覇道が戦記する十六話
「・・・翔さん、薬草ばっか集めてないで戦ってくださいよ」
「だって死にそうやもん!みんなよりHP少ないもん僕!」
「・・・うぜぇ」
今日はちょっと特別な話
翔さんとその他の人達の様子は相変わらずですが・・・
「それではこれより、今朝並んで買ったPSPソフト『覇道戦記』を皆でプレイしたい!」
午前11時
私は、翔さん・阿奈さん・杉山さん等と一緒に
今日発売のゲームの購入に付き合わされ
礼として一個買ってもらったついでに
皆で通信プレイをする事になりました
・・・あっPSPはプレイ・スタイル・ペータブルの略です
「各員、プレイヤーの設定は終了したな!では始めるぞ!」
翔さんの言葉と同時に
ゲーム開始時のスタートメニューの通信プレイを選択する私達
一つの部屋に集合し、部屋を作った人がリーダーとして主に行動するらしい
「阿奈さんのキャラはらしいと言えばらしいですね」
「そういう君は、見た目通りに平凡さを醸し出しているな」
私のキャラクターは女性で長髪の「剣士」
剣士と言っても、スペック的には普通でオールラウンダーな職業
鍛え上げれば剣技や魔法も覚えるという
一方、阿奈さんのタイプは
攻撃力・魔法力に長けている「魔法剣士」
しかし、その見た目がなんとも・・・
「・・・顔に赤色の血みたいな刺青みたいなの入れて、服装は黒一色・・・」
阿奈さんらしいと言えばらしいな・・・
「杉山さんは?」
「覇王と呼べ」
「・・・覇王さんは拳闘士ですか」
拳闘士とは
攻撃力・速さ・クリティカルが強い
言わば接近戦のプロフェッショナル
しかし、魔法は使えず属性の耐性も低い、覚えた技も近接専用が多い為
遠距離からの魔法やブレス等の攻撃には弱い
「翔さんは・・・まあ、似合ってますよ」
「なんだ従業員、その痛い人間を見る眼は」
翔さんの職業は「狂戦士」
攻撃力・HPがどの職業よりも高く
その他のスペックも平均か若干上というのだが
弱点として、HPが低くなると味方も構わず攻撃したり
様々な状態異常に陥る為
狂戦士は基本的に一人でプレイする人に向いている
決して、これから通信プレイをしようという人達には向いていない
ましてや、協調性ゼロの翔さんには一番使わせたくない職業
「それではスタートだ!まずはミッションをするぞ!」
「大丈夫なんですか、そんないきなり」
「このゲームはミッションかバトルで経験値・ギルドポイントを貯めて進めるゲームだわ」
「経験値でキャラクター自体の能力を上げて、ギルドポイントで新しいミッションやイベントが出るという訳だ」
阿奈と杉山の説明に唖然とする藍
「・・・お二人詳しいですね」
「「この道十年以上だから」」
「(そういうことですか~♪)」
ゲームが始まり
私達は街中にてギルドを探し当て
早速ミッションを受ける
更に、最初のミッションがイベントらしく
覇道戦記の主要人物であろう男性キャラクターが現れる
「こいつはマオ・アマツという重要キャラの一人だな」
『・・・行くぞ』
「なんていうか、凄くクールキャラですね」
「くっくっく、こやつからは我が崇高な魔力と同じ何かを感じる・・・」
「まあ、ある意味似てますね」
「ぶ~、もうちょっと構ってくれてもええんやないの~」
素っ気無く返す藍に頬を膨らます阿奈
「阿奈さん、そういうのは同性同士でやったらイラつくだけです」
「・・・酷い」
ミッション内容は
ヴォルガノスという龍の素材調達
四人はギラーガ鉱山という場所でヴォルガノスを探していた
「見ろ従業員、こんな環境下で咲く薬草は効果があると思わんか?」
「壁に頭ぶつけて死んでください」
「ひでぇwww」
二人のやりとりをしていると
どうやら、ヴォルガノスが出現してイベントに入る
一通りのイベントが終わってヴォルガノスとの戦闘になる
四人の他にゲームキャラクターであるマオも参戦する
なのだが・・・
「ゲームキャラが出しゃばんなゴラああああああ!!!」
マオに向かっておもくそ斧を振り回す翔
「ちょっと翔さん!何してんですか!」
「てめぇ!さっきの喋り方ムカつくんじゃボケ!透かしてんじゃねぇ!」
止まる事無く振り下ろされる斧
「やめてください!マオさんには何の罪もありません!」
「あっ・・・」
藍が翔を止めている時
偶然放った阿奈の魔法がマオに直撃し吹き飛ぶ
「マオさんんんんんんん!!!」
数分後・・・
何とかヴォルガノスを倒した一同
なぜか、ヴォルガノスの横にはHPを失くして地面に突っ伏しているマオがいた
「・・・なんでこうなったんですか」
そして、数時間が経過し
ある程度のイベントを終え
一同はストーリーの終盤に差し掛かっていた
「いやあ、こうしてやってみるとこのゲーム中々熱くなりますね」
「そうだろそうだろ、俺たちは原作を知っているが、ゲームになると聞いたらいてもおっきしてもいられなくてな」
「翔さん、下ネタはクリスマスで散々言ったんですから控えましょうよ」
「さあ皆、次はゲームの最終章だ」
「次のイベントは、主人公ダンが乗っ取られたマオと戦うシーンですわ」
ゲームを進めて行くと阿奈の言うとおり
主人公ダンとマオとの激しいバトルシーンが流れる
イベントシーンが終わり
戦闘に入る
どうやら、今度は主人公ダンと協力してマオと敵の雑魚キャラを倒すというミッションらしい
だが・・・
「大将首討ち取ったりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
翔は真っ先に斧を構えてマオを斬りつける
「あんたさっきから恨みでもあるんですかァ!」
「ぐっひゃっひゃっひゃっひゃ」
「笑い方が怖いわ!」
しかし、翔の攻撃によってマオのHPは段々と減り続けている
「トドメじゃオラァ!」
プツン・・・
「・・・え?」
何と
翔のPSPの場面が消える
「・・・充電がなくなったんですね」
「ちょwww今良い所なのに!」
急いで充電し直し
PSPの電源を付け直すと
「・・・ちょおおおおおお!!!マオきゅんが僕のキャラクターフルボッコにしてるゥゥゥゥゥ!!!」
「一番近くで攻撃してたから標的にされたんでしょう」
「やめろおおおお!!!やめてくれええええ!!!らめえええええええええ!!!」
その後
一人だけセーブをしていなかった翔は
始めからやり直す羽目になった
そんな終わり方で大丈夫か?
大丈夫じゃない、問題だ(涙)
・・・今回もダメだったよ
アイツは話を聞かないから(笑)
終わり




