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55.フレンド申請と魔術猿への名付け


 昼飯を済ませ、家に戻ってきた俺は再び『異世界ポイント』を起動させた。

 視界が暗転し、いつもの真っ黒な空間が現れる。


「さて、まずは大河さんにフレンド申請を送っておくか」


 画面のフレンドの項目を選ぶ。


・フレンド 0/50


 へえ、フレンドは最大50名なのか。

 プレイヤー名の検索欄があったので、そこにトラと打ち込む。

 

『プレイヤー『トラ』にフレンド申請を行いますか?』


 勿論、イエスを選択。

 これで大河さんが承認すれば、晴れてフレンドだ。

 

「大河さんが言ってた個別チャット以外の特典機能ってなんだろう?」


 ヘルプを使って調べてみると、フレンドには二つの特典機能があるのが分かった。

 一つは個別チャット。要はフレンド同士で会話ができる。

 もう一つが、FP(フレンドポイント)と呼ばれる、フレンドが居ると発生する特有のポイントだ。

 現実時間で、一日に一回、フレンドの人数に応じてFP(フレンド・ポイント)がもらえる。

 フレンド数が最大なら、一日50FPだ。

 通常のポイントとは別に、このポイントで交換できるアイテムもあるらしい。


 ポイント交換や、ショップを確認してみたが、それらしい項目はなかった。

 おそらく、フレンドが居ることで初めて解放されるのだろう。

 確かにこれは早めに知っておいた方が良かったな。

 どんなアイテムが交換できるか楽しみだ。


「てことは、大河さん以外にもフレンド申請しておいた方がいいか」


 でもプレイヤー名が分かるプレイヤーが殆どいない。

 

「絶頂会長やバルカン、ぽるんがは……無理か」


 検索したら、相手のフレンド数がマックスのため、申請が出来なかった。

 掲示板で有名どころのプレイヤーはもうフレンド枠も埋まっているのだろう。


「あ、『ランダム申請』ってのもあるのか」


 なるほど、知り合いが居ない場合はこれでフレンドを増やすのか。

 俺はランダム申請のボタンを押した。


「さて、次はスキルと装備を整えるか」


 現在のポイントは4,759ポイント。

 ポイントはたっぷりあるので、余裕をもって交換することが出来る。


「……やっぱり前に買った商品は安くなってるな」


 盗賊の短剣や、獣使いの鞭は以前は35ポイントだったのに、現在は15ポイントに下がっていた。

 最初にあったよく斬れる剣なんて1ポイントまで下がっている。


「新しい商品が入荷すると、前の商品は安くなるのか」


 ポイントが少ないプレイヤーへの救済処置かもしれない。

 こういうところは親切な仕様だよな。


・盗賊頭の短刀  35ポイント×1

・トゲトゲの鞭  35ポイント×2

・弾倉(爆発弾) 2ポイント ×50

・派手なサングラス5ポイント


 とりあえず新しい武器で、目ぼしいのはこの辺りか。

 盗賊頭の短剣は既に一本もっているので、購入は一本だけにした。

攻撃+15、命中補正25%、クリティカル率+15%で、総じて盗賊の短剣の上位互換だ。

 トゲトゲの鞭は攻撃+8、攻撃範囲4メートルで、低確率でスキル『拘束』が発動し、拘束中も棘によるダメージが発生する。

 銃に関しては、短銃はそのままだが、弾が新しいのがあった。

 爆発弾はその名の通り、当たった際に爆発する仕組みらしい。

 攻撃数値は短銃のままだが、爆発による追加ダメージが発生する。

 派手なサングラスは防御、魔防、敏捷+30%。更にデバフの『暗視』が無効になる。

 相変わらず変態装備のくせに性能が無駄に高い。フレームの形は星だ。任意で光らせることも出来る。なんでそういうところは無駄に凝ってるんだよ。


「次に雷蔵と雲母の装備だな」


 こちらは新装備が二つしかなかったので、迷わず購入する。



・名刀・鬼丸  20ポイント

・雲衣     20ポイント



 鬼丸は刀の武器で、攻撃+30、連撃発生率30%。

 雷蔵にぴったりの装備だろう。

 雲衣は小さな羽衣で、こちらは雲母の装備。

 効果は知力、敏捷+15%、スキル効果+20%。

 こちらも雲母にぴったりの装備だ。

 既存の装備は破損もしていないから、買い替える必要はなし。

 自分の装備と合わせて全部で200ポイント。

 前回よりかは安く収まったな。


「猿たちの装備はどうするか……」


 猿たちでも装備できそうな武器はあるが、数が数だ。

 優先度としては魔術猿、戦士猿、音猿、森猿の順か。

 とはいえ、魔術猿だけでも十匹以上いる。


「まずは猿たちのカードを確認するか」

 

 バインダーを開き、カードを一枚ずつ確認してゆく。

 その中でレベル、スキル、忠誠度を考慮して四体を選出する。

 魔術猿が3体、戦士猿が1体。

 まずはこの四体の装備を整えよう。

 

・魔術師の杖  10ポイント×3

・魔術師のローブ 5ポイント×3

・魔術師の腕輪 20ポイント×1

・魔術師の宝珠 30ポイント×1

・丈夫な戦士の剣 15ポイント

・丈夫な戦士の鎧 15ポイント

・丈夫な戦士の兜 15ポイント

・丈夫な戦士の盾 15ポイント

・軽くて丈夫な靴 15ポイント


 合計170ポイント。

 戦士猿の方は、雷蔵の装備とほぼ同じだな。

 魔術師の方は、一体だけ頭一つ抜けた強さの奴が居たので、腕輪と宝珠を追加した。

 一番最初に、俺に付いたあの魔術猿だ。

 睡眠の魔法も使え、レベルも他の魔術猿より少し高い。忠誠度も『良』で猿たちの中では一番だ。


「よし、この魔術猿に猿たちのリーダーをやってもらおう」


 デイリークエストの派遣は最大で4チーム40体を参加させることが出来る。

 俺が居ない間、猿たちを纏めてくれる指揮役は必須だ。

 それに装備の差別化は、群れの中での序列にも繋がるだろう。人数を纏めるには必要なことだ。


「せっかくだし、コイツにも名前を付けるか」


 いつまでも魔術猿じゃ、他の猿と区別するのが面倒だしな。

 うーん、なんにしよう?

 魔術猿……睡眠魔法……猿、夢……いや、駄目だな。

 夢……夜。


「うん、『夜空ヨゾラ』にしよう」


 魔術猿の名前が決定した。


『名前 夜空ヨゾラ LV12

 種族 魔術猿

 戦闘力 ☆☆☆

 スキル ひっかき、投擲、火弾、睡眠、呪い、指揮

 忠誠度 最良』

 

 お、名前を付けたら忠誠度が『最良』になった。

 よほど気に入ってくれたらしい。

 

『ペペロンチーノがフレンドを承認しました』

『アンコウがフレンドを承認しました』

『トリパイタンがフレンドを承認しました』


 お、フレンドの通知が来た。

 皆さん、中々に個性的な名前だな。


「大河さんからはまだ承認がこないな。ログインしてないのかな?」


 まだ担当さんから怒られてるんだろうな。

 まあフレンド枠はまだまだ余ってるし、すぐに埋まることはないだろう。


「ショップで新しいアイテムも買って、と……」


『ササキ・リュウジ LV22

 職業 変質者

 保有ポイント4,389 所持金41,990イェン

 装備 盗賊頭の短刀、丸盾、派手なサングラス、旅人のブーツ

    派手なパンツ、派手なマント、力の指輪、敏捷の指輪

 スキル『悪運減少』、『指揮』、『紙装備』、『紙一重』、『不快』

    『着替え』、『二段飛び』、『急所突き』、『催眠』、『脱衣』

    『疲労耐性』、『麻痺耐性』、『呪い耐性』、『大物喰い』

 攻撃 66

 防御 42

 敏捷 63

 知力 40

 魔防 39

 器用さ19

 運  30  』


 よし、こんなもんか。

 これで準備は完了だ。



【項目を選んでください】

・ゲーム開始

   メインストーリー

   デイリークエスト

   デイリーダンジョン

   塔への挑戦

・ポイント交換

・ショップ

・ステータス

・フレンド

・掲示板

・ヘルプ

・ログアウト



「塔への挑戦もやってみたいけど、まずはデイリーダンジョンの方をやってみるか」

 

 項目に触れると、再び俺の体は白い光に包まれた。

 さて、どんな内容だろうな。

 楽しみだ。



 あとがき

 忠誠度について

 最良 > 良 > 高い > 普通 > 低い > 嫌い > もう無理


 忠誠度が高いほど、プレイヤーの言うことをよく聞いてくれる

 もう無理になると、いつの間にかバインダーから消えている

 所持品やお金も持ち逃げされることもある

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 >ランダム申請 あんまりプレイしてない人=ぶっちゃけちゃうとゲーム攻略の役に立たない人に申請しちゃうのがネックなんですよね。解除する時に此方が所持するポイントとか消費するソシャゲ…
これはどうでもいいフレで全部埋まった上で、フレンド解除がこちらからできない仕様の コンボ行きでは・・・
彼女のプレイヤー名は「タイガースペシャルマークⅡセカンド」だと気付くのは…まあ向こうから再度言われるまで忘れてるだろうなぁ。
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