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14.クリア報酬


『おめでとうございます。メインストーリー1 EX『真の襲撃者』をクリアしました』


 お、さっそく脳内にアナウンスがながれる。

 というか、今更だが怪我が治っているな。

 ゲーム内で負った怪我は現実には反映されないって話だったが、実際にはこの黒い空間にも適用されるみたいだ。


『活動実績を算出……完了』


『実績 初めての眷属を達成』

『実績 無装備でのモンスター撃破を達成』

『成功報酬 ポイント+100、よく斬れるナイフ、20,000イェンを獲得しました』


『追加報酬 ポイント+250、スキル『紙装備』を獲得しました』


『経験値を獲得しました』

『LVが1から5に上がりました』

『LVボーナス ポイント+40を獲得しました』

『ポイント交換が拡張しました』

『ショップが開放されました』


 おお、追加報酬もゲットだ。

 無装備でのモンスター撃破……、パンツ一丁で戦った意味があったみたいだ。

 いや、偶然だけどさ。

 それに経験値を獲得してレベルも上がったようだ。

 そういやレベルアップでもポイントが手に入るって話だったな。

 1上がるごとに10ポイントか。


「ポイントは、通常ステージの70を含めれば、一気に460ポイントもゲットか。こりゃありがたいな」


 元の残高が53ポイントだから、合計で513ポイントである。

 仮に13ポイントを残して、残りを全部現金につぎ込めばなんと500万円である。


「500万……」


 ごくりと、思わず生唾を飲む。

 毎月5万円積み立てたとしても、8年以上もかかる大金だ。

 そんな大金を現実時間でほんの数秒で稼いだなんて信じられない。

 これだけあれば実家だってかなり楽になるかもしれない。

 思わず全部交換してしまいたい衝動に駆られる。


「いやいや、なにを考えてるんだ俺。このアプリがあればもっともっとポイントが手に入るだろうが」


 メインストーリーを一回クリアしただけで、経験値やボーナスも含めて400以上のポイントが手に入ったんだぞ。

 勿論、それ相応の難易度だったし、リスクもあった。

 だが止めるなんて選択肢はない。

 もっともっとストーリーを進めれば、更に莫大なポイントだって手に入る。

 何よりこんな非現実的な体験を味わっていおいて手放せるはずがない。


「……でもとりあえず10ポイントくらいは換金しても良いよね?」


 10ポイント、現実で10万円。

 それだけあればめっちゃ贅沢できる。

 少しだけ自分へのご褒美にしよう。


「このスキルの『紙装備』ってのはなんだ?」


 ヘルプで検索してみる。


『スキル』

・紙装備 パッシブ、装備が少なければ少ないほど

          攻撃、敏捷、命中補正が20%アップ


 ……装備が少ないほど、ね。

 つまりこれ、パンツ一丁でクリアしたことが実績に反映されたってことか。

 当たらなければどうと言うことはない! を具現化したようなスキルだな。


「命中補正ってのはステータスになかったな」


 器用さがそれに該当するのか?

 もしくは表示されるステータス以外にも隠しステータスがあるってことだろうな。


「ポイント交換の拡張、ショップはどんな感じだ?」


 確認してみるとポイント交換の項目の下にショップという項目が出現していた。

 こちらはどうやら異世界――つまりアルタナで使えるアイテムを、向こうの通貨『イェン』を消費して手に入れられるらしい。

 たとえば、『よく斬れる剣』。

 これはポイント交換だったら5ポイントだったが、ショップなら10,000イェンで購入できる。

 1ポイントの相場は日本円なら1万円、異世界イェンなら1,000イェンか。

 異世界のレートはわからんが、イェンがあるなら、異世界の道具はショップを利用した方がお得だな。

 流石に現実に応じて、ゲームの相場が変わるってことは無いだろうし……。

 

「んで、拡張されたのはどんな感じかな……」


 ポイント交換の方を確認する。

 こちらは現実で交換出来る物品が増えていた。

 海外の食料品や嗜好品、海外の土地や家とかが掲載されてる。

 投資家からすれば垂涎のラインナップだろうな。

 俺からすれば興味ないけど。


 他にアルタナの商品も増えていた。

 聖騎士の槍、暗殺者のナイフ、魔法使いの杖、闘士のバンダナ等々。

 どうやらこれは『職業』専門の装備らしい。

 調べてみると、LV10で職業を取得できるようだ。

 

「……高いな」


 一番ポイントが低い『暗殺者のナイフ』で70ポイント。

 一番高い『聖騎士の槍』はなんと150ポイントだ。

 その分、強力な装備なのだろうがそもそも職業につかなければ装備できないのなら意味がない。

 

「職業ね……」


 パンツ一丁でフィールドを駆け回る俺は、現状『変態』が一番適切な職業だと思う。

 ゲームでの行動がスキルに反映されたってことは、まさか職業にも反映されるのではなかろうか?


「……嫌だなぁ」


 嫌な予感をひしひしと感じる。

 当たっていて欲しくない。もしあったなら「お前の職業はこれがお似合いだ」って言われてるような気がして心が折れる。

 まあ、それはまだ少し先の話だろう。

 現在のLVは5。

 EXステージも含めての経験値だから、LV10になるのはまだまだ時間が掛かるはずだ。

 それに確かプレイヤー同士の交流が可能になるのもLV10だったはず。


「次はきちんと装備や準備を整えて臨まないとな」


 今回の苦戦は俺の準備不足、認識不足が原因だ。

 次回からは改善しなければ。


「とはいえ、次のステージはまた明日だ」


 流石に、疲れた。

 肉体的には疲労は回復するとはいえ、精神的な疲労はどうしようもない。

 今日はもうログアウトしてゆっくり休もう。

 明日、明後日は土日だし、時間はたっぷりある。

 ログアウトをタップすると、再び俺の体は光に包まれた。



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>>異世界イェンなら1,000イェン 5ポイント10000イェンなら1ポイント2000イェンでは?
むか~し、昔、魔界の村で戦う、アーサーというパンツ一丁の騎士がおったのぢゃ……
>『実績 無装備でのモンスター撃破を達成』 > 無装備でのモンスター撃破……、パンツ一丁で戦った意味があったみたいだ。 →服を脱いでパンツ一丁にはなったかもしれないけど、システム的にはナイフやら指…
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