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皇太子 近衛隊長にプロポーズする

それから八年後ヴィクトールは十三歳にアレキサンドリアは二十三歳になっていた。

アレキサンドリアはその後昇進して現在皇太子付けの近衛兵隊長を務めている。


時折剣術の指南をしているが以前の様にいかない。皇太子の腕がかなり上がり十分戦場で戦えるレベルまで達成出来ているからだ。

時折アレキサンドリアが負かされる場面もあり、未来のフェレイデンが明るいと頼もしくもあり充実した日々を過ごしていた。


そうこの日までは


「アレキサンドリア!

 聞いてくれ私は婚約破棄を願った事はない。

 今も君だけを愛している。

 私と結婚してほしい」


そうプロポーズしたのはアレキサンドリアを振って宮廷の噂話の標的にしたラルファルド公爵だ。

いや正確にいうと元々の婚約者だった。

前ラルファルド公爵は死去し、跡継ぎだった元婚約者が爵位を受けついだのだった。


げんなりする様子のアレキサンドリアは露骨にいやな顔をする。


「私達の関係はもう終わったのです。

 あの日に。

 もうというかそもそも私はあなたを好きではありません。

 嫌いでもありませんが。

 ただの元婚約者。

 元には戻せません」


「女将軍!

 かまわないさ。

 私の本意ではなかった。

 私が爵位を継いだ暁には結婚するつもりだったんだ。

 愛しているんだアレキサンドリア!! アレキサンドリア!!」


私の名前を連呼しないでほしい。また宮廷の噂のネタにされるのかと思うとげんなりする。


「とにかく迷惑このうえない。

 失礼する」


冷たい視線で元婚約者を見上げるとすーとその場を去っていった。

冷ややかな宮廷侍女達に見られながらラルファルド公爵は叫んでいる。


「絶対君と結婚する。

 絶対だ。

 アレキサンドリア!!!」


本当にやめてほしい~~~~眉間に皴を寄せてその場をそそくさ去っては皇太子のプライベートエリアにある私室を警護する。


皇太子は私室で本を読んでいた。この出来事は即皇太子にスパイの侍女により報告される。皇太子はあいもかわらずアレキサンドリアが大好きで、その動向を記録させる軽いストーカー行為炸裂だった。


ドアがノックされ廊下から聞き覚えのある透き通るような声が聞こえる。


「皇太子殿下

 アレキサンドリアです」


声だけでわかるからあえてなのらなくてもいと頬を染めながらヴィクトールは思う。


「いいよ」


その声と同時にドアが開けられる。


「殿下。

 ごきげんよう。」


お辞儀をして礼を尽くす。


「ん」


読んでいた本を閉じておもむろに言った。


「ねえ~アレキサンドリア。

 婚約しようよ」


不意打ちの婚約申し込みに瞳を丸くしてじっと皇太子から目が離せないでいる。

いや言っている言葉も理解出来ないでいる。


何?今皇太子殿下は何言った?


アレキサンドリアの固まった顔と身体はじっとただ皇太子を見ている。

何を言っているか理解できないでいる。

勿論そうなるだろう。何せ思わぬ相手からのプロポーズだ。



第一話 終了




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