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フェレ皇国暗殺者を送り込むからの懐妊  

その年ヴィクトールとアレキサンドリアの結婚一年目の祝辞が宮殿で開催されていた。


久しぶりの公務しかも自分達の結婚記念日にして皇太子は十四歳に皇太子妃は二十四歳になった。


「皇太子妃はとてもお美しいその歳には見えません。」


フェレ皇国の大使の一言は嫌みにしかとれない。顔が引きつる…。

年齢コンプレックスは一生治らないだろう。皇太子妃として生きるには。


全然なれないの……。


ヴィクトールが何か言ったが聞き取れない。


「えぇ?」


近づいて耳打ちされて初めて聞き取れた。


「早く終わらせて二人っきりで祝いたい」


少し顔が赤くなる私。

ちょっとまじでやめてください。恥ずかしいんです。


次に挨拶したのはアフェルキアの公太子だ。

美しいブランドで上品な顔つきはいかにも高貴な人物にしか見えない。

かなりの美男らしく、周りの令嬢たちはウキウキして公太子を見ている。


「この度はおめでとうございます。

 幾久しく仲がよろしいようで。

 跡継ぎのご心配はないようですね」


社交辞令だが本当にやめてほしい。ヴィクトールは嬉しそうだ。


「美男美女が誕生しますよ。

 できればアフェルキア公国へ嫁がせるか。嫁いでもらうか。

 いい案ですね。」


超ご機嫌になってしまったヴィクトールにアレキサンドリアは赤面している。


中庭の物陰でこの様子を目撃している人物がいる。


明らかにこの場に相応しくない人物の様でヴィクトール達の様子を見ている。


この祝賀では庭に一般人も招待されている。

これは帝国の慣例で一定時間解放されるのだが勿論身元調査された人物に限られる。

しかしこれが隙になり曰くつきの人物の侵入を許してしまう。


バルコニーに皇太子夫妻が登場した時それは起こった。


バッ~~~ン

空を切り裂く銃弾の発射の音と共にアレキサンドリアがヴィクトールを突き倒しそのまま覆い被さった。

ヴィクトールは突飛ばされた瞬間に頭を強打したが痛みだけで傷はない。

一方アレキサンドリアは隣でうめき声をあげている。


どうやら腕を撃たれたようだった。

袖口に血が噴き出て真っ赤に染まっている。


「皇太子様 お怪我は?」


ようやく話した声は自分の心配ではなく私の心配?

ヴィクトールは嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだった。


宮廷医が呼ばれ、急ぎ応急処置が施された。


暗殺者は確保されたが、投獄後薬物で自殺してしまった。


男の特徴や風貌、持ち物その全てがフェレ皇国の者と推測されたが確証がなかったので抗議するしかなかった。

フェレ皇国は知らぬ存ぜずで、当然話にはならなかった。


アレキサンドリアが次に目覚めた時に傍にいたのはヴィクトールだった。


柔らかな前髪を手ですくいとる。


だまっていれば可愛いのに。


あれ???


すっかりアレキサンドリアはヴィクトールに魅了されたようだった。


でも恥ずかしすぎる。

なんで………。年上なんだろう…いまさらしかたないけど。


私が五十で彼は四十代

私が六十で彼は五十代


ん~~~。


まじまじとヴィクトールを眺めていると。


「ずっとみてほしい」


ヴィクトールが一言言って、目を覚ましたらしい。


アレキサンドリアの頬が赤くなる。


侍女から皇太子妃が目覚めた事を伝言された宮廷医が皇太子妃の寝室に入る。


意外な一言を伝言する為に。


一通り診察した後。


「化膿しないような処置をしました。

 それとおめでとうございます。

 ご懐妊でございます」



なんと妊娠3か月だそう。

嘘でしょ……これで離婚は出来なくなりました。


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