっきらぼうに吐き捨てた



「本当に可愛い子なんだって!なあ 行こうぜ?」


何時になく食いついてくる



何なんだあ?



「しつこいぞ!」



翔は肩をすぼめて「判ったよ!後で後悔しても知らないからな?」

珍しく翔が拗ねている



「ハイハイ!因みに後悔は後でするから後悔って言うんだよ?」


翔の言葉尻を捉えて屁理屈を唱えた僕に 翔はムッとした顔をした



「可愛くないやつ!ああ ムカつく!」




「そこ なに痴話喧嘩してるんだよ?ほら この女の子イケてるぞ!」

晃がエロ雑誌に載っているグラビアを見せながら翔と海の間に入ってきた




「「趣味悪!」」



二人して晃のお気に入りのグラビアアイドルを貶して翔の気も済んだみたいだ


それから 翔は女の子を紹介しようなどと言わなくなった





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