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アプリ『異世界ポイント』で楽しいポイント生活 ~溜めたポイントは現実でお金や様々な特典に交換出来ます~  作者: よっしゃあっ!
第四章

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103.EXステージ6 その1


『おめでとうございます。メインストーリー6『PVP』をクリアしました』


『活動実績を算出……完了』


『隠しアイテム回収率100%達成』


『実績 勝利条件の変更を4回連続達成』


『実績 カードが10体以上、忠誠度が最良になるを達成』


『ステージの完全クリアを達成しました。追加報酬及びEXシナリオが解放されました』


『成功報酬 ポイント+60、虹の鉱石、5,000イェンを獲得しました』


『追加報酬 ポイント+100、復活の欠片×3、青の鉱石を獲得しました』


『ポイント交換が拡張しました』

『ショップが拡張されました』


『メインストーリー6EXシナリオに挑戦しますか?』


 黒い空間でいつものアナウンスが流れる。


「復活の欠片……?」


 いったいどんなアイテムだろうか?

 

・復活の欠片 カードが死亡した場合、復活させることが出来る

       状態『瀕死』、『衰弱』、『疲労(大)』が付与される


「これは……カードの復活アイテムか!」


 ついに手に入ったぞ、雷蔵たちの蘇生手段が。

 三個だから最大三回か。

 状態デバフが付くのは、まあしょうがないが、蘇生手段が手に入ったのはデカい。

 勿論、使わないに越したことはないが、保険としては最高のアイテムだ。


「『復活の欠片』ってことは、その上位版のアイテムもあるってことだろうか?」


 今後、ストーリーを進めていけば手に入るかもしれないな。


「今回の隠しアイテムは微妙だったな……」


 今回のステージの隠しアイテムは『20,000イェン』と『丈夫な盾』。

 かなり微妙な内容だが、仕方ないか。

 実績としては必要だったし。


「さて、待機室に行くか」


 EXステージに挑戦する前に、まずは他の確認だ。

 俺は扉を開けて、待機室へと入った。





「りゅーう~~~~~!」

「おごっふ!?」


 待機室に入った瞬間、セイランのタックルをくらった。


「なんで、あたしをおいだしたの!? ひどいよ!」

「あ、いや……ごめんな。ちょっと絵面が酷くて……」

「む~~~~!」


 まあセイランにしてみたら、急に追い出されたと思うか。

 ほっぺをリスみたいに膨らませて、大変ご立腹だ。


「急な事態で説明する暇がなかったんだ。許してくれ」

「……りゅーうのせかいのケーキ、たべたい」

「分かった。次に世界扉開いたら、ご馳走するよ」

「……らーめんもたべてみたい」

「オススメのお店に連れてってやるよ」

「……どうぶつえんってのもみたい」

「はいはい。一緒にパンダ見ような?」

「じゃあ、ゆるす!」


 むふーと、上機嫌になるセイラン。

 ……ケーキとラーメンはいいが、動物園か。

 俺もしばらく行ってないな。

 変装スキルがあれば、問題ないだろうし仕方ないか。

 うーむ、どうしてもセイランには甘くなっちゃうなぁ……。


『ノンノンデニッシュがフレンドを承認しました』

『ノンノンデニッシュからメッセージが届きました』


 お、さっそく来たか。

 ノンノンデニッシュさんからのメッセージを確認する。

 内容は、先ほどの会話に関する確認と、今後について。

 あとノンノンデニッシュさんの本名や住所も送られてきた。


「……本名は犬飼陽一郎って言うのか……」


 住所はそれなりに離れているな。

 でも小雨の『空間移動』があれば一瞬だ。

 大河さんとのスキル検証の結果を考えれば、まず間違いなく使用できる。

 

「そういえば息子さん、いったいどんな難病なんだろうか……?」


 あの口ぶりだと、まさか癌とか?

 だとすれば可能な限り早い方が良いだろうが、『女神の雫』は一日一個しか手に入らない超貴重アイテムだ。

 攻略のことも考えれば、ストックは欲しい。

 その辺も考慮して、ノンノンデニッシュさんと会う日にちを決めよう。

 メッセージをやり取りし、ひとまずは一週間後ということになった。

 条件も色々と提示したが、ノンノンデニッシュさんは全て受け入れてくれた。


「おわった?」

「ウッキィ?」

「ああ」


 ノンノンデニッシュさんとのやり取りの間、セイランはずっと膝の上に乗っかっていた。

 ついでに夜空も、いつの間にか後ろにくっ付いていた。

 君らくっ付くの好きね。


(ステージのマーカーポイントにあったのは騎士団への魔法陣だったのか……)


 ノンノンデニッシュさんからのメッセージで、シュリアさんが向かっていた場所に何があったのかも判明した。

 騎士団の増援を呼ぶための魔法陣が仕掛けられていたらしい。

 作動すれば数百人の騎士団が押し寄せて来たんだとか。

 そんなの事前に発動させとけばいいじゃんと思ったが、ノンノンデニッシュさん側のサブクエストの都合で、それが出来なかったらしい。

 ついでに言えば、今回の戦闘はノンノンデニッシュさんにとってEXステージだったらしく、カードの使用も三枚までという制限が課せられていたそうだ。


(なるほど、向こうは向こうでEXステージっていう縛りがあったわけか……)


 イベントムービーで、ノンノンデニッシュさんに『個人騎士団』なんて二つ名がついてた割に、使ってくるカードが妙に少なかったのもそれが理由らしい。

 ノンノンデニッシュさんには『上下一心』という、パーティーの上限人数の制限を解除するスキルもあったらしく、本来は一人で百体以上のカードを従えて、圧倒的物量で制圧するのが基本戦法だったそうだ。


(もし本来の戦法が発揮できていれば、あんな簡単に倒せなかっただろうな)


 てか、俺も欲しいな『上下一心』。

 でもこれ『ドM豚野郎』になった時に手に入ったスキルだそうだ。

 ちくしょう。

 

「――さて、ショップやアイテムの確認も済んだし、EXステージに挑戦するか」

「ウガォゥ♪」

「ウッキキー♪」


 雷蔵たちはまだまだ元気が有り余ってるようで、やる気十分のようだ。

 俺としても気力、体力共に問題ない。

 それじゃあ、やるとするか。

 

『メインストーリー6EXシナリオに挑戦しますか?』


 イエスを選択する。


『EXシナリオを解放します』


『メインストーリー6 EX『氷狼の襲撃』 

 クリア条件 モンスターを全て撃破する

 成功報酬 ポイント+500、終末の楽譜G、50,000イェン』

 




 視界が暗転し、俺たちはノンノンデニッシュさんと戦った遺跡へと戻って来た。

 周囲の景色は同じだ。

 違うとすれば、隠しダンジョンの扉が閉じていることくらいか。


(今回はモンスターの全滅か。それに『氷狼の襲撃』……)


 周囲を警戒しながらフィールドの中央に進むと、不意に冷たい風が吹いた。

 感じる視線と、背筋が凍るほどの威圧感(プレッシャー)


「さっそくお出ましか……」


 遺跡の一際高い建物。

 その屋上に一匹の白銀の狼が居た。


『モンスター図鑑が更新しました』


『モンスター図鑑№19 ウェザー・フェンリル

 アルタナのどこかに生息するといわれている希少モンスター

 強力な氷魔法を操り、周囲を一面銀世界へと変えてしまう

 美しい白銀の毛は物理、魔法共に高い耐性を誇る

 知能も他のモンスターとは一線を画し、デバフや様々なスキルへの耐性も高い

 目撃例が極端に少なく、その生息地、生態も謎に包まれている

 討伐推奨LV50』


 ウェザー・フェンリルか。

 レベルは終末世界を除けば、これまでで最高クラス。

 そして屍狼と同じ狼タイプ(・・・・)のモンスター。


「……なるほど、『時間停止』が通用しないってことか」


 それにデバフ耐性も持ってるし、周囲を寒くする氷魔法。

 ……明らかに俺と相性が悪いモンスターをぶつけて来たな。

 だが今回はカードもアイテムの使用制限もない。

 全戦力を惜しみなく投入できる。


「さあ、気を引き締めろよ皆。戦闘開始だ!」

「ウガオオオウ!」

「きゅー!」

「ウッキー!」

『ボー!』

「うん!」


「ワォォォオオオオオオオオオオオンッ!」


 EXステージ6――ウェザー・フェンリルとの戦闘が始まった。



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― 新着の感想 ―
まだムスコの真実を知らない頃か・・うんEX開始前に知ることじゃないね、気が抜けること請け合い。
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