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アレキサンドリア 皇太子に嵌められる

アレキサンドリアはぽか~~んと皇太子の顔をジーとみている。


皇太子はその顔が美しいと頬を赤くしている。


「殿下?

 私の耳がおかしくなったのでしょうか?

 今求婚されているように聞こえます」


「いいえ求婚しています」

皇太子は首を左右にふりながら答えた。


「あっ殿下

 私はただの侯爵家の息女

 しかも殿下の十歳年上です」


淡々とアレキサンドリアは答えた。

いわゆる少年の思い付きに本気になるのは馬鹿かよっぽどの自信家だ。

私は違う。


「ええ

 承知していますよ。

 僕の近衛兵隊長で侯爵家の跡継。

 そして将軍になりたい野望家でしょ」


殿下に言った事がないのによくわかると思いつつ話を戻す。


「だったら。

 人をちゃかすのもいい加減になさってください。

 悪い冗談ですよ。殿下」


ヴィクトールはまた首を大きく左右に振り、強い目でアレキサンドリアを見る。


「冗談ではない。

 君を選んだのは

 私の身を常に守ってほしいから。

 僕が暗殺されかかった事は知ってるだろ。

 そしてその見返りに君に将軍の地位を約束するよ。

 まあ僕が即位してからだけどね。

 それに元婚約者からのプロポーズも拒否できるだろ。

 皇太子妃皇后になったあかつきにはその義務は果たさなくていいよ

 いいとこずくめだろう」


アレキサンドリアは固まる。


「殿下さすがに無理があります。

 あの元婚約者から逃れるのは願ったりですが」


皇太子は得意そうに答えた。


「じゃあこうしよう。

 君は僕の婚約者として公開する。

 君は皇太子妃の役目を果たさなくていい。

 婚約破棄と結婚後の離婚したければ君が申し出すればいつでもできる

 皇太子妃として陛下に名誉将軍職を就任出来るように進言する

 これでどうかな? 」


アレキサンドリアはじ~と腕組をして考える。


殿下結婚は家の問題です。両陛下と父が反対したら結婚どころか婚約も無理では?


皇太子はまってましたとばかりににっこりと微笑んで言った。


「もう話はつけているよ

 両陛下と君の父上は了承している

 君ははいしか言えないね」


この殿下策士だ絶対。

廻りをしっかり固められていたいつも間にか。


アレキサンドリアは覚悟を決める。


「条件は先ほどの通りですね」


ヴィクトールは頷く。


「で両陛下と父は了承しているのですね」


また頷く。


「元婚約者から守ってくれますね」


頷く。


「わかりました

 私は殿下の皇太子妃となります」


第二話 終了






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