あきねこはあきられた
タイトルがふわりと浮かんだので詩として書いてみました。
秋の夜はつるべ落とし
そのつるべに満たされた甘やかな睡魔に浸り
秋猫はしばし
別れの月影を見失う
ひとつの満月だったものが
上弦下弦に割れ分かれ
今では背中で馴染むだけ
まだ明けない夜の冷たさは
鼻を擽る匂いとなり
秋猫は両の掌に
くしゃみを小さく
丸め込む
そんな時はいつも
あなたが大好きなしっぽの先を近付けて
鼻先へキスの悪戯を仕掛けていたのに
この最後の夜は
ただあなたの寝息を
そのぬくもりと共に
愛しむだけ
実はものぐさなあなたが
丹精込めた掃除をしても
別の毛並みが居るのが
秋猫には分かるから
離れがたい背中を寝床に残し
秋猫は掃き出し窓を開ける
色づきを心待ちにしていたのに
ベランダに追い出されてしまった
ポインセチアを
連れ帰る為に
でも愚妹の様に清純にはなりません。
何たって! 私は黒楓ですから……
あ、今日の午後も『ポチと陽葵』は更新いたしま~す!(^O^)/
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