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野菜を収穫していると冷蔵庫が登場する

僕たちの畑は収穫の時期を迎えた。

途中でゾンビに掘り返されたり、雨の日には傘で畑を守ったり、風が強い日には風よけを設置したりと様々な苦労を乗り越えて、いよいよ実りの秋。

食べごろを迎えた野菜たちで畑は賑わっていた。


採れた野菜は以下である。


・春菊

・カリフラワー

・ブロッコリー

・大根

・にんじん

・水菜

・じゃがいも

・ルッコラ

・イタリアンパセリ

・きゅうり

生姜しょうが

・セロリ


マミのカボチャを犠牲にして、これだけの野菜が生った。

代わりに植えたセロリも無事に収穫できた。

土に不安はあったけれど、百点満点中七十点の出来栄えだ。


大量に採れた野菜は、腐らないうちに消化してしまわねばならない。

料理にバリエーションをつけるため不足している材料を集めておけばよかった。


どこかからニワトリを連れて来て、鶏小屋を作れば卵が手に入る。

キノコを栽培する原木も欲しいところだ。

大豆を育てて味噌や醤油を作るのもいい。


保存食を作って保管しておける蔵を確保する必要がある。

養蜂すれば蜂蜜が採れる。

粉ひき機を手に入れて小麦を育てれば小麦粉ができる。


やろうと思えば、まだまだ快適なサバイバル生活が送れるのだ!

文明の利器なんて無くても、ぜんぜんへっちゃらさ!



楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽楽



テレビを接続する部品が足りないと言って出て行ったイワンが、4時頃になって戻ってきた。

田中とユキがそれについていったのだが、彼らは小型の冷蔵庫を担いで出てきた。


「これでハイボールが飲めるぞ!」


大興奮のイワンは急ピッチで作業を始め、その間に僕は仕事を言いつけられ、水を炭酸水にする作業を行った。

宅急便から盗ってきた品の中に炭酸水キットが入っていたので、それを使って水を炭酸水にしていく。

一緒に入っていたカートリッジを全て使い切り、10リットル分の炭酸水ができた。


イワンに水を持って行くと、彼はテレビの接続にとりかかっていて、既にエンジンと繋げられた冷蔵庫が稼働していたので、中に入れておいた。

僕はなんだか無性にやるせない気持ちになった。


そのうちにテレビの接続も終わり、ちょうどいい塩梅に冷えた炭酸水でハイボールを作ったイワンは、田中と一緒にビデオ屋から盗んだというアイアンマンのDVDを観始めた。


僕は彼らから離れた位置に立って、採ったばかりの野菜を撫でながら、鶏小屋を作る夢想にふけった。

電力なんてなくてもいいんだ……電力なんて……。

画面の中のアイアンマンは次々とスーツを装着していく。


なんだか急に馬鹿らしくなったので、僕もハイボールを作って彼らのところに行き、一緒にアイアンマンを観た。

見終わると今度はバットマンを観た。


その日は眠る前に少しだけ泣いた。

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