〜はじまり〜
もしも、恋ができたら、好きでいてくれる人がいたら?わたしは、そんなことばかり考えていた妄想少女でした。でも、現実は違うのです。それくらい、わかっていました。そう、あの日、あの時までは。
ジリジリジリジリジリジリ
7時の目覚ましがなっているのかな。わたしは、起き上がって、時間を見た。
7時30分
やばい。間に合わない。遅刻だ。どうしよう。もう行くしかない。でも、満員電車は嫌だ。だけど、友達に会いたい。だから、頑張ろう。
申し遅れました。わたしは、前川光、12歳。
今日から中学生です。れいなはわたしの大親友です。
ダッシュで掛けて満員電車に乗り込む。
いつもと変わらない満員電車。おじさんの匂いが気持ち悪い。あいつ、わたしのスマホ覗き見してる。あっ、目的地。降りなきゃ。
電車から降りた。そして、ドアに近い階段から降りていた。だが、途中で踏み外してしまった。
「あっ!」
ドカン!
でも、コンクリートの味はしなかった。知らない匂いがした。それは同じ制服の…
「お前ー。なんで、俺をしたじきにすんだよ。」
「あっ、すみません。」
と、ぼそっと、めんどくさがって言った。そして、逃げようとすると、腕を掴まれた。
「変態。なんだよ。」
「叫ぶなー。謝るならちゃんと声出せ。」
「すみませんでした。」
とふざけて叫んだ。
「お前は、馬鹿か。叫ぶなー。」
と言われた。まぁ、仕方ない。ここは、東京だしな。わたしは、田舎人だからな。
「お前、1年か。一緒に学校行かねえ?ケガさせられたんだし。」
と耳の近くで、言われた。この人の匂いが嫌いだ。というか、これは、少女漫画か、いや、現実だ。それで、結局、連れて行かれた。本当であれば、ぶっ飛ばしているはずだが、今回は、わたしが悪いところもあるから、言うことを聞いておこう。
彼の名前は、青木良平。バトルゲームが大好き。絵を描くことが趣味らしい。まぁ、普通の中学生か。身長は152センチ。まあ、中学1年で普通だろう。だが、態度は大きすぎる。そこが気にくわない。気がつけば、学校についていた。青木、兄がいたらしく、後者は、バッチリ覚えていたらしい。中1は2階だったはずだが…
「何だよ。うえにいくんだよ?兄がいるから完璧だったんじゃないの?」
「俺は中2。それと俺は、兄なんていない。一人っ子だ。じゃあな。」
わたしは、初日から騙された。最悪。何だよあいつ。わたしをどんだけ馬鹿にしているんだ。わたしは、ぼうぜんと立っていた。
「光ー。早くしないとホームルーム始まっちゃう。ぼーっと立ってないで行くよ。」
「うん。」
今の女子は、宮下千穂。同じ小学校出身。まぁまぁ、仲良いかな。
このように始まったわたしの春。めんどくさいことが起きそうな予感がする。まぁ、とりあえず、変なことに、巻き込まれないように、頑張ろう。