表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/55

奴の名は・・・なんだっけ? まあまあ久しぶりの二十八話

始めまして・・・とでも挨拶としよう

俺の名前は夏目轟(なつめ とどろき)

しがないタクシードライバーだ

今日も相棒(プリウス)と共に、お客様の安全を約束とした快適なドライブを提供するのさ


しばらく走っていると、手を挙げる(いらいにん)の姿が見える

オーケー、俺のドライビングで目的地まですぐに送ってやるよ

俺は相棒を客のすぐ近くに止めて、乗るように誘導する

客を後部座席に乗せれば、すぐさまシートベルト、出発の準備さ

客は・・・なんだ、ボサボサの天然パーマの男だった

全く、身嗜みは男のマナー・・・エチケットみたいなもんだ

だが、俺は客をえり好みなんかしねぇ

全て平等に愛する、これが俺の美学さ・・・

自分で言うのもなんだが、俺は車の扱いと愛情に関しては自信がある

愛する事と相棒とのタッグに関しては、右に出る物はいねぇ!

さあ、始めさせて貰おうか、最高のショータイムを!


「お客様、どちらに向かいますか」

「・・・世界の中心まで」

どんな無茶振りだあぁぁぁ!!!

何その無理難題!一介のタクシードライバーどんだけコキ使うつもりだよ!

っていうかギャグにしても古りぃよ!お前の映画履歴何年で止まってんだよ!

「・・・あのお客様?」

「んだよ、文句でもあんのかコラ」

すんません・・・文句しか無いんですけど・・・

逆に文句意外言えないんですけど・・・

何なのこの状況、ドライバー始めて二年でこんな状況出来るモンなの?

今のこの気持ちは、正しく、カーブ寸前でギアの手元が狂った感じだぜ・・・

簡単に言ったら、高校時代の文化祭でやった一発芸がスベッた時の感覚だ・・・

「・・・ありません」

畜生・・・

なんで、こんな悪戯紛いの注文聞き入れなきゃいけないんだよぉ!

こっちは仕事で相棒動かしてんだ。馬鹿の暇潰しの為にやってんじゃねぇんだよ

ってか、どんだけ車運転させるつもりだよ。燃料が勿体無い上に馬鹿になんねぇよ!


しぶしぶ車を出す俺

客はしかめっ面で右側の窓を見つめている

くそぅ・・・不貞腐(ふてくさ)れたいのはこっちだ

俺は周りに注意しながら相棒を転がす

なんだこの感情は、まるで、プレゼントを用意して向かった場所で

彼女が他の男と通話していた時くらい複雑で苦い・・・そんな感じだ

「タクシーさん、ちょっとそこ曲がってちょ」

「はーい♪」

ぐるり・・・

相棒を旋回させ、角を曲がると

俺は汗を額に浮かべる


・・・うん

そうなんだ・・・

ここさ・・・

桃色の雰囲気漂う商店街なんだ・・・

「・・・お客様、目的地はここで宜しいでしょうか?」

「んあ?そうだな、もうちょっと適当に走り回って」

だぁかぁらぁ・・・

なんで、昼間からこんな所相棒と走らなきゃいけねぇんだぁ!

大体、時たまこの場所に用になるから、知り合いに見つかると気まずいんだって!

「ちょっと止まって~ジュース買うから」

「はい~」

俺の笑顔は、鋼の精神と言ってもいいんじゃないかという位、何一つとして崩れてはいなかった

それもそうさ、これは日々の鍛錬の賜物(たまもの)

彼女の目を盗んで他の子と浮気をする行動力

察する事の無いよう、彼女に対し、表情に出さないようにしている忍耐力

携帯を見られないよう、常に肌身離さず持つ抜け目の無さ

それが、俺の強さであり自信なのだ!

「ごめんね、じゃあ行こうか」

「・・・はい」

・・・それさ

飲み物じゃないよね?

というより・・・

「(・・・ローションだよね?)」


暫く走り続け、天パ野郎は遂に降りると言い出した

ようやく終わった。全く、とんでもねぇ客だったぜ

でもま、終わってみれば良い勉強にもなったとも思える

こういう客の対処が出きるんだ。最早、俺のドライバー人生に怖い物はねぇ

「お客様、会計13,860円となります♪」

俺は笑顔で、客に対し報酬を要求する

これは俺に対してじゃない、ここまで頑張ってくれた相棒

そして、俺の帰りを待つ彼女(おんな)の為の金だ

決して、煙草とかパチンコとか風俗の為の金ではない。断じて無い!

別に、最近煙草が美味いとか、チョメチョメ店の新台が楽しみだとか、さっき通った、ももい○クローバーZ的な色の雰囲気の商店街の店に新しい娘が居たなぁ、とか

そんな邪な考えは一切持ち合わせてなどいない!

「・・・あっごめん、財布忘れた」

・・・逃がすか!

察したぞ、貴様はそうやって言い逃れをするつもりだな?

貴様の言動など、彼女(及び全ての女性)の欲しい物がすぐに分かる洞察力を持った俺にはお見通しだ!

「でしたら、後々払って貰う為に住所と電話番号を♪」

どうだ!

幾ら馬鹿とはいえ、自分の住んでる場所と電話番号が分からん奴はいない!

真面目に働く人間を邪魔した報い、後悔しながらでも受けて貰うぞ!

「・・・じゃあ、これで」

「ありがとうございま~す♪またのご利用お待ちしておりま~す♪」

しめしめ、これで当分遊べるぞ~♪


数日後・・・

金を請求しようとして建物に入ると・・・

「・・・あの」

「はい?」

俺の目の前に、紅い鬼を背後に待機させた範間勇○郎が居た

「・・・短めにカットで」

「は~い♪」

・・・しかもオネエだった









終わります・・・

シィィィィィィィィィィィィィザァァァァァァァァ!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ