再び奴はやってくるpart2 二十二話
「マヤ文明が宣言した日によると今日で人類が滅亡するらしいですよ」
「・・・俺が滅亡させるんだからそんな訳無いだろ」
「・・・・・・・」
どうしようもない
そう思ったのは私だけでは無い筈・・・
静まる夜・・・
不気味な位薄暗いこの時間に
一人の女性の為に立ち上がる者達
「おいテメェ等、気合入ってっか?」
「あたぼうよ、女を襲うなんざ許せねぇ」
「僕もそういうのは嫌いです(バキゴキ←指を鳴らす音)」
「うむ、そういう下衆はこの私の手で屠ってやろうではないか」
「って、阿奈さんはともかく、あんた等三人は何で女装してんすか」
電柱に隠れながら並んでいる翔・駿・昇・阿奈
それを見かけて声を掛ける藍
「(・・・女装した男が真面目に喋っても説得力が全然無いというか)」
「おう従業員、今日はこんな時間まで何をしている」
「今日は友達の家で遊んでたんです。そういう翔さん達は何ですか?」
藍は三人に視線を向けていく
「変態が三人もいると不気味ですよ」
見れば
メイド服を着てリボンを付けた翔
顔黒の小ギャルのような格好の駿
和服を着て一番気色の悪い化粧をした昇
「失敬な!誰が趣味でこんな気色悪い事するかぁ!」
「いやそう言われても・・・」
「・・・こほん、ならば従業員にも言っておこう。これは仕事での囮捜査の一環だ」
「仕事・・・?」
「話しておいた方が良さそうだ・・・」
「・・・通り魔だと!」
「はい・・・」
昼間
翔が爆睡をしながら放屁をしているタイミングで
インターホンが鳴り、現れる一人の女性
見た感じ二十代前半という若い女性で
私服にバックを持っている
「それで、犯人の特徴なんかは知ってるか?」
「すいません、姿は見ていません。でも!」
女性を身を乗り出して訴える
「知り合いに聞いたら、どうもその犯人は女性ばかりを狙って卑猥な事をしていくという・・・」
「という事は、聞きづらい事だがアンタもその・・・卑猥な事を?」
「いえ、私は家が近かったので、すぐ家に入って鍵も閉めました」
「なるほど・・・」
「お願いします、私昨日から怖くて怖くて・・・」
涙を流す女性・・・
翔はその涙を受け止めこう言った
「安心しな、あんたに涙は似合わない。そいつをすぐにでも豚箱にぶち込んでやる」
「・・・翔さん」
「・・・とな(キリッ!」
「・・・ほんとですか~」
ジト目で疑う藍
何故ならこの男
日下部翔がそんな紳士的な態度を
知りもしない女性にするとは思えないからであった
「ばっか!途中から美化させてんじゃねぇよ!」
「そうですよ、僕等もその時いましたし」
「正確にはこうだ!(ビシッ)」
途中から始まるが
私達は翔の家に遊びに来ていてな
ついでに話を隣の部屋から聞いていたのだ
「お願いします、私昨日から怖くて怖くて・・・」
涙を流す女性・・・
だが・・・
「・・・お断りします」
「何でぇ!!!」
意外な反応に驚く女性
「なんか危なそうなんで」
「理由が余りにも情けない!」
「それに、そういうのって普通警察の方が安つくよ?」
「警察にも行きました!でも不安なんです!」
「大丈夫だって、ほらほら帰った帰った」
紳士的な態度など微塵も無い翔の素振り
そこに・・・
「そぉい!!!」
「すとれいつぉ!」
突然入る駿の飛び蹴り
「貴様はそれでも日本男児かぁ!」
更に追い討ちを掛ける阿奈の右肘によるエルボー
「とんぺてぃ!」
エルボーは右の肋骨に直撃する
「見損ないましたよ翔さん!」
トドメの昇の大外刈り
「じょせふぅぅぅぅ!!!」
翔は地面に仰向けに倒れて
「プシュ~」と口から霊魂を吐き出していた
「ふむ安心しろ、そんな下郎は即刻私が朽ち果てさせてやる」
「ああ、女を襲うなんて男として見過ごせねぇ!」
「うん、そんな非道な人は放っておけないよ!」
「えぇ、めんどくさ」
「「「・・・おい」」」
鬼もビビる形相で翔を睨む三人
それを見て「ハヒ、ズビバベン」と言いながら
股間から黄色い液体をズボンに染み出させていた
「あっ!報酬ならこれだけ出します!」
女性の鞄から出される厚い封筒
その瞬間、下着を履き替えて来た翔の目が輝く
「・・・いいだろう、この俺が全力を持ってその下衆野郎をぶちのめしてやる」
「「「(絶対報酬目的だ)」」」
「・・・よかった、翔さんが紳士的な態度なんて取ったら気持ち悪くて仕方ないですから」
「従業員?通り魔の前にお前をシバき回しても良いのだぞ?」
「おい!」
駿の声に翔は「あぁ?」と若干血管をこめかみに浮かべながら答える
「来たぞ!」
現れた一人の男性
背は大体160cm程度
布を口周りに巻いてサングラスをしている為、顔は殆ど分からない
だが、余りの怪しさからしてこの人物に間違いなかった
「よし、誰が囮になる」
駿の提案に静かに手を挙げる昇
「昇、いけるのか?」
「大丈夫ウッドゴーレム?」
昇を気に掛ける二人
「大丈夫だよ、これでも腕っ節だけは自信あるし」
「だな、この中で一番力があるのは昇だし。万が一危なくなったら最悪昇を助けて逃げりゃいい」
「だが、それでは通り魔は・・・」
「最終手段で俺と従業員が奴を殺す」
「殺すんですか!?しかも何で私も!?」
「正確には、俺が抑えて従業員が奴に渾身の殺人ツッコミを入れる」
「具体的なのはいいんですけど・・・私そんな事出来ませんよ?」
「「「「ゑ?」」」」
「・・・ゑ?」
四人は藍が自覚していない事に驚く
「(・・・この子自分の腕力に気づいていないのか?)」
「(ある意味一番恐ろしいのにね)」
「(藍ちゃんの天然かな、でも本当に気づいて無さそうだし)」
「(何にせよ、従業員の力は本物だ。自覚は無くてもやって貰わなくては)」
「ちょっと、四人で何喋ってるんですか?」
「いや!」
「なんでもないぞ従業員!」
「そうそう」
「・・・?」
藍が不思議に思う中
動く一人の巨漢
「よし、行って来ます」
「気をつけろよ」
「武運を祈るわ」
「死ぬなよ」
「色々死亡フラグ立ってますけど頑張って」
「(藍ちゃん何気に酷いなぁ・・・(涙))」
電柱から姿を現し
囮となる昇
「(・・・気を引くために女性を意識する・・・意識・・・意識・・・意識!!!)」
「・・・ん?」
「・・・(シャラン)・・・(シャラン)・・・(シャラン)」
「・・・なんだアレは」
「・・・さあ」
「でも・・・」
「激しく不気味な上に・・・気色悪いですわ」
見ると
昇は、変な歩き方で通り魔に近付き
動くたびに頭に付けた簪の鈴を鳴らしていた
ぶっちゃけ、気持ち悪いというか
女性を全く知らない昇は
意識し過ぎて、何が何だかよく分からない物になっていた
「なんだおめぇは!気持ち悪いぞ!」
「え!・・・一応女性を意識したんだけど」
「そんな気色悪い女がいるかぁ!」
「・・・そんな馬鹿な」
地面に項垂れる昇
「アホだな」
「アホですね」
「アホですわね」
「確かにアホだが、チャンスは生まれたぞ!」
一気の飛び掛る四人
「必殺!呪滅脚!」
飛び蹴りに回転と足首の捻りを加えて蹴る阿奈
「ふげ!」
「行きましたわ!」
通り魔が倒れる方向に
既に駿が構えていた
「喰らえ!プロレスで習得した名付けて『膝頭殺し!』」
駿は通り魔の倒れる際に頭部を片手で掴み
そのまま全力で膝蹴りを後頭部にぶつける
「ぐへぇ!」
「翔!」
「おう!行くぞ従業員!」
「私もですか!?」
倒れる寸前
翔はスライディングで上空へと通り魔を弾き飛ばす
そこに・・・
「ええい!もうやけくそだぁ!」
空中で待ち構える藍
足を掲げてそのまま・・・
「せいやぁ!」
空中で踵落とし!
藍の強靭な脚力が、通り魔の腹筋を破壊する
「うげええええ!!!」
通り魔は地面に勢い良く叩きつけられる
気絶寸前の通り魔に昇が近寄って胸倉を掴む
なんともシュールな光景でもあったが・・・
「さあ!それを外して顔を見せろ!」
無理矢理に昇が布とサングラスを外す
薄い髪
覇気の無い目
薄い色素の唇
老けた中年の顔
藍と翔はその男に見覚えがあった
「・・・山田先生」
「おっさん、何してんの?サツでしっぽり搾られたんじゃなくて?」
「・・・一度だけでも」
「「はぁ?」」
「一度だけでも、女を知ってから死にたくて脱獄しましたぁぁぁ!!!」
「「知るかぁぁぁぁぁ!!!」」
ゴスッ
鳴り響く二人分の拳の鈍い音
通り魔事件は終わりを迎えようとしていた・・・
「本当にありがとうございました」
「いえいえ」
女性は翔に礼を言って去っていく
「さてと、こんだけあればしばらく困らない・・・あぁん?」
翔がテレビを見ると
『ニュースです。最近出没していた通り魔の犯人が昨日の晩に見つかり拘束しました。犯人の証言によると「一度でいいからエデンが見たかった」と、意味不明な言葉を述べていました。続きましてスポーツです・・・・』
ピッ
「・・・ジャンブでも読も」
今日も
翔は、オナラを出しながらジャンブを熟読する
あーん!スト様が怒ったぁ!(この小説のくだらなさに)
・・・終わるお!!!




