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鉄壁の運び屋 壱ノ式 ー三原色と施錠の町ー【完全版】  作者: きつねうどん
第十四章 最初の危機
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第陸拾弐話 手助け

「聞いたか、朱鷺田?」


「まさか、雪が奴らの弱点とはな。本当に頼もしい先輩だよ。だが、これを考えるにまだ弱点がありそうな気もするな」


忍岡で立ち往生していたメンバーの元に児玉からの情報が届く。

それを受け取った山岸と朱鷺田は、仲間達にそれぞれ指示を出した。

その中で朱鷺田は軍人達は何か特殊な生態をしているのではないか?と勘繰っているようだ。


「隼、颯。北部に大量の軍が集まっている。お前達は初嶺を連れて其方に向かってくれ。小町と俺は不来方で待機、前線を下げなきゃいけなくなったら補助に回る」


「了解なの!隼、颯。ピンチになったらこの小町の胸にドンっと飛び込んできてもらって良いの!」


小町は自信あり気に自身の胸を叩くが、逆に颯は大丈夫かと苦笑いを浮かべていた。


「隼、絶対に戦線を維持するぞ。意地でもちんちくりんな小町の胸に飛び込むのは御免だからな」


「颯先輩、そんな事を言うからバディ解消されるんですよ。頼りにしてるよ、小町」


「なんか、露骨に宥なだめられた気がして小町の乙女心には響かなかったの。今日は50点」


その言葉に隼と颯は乙女心は難しいなと思いつつ、直ぐ様北部に向かった。

山岸は小町の言葉を聞いて、茶化すように翼に同じ事を言う。

両手を広げ、何かを受け止めるようなポーズをとっているようだ。


「翼、ばっちこい!!お前を受け止める準備は出来てるぞ!」


「いや、何でそうなるんすか!?と言うか、那須野さん俺達はどうします?不来方には行けないし...あっそうだ!愛さんは?この状況で一番狙われるの愛さんでしょ?」


「そうだな、俺達はそこまで遠くに行けないし愛の護衛に着くか。治療や武器の修理が出来る愛に何かあったら戦う所じゃないしな。御三方もそれでいいか?」


朱鷺田達3人もそれに頷いた後、浅間が付け加えるようにこう言った。


「愛さんは私達の中継地点である氷川に居てもらうようお願い出来ますか?そこなら、臨機応変に対応出来ると思いますし」


北部担当者のある程度の振り分けが終わった所で山岸が翼に指示を出した。


「今でも薄らと雪が降っているとは言え、相手に脅威を与えるには翼の【雪女】の力が必要だ。全員配置についた後、それを合図に行動を開始する。いいな?」


「戦の狼煙(のろし)ってやつっすね。了解っす。では、3人もお気をつけて」


残った3人は、目を合わせ誰か1番に発言するのか探りあっていた。

次第に朱鷺田が冷や汗を掻きながら、顔を真っ青にする。


「...もしかして、男って俺だけか?」


「ひゅー。トッキー良かったね、美人に囲まれて。ハーレムだ」


「谷川!!俺が女性が苦手なのは良く知ってるだろ。茶化すな。...いや、あの。決して浅間の事が嫌いとか苦手とかそう言う意味ではないから、気を落とさないでくれ。これでも大事な後輩だと思ってるんだ」


「分かっていますよ。私の事ならご心配なさらないでください。希輝ちゃん達が来る前は1人で自分の担当場所を切り盛りしていましたから。単独行動には慣れているつもりです」


しかし、谷川は首を横に振り浅間を引き留めた。


「この状況で単独行動は危険過ぎるよ。それに、谷川さん。余り頭を使いたくないからさ、インテリなまーちゃんの力が欲しいんだよね」


「谷川、また人に変なあだ名をつけるんじゃない。餓鬼の頃から、俺のことみどり君、みどり君って言ってるのと変わらないだろ?」


「だって、旭と浅間って一文字違いだから言ってると混乱するんだもん。それに旭だって、みどり君の事トッキー、トッキーって言ってたから一緒だよ」


「なんか、ごめんなさい。名前、紛らわしくて」


浅間が苦笑いしながら謝ると、気を取り直して今後の行動を話し合う事にした。


「児玉さんからの情報を聞いた感じだとそれぞれの区の関所、そして鶴崎と全斎の門から人の出入りが行われています。それを鑑みるに最終的には運び屋達を内側の部隊と外側の部隊から押し込めて包囲する。それが彼らの戦法なのでしょうね」


「だとしたら、比良坂町の壁が壊れたのは相手にとってかなり有利な戦況に傾ける為の布石だったのかもしれないな。もし、今までのように区同士で人の行き来ができなければ一個ずつ区を征服する必要がある。それだと手間暇がかかるし、この町もそこまで広くない。情報が他の区に漏れれば対策される可能性がある」


彼は頭の中に比良坂町の地図を思い浮かべ、もし敵が自分達を包囲したいと願うなら何処にかき集めるかを考えているようだ。

そうなると場所は一点に絞られてくるだろう。

そんな時だった、谷川が朱鷺田の着物の裾を軽く引っ張る。


「ねぇ、みどり君。あの、初嶺って運び屋。軍から来たんだよね...もしかしてスパイだったりしない?こっちの情報を漏らしたりしないよね?」


朱鷺田と谷川が青ざめた顔でいると、少し考えたあと浅間が口を開いた。


「それはあり得ないと思います。現に初嶺は零央君が記憶喪失に成る程の障害を負わせている。零央君は運び屋にとって重要な抑止力なんです。彼の目から逃げる事は絶対に出来ません」


朱鷺田は口をあんぐりさせ、この前会った少年がそんな存在だとは知らずに過ごしていた自分を後悔していた。

可愛らしい天使のような外見の少年にそのような力があるなど彼は知らなかったのだろう。


「ねぇ、みどり君。絶対、旭より零央君を加入させた方がいいよ。谷川さんの負担も減るし」


「お前は仕事をしたくないだけだろ!!だとしてもだ、ピンチになったら零央の力を貸して貰えるのは心強いな。周囲とは仲良くしておくもんだな。では、浅間。これからどうする?」


「はい、私はこれから協会へ向かいたいと思います。言ってしまえば、人が出る蛇口を閉めておきたいのです。出入り口の封鎖、及び退路の封鎖。そうしないと、やがて山岸さん達が協会側と北部の部隊に包囲されてしまいます。ですが、根本的な原因である鶴崎と全斎の門は互いに水行川付近に点在しています。そこは、私達の行ける距離ではありません。児玉さん達も参区方面に出払っています。誰か水行川に行ければいいのですが」


その言葉に朱鷺田も同意するように頷く。

協会は数多の運び屋達が集まる場所だ。包囲網を敷くのに打ってつけの場所だろう。


しかし、問題は門に辿り着く事が出来る人物の存在だった。

朱鷺田達は印を持っていない。そんな時、ある可能性を出てきた。


「...浅間、零央のコードは?」


「児玉さんや光莉ちゃんが以前使っていた「000」ですが。まさか!?」


朱鷺田はすぐさま無線機を準備し、数字を入力する。


「そのまさかだ。頼む、出てくれよ零央」


砂嵐の音の後、聞き覚えのある声が聞こえて来た。


「こんにちは、こだまれおです!」


「零央、お兄さんの事覚えてるか?」


「えっとね。ゆかりおにいさん!」


彼はその言葉に一瞬微笑んだ後、谷川の方を睨みつけた。


「おい、谷川。お前より何倍も賢いぞ。本当に養子縁組するか迷うぐらいだ」


「だって「縁」と「緑」ってややこしいんだもん。間違えるに決まってるでしょ?ほら、みどり君。本題に入って」


谷川が彼をみどり君と呼ぶのは幼い頃から3人で習字教室に通っていた時、朱鷺田がまだ学校で習っていない自分の名前を漢字で書く練習をしていたのがきっかけだった。

それを見た谷川が漢字を誤認してしまったらしい。


しかし、朱鷺田は知っている。

その緑すらも、当時学校では習っていない漢字だったのだ。

その時、彼は谷川の事を賢い子だなと思っていた。


気を取り直して、零央に水行川まで来てもらえるかお願いした。


「うん。れお、すぐにいくね!れおパンチであかいのをこわせばいいの?」


「そう、君は本当に賢いな。ありがとう、また遊ぼうな」


無線を切ると、谷川は今までにない朱鷺田の優しい顔にドン引きし、浅間もやはりそんな表情を見た事が無かったのか呆然としていた。


「朱鷺田さんってあんなに優しい表情するんですね。初めて見ました」


「みどり君、本当に犯罪者にならないでよ。町長の息子が子供を誘拐とか洒落にならないんだから」


「あのな!俺はさっきのが素に近いんだよ。子供と一緒にいる時間しか、自由に振る舞えないんだ。親父は時間にも厳しいし、人の悪口なんて言語道断。大人達は俺に媚び諂へつらってくるし、色々と抑圧されて生きてきたんだ。近所の子供達はそんな事知りもしないだろう?だから、一緒に遊ぶ事ぐらいバチは当たらないだろう。ほら、協会に行くんだろう?行くぞ、2人とも」


2人は朱鷺田に促される様に協会へと向かった。

折角、翼がいるので先日E8系に乗った時の事を話したいと思います。

まず、最初に言っておきますが作者も山岸と同じく世界4大馬鹿です。

これの元ネタは新幹線開発の中で世界でも今まで存在しなかった高速鉄道を何のノウハウもなく作ろうとした十河信二氏を含めた建設賛成派の人間に対して、反対派が「そんな者を作って何になる?ピラミッドや万里の長城、戦艦大和と同じく世界四大馬鹿と言われるだけだ」と当時の東海道新幹線に対して関係者が言っていた為ですね。


話を戻しまして、E8系に乗りたい作者ですがそれが少ない編成かつ限定された時刻でしか運行していない事を知りませんでした。なので適当にそれぞれ普通席とグリーン車の切符を買って行きと帰りどちらかで乗れたらいいなと軽い気持ちでいたんですよね。

そしたら行きでE3系が来て、絶望した訳ですよ。

その前にE8系が出ていく所を見てたので乗れると思って作者ウキウキ状態だったので尚更。

現実逃避をする為に車内でふて寝を決め込んでいましたが、調べたら決められた時刻で運行していると、帰りもE3系の運行である事が分かったんですよね。


その為、作者考えました。このままじゃ帰れねぇと思って行き先が宿泊先の影響で天童だったんですよ。

なので前を運行して来たE8系が折り返してくるのを待って山形まで短時間ではありますけど乗りました。


話は次の日に何故か移ります。

朝食を宿泊先の近くのファミレスで食べてた時にまた停電があって東北新幹線、大幅に遅れている事がわかったんですよね。

アプリでそれぞれの位置を確認したらE8系の姿が新庄の手前にあって、大半のE3系が幹線内に閉じ込められている状態だったんですよ。

そうなると、動けるのって限られてくるんですよね。

...もしかして、新庄にE8系があったらワンチャン臨時で乗れるんじゃね?と思ったんですよね。

そしたら作者の読みが当たりまして、目の前にE8系が来て山形にいる2日間でなんとかグリーン車と普通車で乗り比べができました。

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