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アレキサンドリア宮廷で過ごす

 この後の皇太子の行動は早かった。


その日のうちにアレキサンドリアは邸宅に帰ると父に確認して婚約が本当の話と知る。

しかもその日のうちに宮殿へ入宮しなくてはいけないらしい。

準備もそこそこに急いで再び宮殿に向かうべく皇太子が用意させた八頭立ての豪華な馬車で入宮した。


なんでこんなに準備万端?

実は1年前からこのために皇太子は周りを固めていたのだ。


皇太子は両陛下を警護を兼ねたいわば契約婚だと説得させた。

自分の暗殺を未然に防ぐには始終傍に護衛が必要だから后ならいつお傍にいれるからと。

何度も命を狙われた皇太子の身を案じていた両親は認める事にした。皇太子の年齢を考えるとそのうち離婚して見合った相手を迎えるだろうと。


侯爵には家の繁栄と門閥、そして自分の後見を依頼して了承をとりつけた。侯爵家からすると光栄な申し出で反対する必要もなかった。



アレキサンドリアは絶対嵌められたと確信している。


深夜に宮殿に入り、とりあえず皇太子妃用に用意されたプレイべートエリアの部屋に案内される。


まあ落ち着いた内装でアレキサンドリア好みの調度品で飾られている。


深いため息を吐いて寝台に横たえる。

さすがに入宮そうそう皇太子は訪問しなかったが、明日が待ちどうしく興奮して寝つきが悪かった。


次の日 両陛下に謁見が許され全貴族達に皇太子の結婚が宣言される。


「フェレイデン帝国 皇太子にして将軍 ヴィクトールの妃 

 アレキサンドリア・ディア・フェレイデン」


隣国の姫君達が皆帝国の皇后を夢見ていたのにこの宣言を知り涙を流すのだった。

そして是が非でも結婚したかった元婚約者は涙に暮れる事になる。


宣言の後はお披露目式だ。

美しく装ったアレキサンドリアを手に入れたヴィクトールは満足そうに手をとり、ダンスを始めた。

美しい音楽に軽やかに舞われる二人にうっとりしている。


ヴィクトールは得意げに頬を染めて嬉しそうだ。

アレキサンドリアは複雑だ。令嬢達の嫉妬、隣国の大使たちの失望の眼差し、隣国の大公家の不機嫌さ何もかも煩わしかった。


この日から皇太子妃教育が始まる。

常に皇太子が付き添いどちらが警護しているかわからなかった。



第三話 終了

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