悪意のみでお送りする四十九話
オウラン高校グラウンド
「いいか貴様等!体育っていうのは自分と好敵手とのぶつかり合いだぁ!」
「「「うおおおおおおおおお!!!」」」
「手加減なんてすんじゃねぇぞぉ!本気出さない奴はケツバットだゴルァ!」
「「「よっしゃああああああああ!!!」」」
・・・藍です
何故かまた学校に居る翔さん
最早、あの人に会わない日の方が珍しくなってきました
・・・あっすいません、ストレスでお腹痛いんで、誰か正露丸ください
そもそも・・・何故こうなったかというと
朝の7:50くらい
今日は普通に登校してきました
今朝は早く起きたので、お弁当などもしっかり準備ができた
空は晴天、思わず太陽の方へ目が行ってしまいます
学校の近くまで来て、目の前まで迫った校門を視界に移すと
・・・急に腹痛と頭痛が私を襲ってくる
「おらぁ!しっかり挨拶せんかい!あと女子はパン2の色を報告してから校舎に入りやがれ!」
・・・何をやっているんだあの人は
「おはよう従業員!今日もモブキャラのような雰囲気を醸し出しおって!」
「普通に馬鹿にしてますよね?というか、また来たんですか翔さん?」
「また教師としての職務を全う出来るとは、これは俺の才が成せる技だな・・・」
「前回あれだけ派手にやっておいて、ウチの校長は何を考えているのやら・・・」
「何を言う、俺の教育は完璧と書いてパーフェクトだぞ」
「はいはい、今日体育なんで私行きますね」
「つれないな従業員、まあ、朝の体育は俺が担当なんだ~がぁ?」
「・・・保健室に行きます」
「欠席は許さん。意地でも受けさせる」
「なんでそこだけ妙に真面目なんですか!?私を苛めて楽しいですか!?」
「無論楽しい。むしろ、それ以外に楽しみを見出せない」
「この人クズだ!もしくは悪魔だ!」
「なんとでも言え・・・体育の時間、楽しみにしておけよ?ふぅ~あっはっはっは」
そして現在・・・
保健室に行けば確実に連れて行かれる為
結局、私はおとなしく体育を受ける事にした
「今日の体育は合同の野球だ!男女混合でチームを組む!」
しばらくして、AとBのチームに分かれて野球が開始される
因みに私はAチームです
「プレイボーッルゥ!」
審判兼監督兼Aチームキャプテンの翔さんが試合の開始を告げる
あの人が審判か、確実に何か問題を起こすんだろうな・・・
それはともかく、試合はBチームからの先攻
ジャンケンで翔さんと内のリーダーが勝負した結果だ
ジャンケンが終わった後、翔さんはBチームのリーダーにイチャモンつけてたけど
私が飛び蹴りで制裁を加えたら「マジサーセン」と言って土下座していた
どうやったらあのような出来損ないが生まれるのか
未だに分からない
Bチームの先攻は得点無しで裏を迎える
何故かピッチャーをしている翔さん
いや、目立ちたがり屋で自己中心的な翔さんだから、ある意味そこは問題ではない
問題は、素人の癖してやたら球が速い
素人で野球中継なんか見ない私でも解る・・・
そういえば、結構前に草野球とか言ってたし
もしかして、翔さんって運動神経いいのかな?
などと考えていると、Aチームの攻撃が始まった
一番手は、翔さんとも仲が良いキモブタ眼鏡(本名は緒拓輝摸井)
「よしキモブタ眼鏡、お前は何だ?」
「ただの豚デブ!」
「豚に球が打てるのか?」
「大丈夫でぶ、この日の為にイメトレを欠かした日はありません・・・でぶ」
ガシッ
熱く握り合う翔の手と油ギッシュなキモブタ眼鏡の手
「・・・死ぬなよ」
「・・・死亡フラグ、叩き折ってやるブヒ」
「あああああああああうち!!!」
初手でデッドボールを受けるキモブタ眼鏡こと輝摸井
怪我もなくて良かったのだが、一塁へ進んでいく途中、何故か服を脱ぎだしてブリーフ一丁になる
ついでに言えば、ボールが顔のど真ん中に当たった為、眼鏡は粉々になってバッターボックスに落ちている
「・・・眼鏡が無ければ即死だった・・・ブヒ」
「よくやったぞ!貴様の勇姿、この胸に・・・焼き付けたら胸焼けしそうだから忘れた!」
・・・なんだこの二人
色々な事情もあり、状況は九回の表
3-0でAチームが負けているという状況
ツーアウト一、二塁で回って来たのは・・・
「・・・貴様か貞子」
「くけけけけけけけけけ」
貞子(本名は根倉貞子)がバッターボックスに立つ
翔から得点を勝ち取った人物、それが、この貞子である
「今度こそ負けんぞ!俺のスタンドの名に掛けてぇ!」
飛雄馬もびっくりの渾身のストレート
球が歪んで見えるそれを貞子が打ち返す
だが・・・
飛んでいった打球は、翔のグローブへと収まっていた
「・・・なんだ今の打球は!俺を愚弄するのか!」
「・・・何か?」
「人を馬鹿にしたてめぇの態度を文字通り打ち砕いてやるぜ!(ゴゴゴゴゴ!!!)」
「タフな男よ、ちっぽけな根性が実にタフだ(ドドドドド!!!)」
ひゅうぅぅぅ・・・
「・・・オラララララララララララララララララ!!!」
「ぬんぬんぬんぬんうぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬん!!!」
二人の拳・脚・手刀・頭突きが高速で繰り出される
常人には、早すぎて二人の動きが見えずにいた
「・・・野球しようよ」
時は過ぎ、九回裏
ツーアウト満塁、一発逆転のチャンス
「・・・ふっふっふ、今までのはお遊びだ。そして、これがお望みのフルパワーだ」
「どこのフリーザですか」
四番として、バッターボックスにてバットを握る翔
対峙するのは、ピッチャーの藍
「従業員よ、守備を全員後ろにやれ、下手をすれば校舎の窓を割りかねんからな・・・」
「・・・どういう意味ですか」
「つまりだ、俺はここでホームランを打つ」
「やれるもんなら・・・やってみろ!」
豪快に振りかぶって投げる藍
「ははぁ!遅すぎるぞ従業員!」
カキーン!
金属バットと硬球がぶつかり、高い金属音を鳴らすと
ボールは空高く放物線を描くように飛んでいく
「これで逆転だ!」
「ウソ・・・」
フェンスの代わりである仕切りを超えようとした
次の瞬間であった・・・
「っ!貴様は・・・坊主頭!」
野球部のエースである坊主頭(本名は本田葉下)
坊主頭は、仕切りフェンスを軽く越えた翔の打球に・・・
高飛びの背面飛びの要領で、仕切りフェンスを飛び越えて、宙を舞った
そして・・・
バック転で無事に着地する坊主頭
「・・・(ドヤァ」
「また歯で受け止めてるぅぅぅ!!!」
「・・・あれは良い試合だったな従業員」
「思い出したくないんでやめてください」
数日後、私は翔さんの元へ来ていた
試合の後のどうもでいい話だが
歯で受け止めた坊主頭は、昼食の時間にパンを食べていると歯が二、三本パンに刺さっていたらしい
終わりという名の鎮魂歌・・・
聴いて下さい!『性春挽歌』
※もしかしたら歌詞考えるかも・・・
かも、だからね?あんまり期待しないでね?




