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プロローグ1

神谷雅人十五歳。中高一貫校のため3年生といっても受験をしないので、のびのびとゆっくりスクールライフを楽しんでる、そんなくだらない俺が初めて恋をしたのは一週間前のことだった。

初めて話をしたのは、一週間前。そう 親父とお袋の葬式の、一日後のことだった。



父親と母親の口癖はいつも「優しくなりなさい。優しくなればいつか幸せが訪れる」 だった。 ソシテその言葉に俺は何の疑問も、思わなかった。 理由?それは親父に、俺の会社がほとんど潰れてしまい借金がたくさん出来て、いきていけない。経営権などは全てお前にやる。だから借金の名義をお前に変えてくれと 馬鹿みたいな事を話した奴が居た。



そいつは同じ事をいろんな人に言い、そして断られ、あまり仲が良い訳でもない親父に藁をもすがるような気持ちでやってきたそうだ。



普通なら断る。今の俺にだってそういわれたら断るだろう。

だが親父は、俺が知ってる普通以上の馬鹿だったようでソレを快く引き受けた。 



そのおかげで2週間程度家族は苦しい貧乏生活を強いられた。 でもその後は不思議とどんどんと会社の功績が大きくなり、小さな会社にもかかわらず借金を1ヶ月で全て返済。そしてそのあとの一ヶ月で本社を都心際のビルに替え、どんどん支店が出来、いつのまにか セカイ有数の資産家になってしまった。そんなことがあったからだ。



子供の頃、何故親父は普通のサラリーマンだったのにこんな金持ちになれたんだと聞いたら、あの時に縋ってきた人を見捨てなかったからだよ。優しくしたから神様が父さんに幸せを運んでくださったんだよ。と言われた。若干、そんなはずねぇだろうが。世の中ぎぶあんどていくなんだよ。馬鹿にしてんのか?子供だからって騙せるとでも思ってるのか?とか子供のくせにすこし思ったりもしたが、 まぁ結果がそうなっていたので俺はソレを信じることにした。



だが、そんな馬鹿親父も馬鹿お袋も莫大な遺産と俺を残して 交通事故とかいうのであっけなくいっちまった。



まぁ、当然そんな悪い口たたいても結局は家族を愛してたわけであって。 少しは泣いたりもした。葬式の翌日は学校だった。行きたくもなかったけどまぁ行くのが義務らしいのでしょうがなく行った。



学校には行ったもののやっぱり、授業を受けるような気分ではなく。サボることにした。昼寝に丁度いい場所はないかと探していたら高学年校舎の芝生が生えている庭園に隅の方にいい場所があったので、ソコで俺はねころぶことにした。ゆるくねっころがって空を眺めてたのだが。空が見えていたはずの俺の視界は急に曇った。いや曇ったって言うよりは長い黒髪をストレートにたらしている同じクラスの割と男子にもてている青柳美夜が不思議そうな顔をして、俺の顔を覗き込んでいた。



しばらく無視していたのだが、サスガに少し鬱陶しくなって話しかけた。

「なんか、用か?」

すると美夜はにかっと笑って俺の横に座った。

「いや、特に用はないけどさ。なんか辛そうな顔してるな~と 思って」

「・・・・・・・」



風が俺たちを吹き上げる。雲が流れるように動く。 木がざわざわと音を立てて、木の葉を散らせる。

「別に、辛いわけでもない。苦しいわけでもない。悲しいわけでもないんだ。ただ。なんていえばわかんねぇな」

雅人ははっと笑った。自分がわからなくなって。 なにがしたいのかがわからなくなって

すると美夜はすこし眉間にしわをよせて手を俺の顔に伸ばしてきた。

俺の両頬をつかんでいる。



「・・・・・青柳。 何がしたいんだお前・・?」

「笑ってよ」


「ちっ・・・・・」

いまさらながら俺はなんで、あんなこといっちゃったんだろーなーと思う。少し恥ずかしくなる。

「何でそんなに俺に笑えって言うんだよ。俺のこと何にも知らないくせにうるせぇんだよ!!」

美夜は、少し悲しそうな瞳をちらつかせてそっと俺の頬を掴んだ手を離した。 やっとかと思い俺ははぁとためいきをついた。 確かに美夜は俺の頬から手を離した。でも

その代わりに、


美夜は俺に抱きついてきた。



「ちょまておまぇってほげゃあぁってやめってなになにがあったのふぁああ!?」



俺はわけが判らなくなり日本語じゃないような言葉もたくさん叫んだ気がする。 そりゃだってまぁ。可愛い女の子が抱きついてきたら学生男子はな。わかるだろ?


『・・・・わかんないかな』

「・・・・!」

美夜は俺に抱きついたまま話す。

「神谷君には笑ってて欲しいんだよ・・・・・ お願いだから。もう二度と私の前で辛そうな顔しないで・・・・」

美夜はとにかく泣きそうな声になる。なぜ美夜が苦しそうに話してるのかはそのときの俺にはわからなかった。でもまぁ。肩が明らかに美夜の雫で濡れてきたのがわかったのでとにかく俺は笑うことにした。 状況的にはとても笑えたもんじゃなかったけどな。



「笑うから。辛そうな顔なんてしねぇから。 泣くな な?」

俺は美夜の肩を掴んで抱きつかれてた状況を脱会した。

「・・・笑えよっ・・・」

美夜は袖で眼をぬぐうと、潤んだ眼をこっちに向けてきて小さな声で言った。

俺は少し照れながらも笑ってやったよ。優しいからな。

俺の笑顔を見た美夜ニッコリと笑った。

『やっぱり。神谷君はそっちのがかっこいいよ』




そのときにはもう多分

惚れてたと思う。 女は共感できないかもしれんが男はほら。わかるだろ?

まぁ 惚れたのはこんなくだらない理由だったとおもう。

うーん いろいろ失敗した(*-д-)

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