表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

第5話

「はあ……」


彼が二人組を返り討ちにし、彼の能力で出した見たこともないような豪華な食事を食べた後、私は自分の寝室のベッドに体をうずめて考え事をしていた。

もちろん彼の事だ。

最初は可哀想な身の上だと思った、そしてずっと一人で寂しかった私の一緒に住まないかという勧めに彼は賛同してくれてこうして一緒に住んでいる。

いくら記憶を失っているとはいえ初対面の男と一緒に住み始めるなんてパパやママが生きていたら危ないと言って大反対したんだろう、きっとそれが普通の反応だ。

しかし私は寂しさという敵に負けてしまい彼を受け入れてしまった。

虫の良い話かもしれないが、私は彼が怖くなってきている。

終わりのない暴力から身を挺して救ってくれようとしている彼を。

多分彼はこの国の人間じゃない、魔術で作る道具だって今まで私が見たこともない様な道具ばかり。

何となく生きている世界が違う様な雰囲気まで感じてしまう。

私は彼に若干の恐怖を感じると同時に、惹かれてしまっている、あの不思議な雰囲気に、粗暴さに隠れたあの優しさに。

もしかしたらいつか彼の銃口が私に向くかもしれない、でもその恐怖以上に一緒にいたいと感じてしまう。

私は愚かだ、恋は盲目と言うけれど限度がある。

しかしそんなことはどうでも良いんだ、両親が死んでから今まで久しく感じてなかった生き甲斐を彼が与えてくれたのだから。

例え彼の弾丸が私を貫いても、彼が私のそばから離れて行こうとも、その瞬間まで共に生きると決めたのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ