表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/27

2.異世界ポイントへようこそ


 まぶしい光が収まると、俺は奇妙な空間にいた。

 周囲は真っ黒。そして目の前には不自然なまでに明るく点滅する半透明の四角い板。

 そこにはこう表示されていた。


『異世界ポイントへようこそ』

『ここをタップしてください  ■』


「なんだよこりゃ……」


 あまりの疲れで幻覚でも見ているのだろうか?

 それとも気づかぬ間に寝落ちしてしまったのか?

 たぶん、寝落ちしたんだろうな。うん、きっとそうだ。

 しかし妙な夢だな。


「……異世界ポイントって寝る前にスマホに表示されてたアプリか」


 怪しさ満点だった。

 まあ、どうせ夢だしどうでもいいか。

 俺は特に怪しむこともなく表示された場所に触れる。

 すると画面が変化し、新たな項目が出現した。


『項目を選んでください』

・ゲーム開始

・ポイント交換

・ヘルプ


「ゲーム開始……? ポイント交換……?」


 いったいなんのことだろうか?

 こういうときは、とりあえずヘルプだよな。

 俺はヘルプの項目に触れる。

 すると再び画面が切り替わる。


1.アプリの使用方法について

2.転移・帰還について

3.ポイントの入手方法について

4.ポイントの交換方法について

5.交換項目について

6.質問


 へぇー、結構いろんな項目があるな。それに分かりやすい。

 とりあえず一つ目の項目を開いてみる。


・アプリの使用方法について

 このアプリを使用すると、使用者は異世界に転移します。

 転移先は魔法大陸アルタナ。剣と魔法のファンタジーな世界です。

 あなたはこの世界でプレイヤーとして活動し、様々なミッションをクリアすることで『ポイント』を入手することが出来ます。

 手に入れたポイントは『ポイント交換』にて現実世界の金銭、物品、才能等と様々な特典と交換することが出来ます。また異世界の装備・スキル・金銭等とも交換することが出来ます。



 へぇー要するにゲームの中でクエストをこなしてポイントを集めるゲームってことか。

 なに、ちょっと面白そうじゃん。


「しかもRMT(リアルマネートレード)が出来るとか……」


 夢にしてはかなり設定がこってるな。

 ちなみに換金率は……あ、下の項目に載ってる。


 現在の交換レートは1ポイント=1万円となります。

 金銭の単位は現実世界では『円』、異世界(アルタナ)では『イエン』となります。

 単位は現実世界の『ドル』や『元』、異世界(アルタナ)の帝国通貨、聖王国通貨などにも変更することも可能です。その場合、レートは為替相場によって変動します。


「へぇー、夢の割にはしっかり作りこんでるなー」


 たまに妙にリアルに感じる夢ってあるよね。これ起きても、しばらく覚えてるやつだ。

 しかしドルや元にも換金可能って、このアプリそんなに有名なのか?

 そういうのって規制が激しいと思ったんだけど、どうなんだろうか?


「うーん、しかし……ちょっと面白そうだな」


 アルダンにハマっていた俺だ。

 剣と魔法のファンタジー世界ならば、ちょっとやってみたいって気持ちが湧いてくる。

 おまけにポイント交換でお金も手に入る。まあ、どうせ手に入る金額なんてたかが知れてるだろうけど。


「どうせ夢だし、やってみるか」


 ほかの項目も気になるけど、それはまずプレイしてみてから少しずつ調べていけばいいだろう。

 習うより慣れろだ。どうせ夢だし。

 俺は最初の画面の『ゲーム開始』を選択する。

 ぽちっとな。


『承認を得ました。――『異世界ポイント』を起動します』


 その直後、再び激しい光が俺を包み込んだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヘルプは見るけど中途半端にしか見ないタイプかw 某ハンターのG.Iみたいに帰還の難易度バカ高いの期待
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ