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予選開始

 景色が切り替わる。舞台は森林だ。

(これなら姿は隠しやすいね。けど、私からも相手を見つけないとポイントを稼げないし……。)

「《隠密》」

 アプリコットはとりあえず、隠れながら歩いてみることにした。


 数分後、同じように歩いている女性を見つけた。剣を構えて周りを警戒しているようだけれど、アプリコットには気づいてなさそう。(なら先手必勝。)

 アプリコットは、木に隠れた。

「《ウォーターボール》」

 女性の口元に水を発生させて窒息を狙う。けど、女性はすぐに回避した。

「どこだ!」

 女性が叫ぶ。攻撃したからもう《隠密》は解けているが、どうやらまだアプリコットを見つけられてないようで、辺りを警戒している。

(だったら追加でお見舞い。)

「《サンダーショット》」

 それでもまだ女性は倒れない。しかし、流石にアプリコットの居場所に気づき切りかかってくる。

「そこか!」

 だが、距離が遠く魔法の方が出が速い。

「《マジックボール》」

 《ショット》はリキャストの関係で撃てないので、弾速の遅い魔法だ。しかし、女性は倒れなかった。

「《スラッシュ》」

 縦方向の剣閃が魔法を真っ二つにする。

(やばっ、 とりあえず下がらないと!)

「《ステップ》」

 アプリコットは後ろ脚に魔力を込めて唱え、何とか距離を離した。

「《駿駆》」

 しかし、女性も同系統のアーツで一瞬で距離を詰めてきた。

「《パワースラッシュ》!」

「《プロテクション》!」

 大振りの攻撃をなんとかガードする。

(使えるようにしといてよかったぁ。って、このままじゃもたない。何とか相手の攻撃が届かない場所に……)

「《ウィンド》」

 風を巻き起こすアーツを唱える。対象は自分自身。その風に乗って高く跳ぶ。

「なにっ!」

 女性がアプリコットの芸当に驚く。そんな顔を見ながら、アプリコットは木の枝に乗った。

「当たらなきゃどうということはないよね。」

 アプリコットが魔力を溜め始める。女性は気づいて別の木陰に隠れたが、

「《サンダーブラスト》」

彼女の砲撃がまとめて呑み込んだ。

(よし、まずは1勝っと。)

 

 ----------


「おっ、やってるね。」

 人がいたので木に登って見てみると、斧使いの男性と槍使いの女性が戦っていた。

(これ漁夫の利できるのでは?)

 アプリコットはひたすら2人を観察する。やがて、女の人が肩肘を着く。

(今!)「《トルネード》」

 使うのは、1週間の間に覚えた《ウィンド》より強力な風魔法。2人ともが浮かび上がる。うち、地面に激突した女性のHPは0になった。

「なんだ!」

 地面に激突はしたけど耐えた男の人が上を見る。

(あ、目が合った。けど)

「ごめんなさい。《サンダーショット》」

 雷の速射弾がその人のHPも0にした。


 今の戦闘でアプリコットのすることは決まった。上から漁夫の利だ。

(卑怯かもしれないけど、勝つためだもん。仕方ないよね。)


(あとは、どうやって勝負の場にあり着くかだけど……音でも鳴らせば来ないかな?)

「満ちし雷の欠片よ 我が力を糧とし 稲妻となりて 降り荒べ! 《サンダーファスキス》!」

 アプリコットは雷を落とす魔法を発動した。


 数分後、血気盛んな来訪者たちが、音を聞いて彼女の周囲に集まってきた。剣士、斧使い、槍使いに魔法使い……って遠距離攻撃持ちはまずい。反撃され得る!

 ……幸い反撃はされなかった。ただ、

「《トルネード》!」

 魔法使いが剣士たちに向けて発生させた竜巻の余波で木から落ちそうになった。なんとか耐えたが。というわけでお返しの

「《トルネード》」


 ----------


「《サンダーファスキス》」

 再び同じことを繰り返す。だけど来たのは弓使いだ。しかもアプリコットに狙いをつけている。ということは当然矢が飛んでくるわけで……。

「《プロテクション》!」

 魔力のバリアでその矢を防ぐ。だけど、その様子をほかの人にも見られてしまった。

「おい、そこにいるのずりぃーだろ! 降りてこい。」

 木の下で男の人がアプリコットを挑発する。だけど答えはノーだ。

「お断りします!《トルネード》」

「ちっ!」

 男の人は斧を突き刺して暴風に耐えた。しかも

「痛っ」

 いつの間にかアプリコットの体に矢が3本刺さっていた。弓使いの人が隙を見て撃ったのだ。

「だったらこうだ!」

 しかも下では男の人が斧を横に構えている。もしかしなくても木を切り倒す気である。気づいたアプリコットは、慌てて木から跳び下りた。

「ふっ、ようやく降りてきたな。」

「まだ負けるわけにはいかないので!」

「だが、おまえさんはこれで終わりだ。《アックスラッシュ》!」

(まずい。緊急回避!)

「《ウィンドステップ》!」

 アプリコットは横に跳んだ。すると、横はがら空きだった。

「《マジックショット》」

「うぐっ」

 もはや雷にするMPもなかった。接近される前に〈初級MPポーション〉を飲む。

 男の人が接近してくる。あと矢も。

「《アックスラッシュ》!」

「《トルネード》!」

 とりあえず矢と男の人を阻む。今度は男の人は耐えきれず吹っ飛んだ。今のうちに追……うのは無理そうだった。矢が飛んでくる。

 アプリコットは木に隠れて〈初級HPポーション〉を飲んだ。そして決断する。先に弓使いをどうにかしないと。

「《ウィンドステップ》」

 弓使いに向かって跳ぶ。多少の被弾は籠手でガードする。

「こっちにこないでよ!《シュート》!」

「じゃないとこっちもきついので。」

 攻撃を受けながらも弓使いに近づく。そして懐に入った。

「《スラッシュ!》」

 仕込み杖の刃で思いっきり弓使いの鳩尾を斬りつけた。まさかの斬撃に弓使いは反応できてない。

「《サンダーショット》《サンダーボール》」

 弓使いは倒れた。後は斧持ちの男性だ。

「《ウィンド》」

 とりあえず再び木に登る。この方がまだ距離を保てる。

 男の人が走ってくる。でもアプリコットほどの速さはない。また《初級MPポーション》を飲んで魔力を溜める。

「《サンダーブラスト》」

 無事、男の人も倒すことができた。

(危なかった~。)

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