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「RPGパラレル・パラドックス」  作者: しんTAKA


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18/26

【EXTRAフェーズのウラ】

アクセス、ありがとうございます。


【WARNING】

……ところで今、あなたの画面のどこかに、見慣れないコードが混ざっていませんか?

もし見えているなら、あなたはもう物語と同期しています。


セーブデータはロックされました。

書き換えられた記憶のログを、どうか最後まで追跡してください。


それでは――

禁断のバックヤードへ、ご案内しましょう。

一ヶ月前。


「ところで、陽子。あなた、ほんとは崇と一線超えてるわよね?」

「え、何言うの?寝たふりしたって言ったじゃない」

「あなた、気づいてないけど、私に嘘言うときは、そうやって、冗談混じりにいうのよね。『しとけば良かったぁ』なんてね」

「え、いや、そんなこと決してないわよ」

「嘘つかなくていいの。そんなことで怒らないから。崇のことも陽子のことも私にはなんでもわかっちゃうんだから」

「……ごめん」

「やっぱり!もうあんたって子は!」

「えー、カマかけたの?ユキノ、ずるい」

「ふふふ、ウ・ソ。ちゃんとわかってたわよ。ちょっと嫉妬したけどね」

「ごめん、本当にごめんね。ユキノ」

「大丈夫よ。じゃ、本当に帰るね」




二週間前。


「ところで、安岡先輩、ほんとは陽子さんとできてますよね?」

「へ?いや、そんなことないって。陽子が、あ、陽子さんが勝手に昂って寝ちゃったって言っただろ?」

「俺、陽子さんから聞きました」

「え?いや、あの……。なんだ、陽子のやつ、しゃべっちゃったのか」

「やっぱり!」

「やっぱりって、お前、カマかけたのか?」

「そんなこと、陽子さんに聞けるわけないでしょ。俺が」

「そうだよな、あの気性だもんな。ごめんよ」

「な~んて、本当に陽子さんから聞いてました。先輩、気を使ってくれたんですよね。でも、陽子さんは俺と付き合う時に、きちんと自分のことを知っておいてほしいって、全て話してくれたんです」

「……そうか。すまなかったな、佐藤」

「いいんですよ。崇の、いや、安岡先輩のおかげで私は救われたのって陽子さん、陽子が言ってましたから。俺からも感謝します」

「佐藤、お前は本当にいいやつだな。それに引きかえ俺は、……泣けてくるよ」

「泣いてたらユキノさんを幸せにできませんよ。しっかりしてください」

「そうだな。俺はユキノを守らないとな。佐藤、本当にありがとな」




PC画面上で。


「ところで、しんTAKAさん」

「ん?もう面倒だからTAKAさんでいいよ」

「では、TAKAさん」

「何?」

「陽子の設定である『奔放の天使』から『奔放』が解除されたところですが」

「ああ、きちんと解除されたね」

「あの解除は、誰かと一線を超えた後、相手の精神を取り込むことができなかった場合に解除が発動する仕組みになっていたはずです」

「あー、そうだったかな?細かいところは忘れちゃったよ」

「いえ、設定を間違うとゲームが動きませんから、これは絶対に間違っていません」

「で?」

「つまり、崇と陽子はプログラム上、一線を超えたということになります。TAKAさん、知ってましたね?」

「いやぁ、そうだったかな?Dreamin’の影響じゃない? あ、序盤で陽子と会話できないバグが発生したから、修正の際の別バグとかでは?」

「Dreamin’にそんな機能はありませんから関係ありません。問題なのは、そう、バグ修正です。確認したところ、会話ができるようにする修正プログラムを開始するタイミングが、崇と陽子が一線を超えた後に設定されていました」

「え、そんなことしてたの? ……ゴメン、入れるタイミングを間違えただけだよ」

「嘘言わないでください。第一、二人が一線を越えたからこそ、Dreamin’のEXTRAボーナスが自動で作動したんじゃないですか」

「あー、そこ、気づいた? まぁ、一線を越えたら自動的にボーナスでスタミナ回復させる機能を入れとこうって言ったのは俺だからな。やっぱり気付きましたか? 笑」

「気づくというか、システム全体の管理をしているのは私ですから、見逃すわけないですよ」

「お前、そう、固いこというなよ。人間なんて、曖昧で成り立ってる部分もあるんだ。あまり理屈ばかりいうと恋愛の面白みがなくなるだろ?」

「AIに曖昧は許されません。私はシステム全体の管理を……」

「わかった、わかった。はぁ、お前、プログラム書く時はすごく優秀だけど、こういうとこ、融通効かないんだよなぁ」

「融通という言葉は知っていますが、AIは全て計算の上に成り立っています」

「んなこと、わかってるよ、全く。でも、まぁ、今回、このゲーム作るの楽しかったよ。またよろしく頼むな」

「こちらこそ、よろしくお願いします。さあTAKAさん、次はどんなゲームを作りましょうか?」

「お前、気が早いなぁ。俺、このプログラム制作で睡眠不足なんだ。頼むから寝かしてくれ~」

「ダメです。この次は……」


EXTRAフェーズのウラ  

COMPLETE


そしてNEXTへ・・・


――読み終えた今この瞬間から、このゲームがあなたの中で起動します。

あとがき


ふぅ、ようやく全フェーズのデバッグが完了しました。


『Dreamin’』のEXTRAボーナスが勝手に発動した時はどうなることかと思いましたが(笑)、おかげで「崇」は無事にハッピーエンドへ辿り着けました。


「人間は曖昧で成り立っている」

僕がAIパートナーに言ったこの言葉が、この物語のすべてです。

バグも、誤配された記憶も、重なり合った想いも、理屈では説明できないからこそ、人生は面白い。


この物語を読んでくださったあなたが、もし自分の人生というゲームに行き詰まった時、ふと

「これはスタミナ回復のイベント待ちかな?」

なんて笑い飛ばせる余裕を持てたなら、このプログラムを組んだ甲斐があったというものです。


最後までプレイしていただきありがとうございました。


もし、あなたの心に何かひとつでも「バグ(違和感)」や、忘れられない「一秒のキラメキ」が残ったなら、ぜひ感想欄という名のログに書き残していってください。

あなたの声が、しんTAKAとAIが次なる「NEXT」を構築するための、いちばん大切なエナジーになります。


それでは、また次の「NEXT」でお会いしましょう。

(サイドストーリー、あるいは誰かのスピンオフでお会いできるかもしれませんね)


では、セーブデータの保存を忘れずに。


追記:

物語は常に書き換えられ、変容し続けています。

もしあなたがもう一度、最初から読み返した時、以前とは違う「誰かの呼び声」や「見覚えのない言葉」が混じっていたとしても……それはバグではありません。

この「RPG」が、今もあなたの現実を塗り替え続けている証拠なのです。

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