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鉄壁の運び屋 壱ノ式 ー三原色と施錠の町ー【完全版】  作者: きつねうどん
第十四章 最初の危機
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第陸拾話 冬の陣 ◼️

場所は参区の中心街である小坂。

半壊した建物に潜める3人の中で希輝だけが何故かおかしな行動をとっていた。

何故かソロバンを取り出し、ぶつぶつ数字を言いながら珠を弾いている。


その様子を白鷹は呆れた様子で見ていた。


「...ねぇ、剣城。希輝、あれで気分転換出来てるの?」


「まぁ、一応はな。希輝曰く自分の世界に入れるから効果はあるそうだ。俺は知らんがな」


そのあと、希輝は動きをピタリと止め頭を抱える仕草をする。


「あぁ!!ダメだ!!良い案が思いつかない!!こんな時、浅間先輩がいてくれたらな。ゲリラ戦とか、先輩大得意なのに」


ゲリラ戦というのは少人数で大人数を混乱させその隙を突いて攻撃するというトリッキーな戦法だ。

浅間は長年ソロで活躍して来た事もあり、その戦法に長けている。


その一方で希輝達はというと、各々個性的な武器を使用する事も相まって連携という言葉を知らないようだ。

まだ、新米故に個性のぶつかり合いが起きてしまっていると言ってもいいかもしれない。


剣城は物陰に隠れながら、周囲を伺っている。

こんな時、山岸達のように偵察道具があればと悔やんでいるようだ。


「仕方ないだろう。そもそも、ゲリラ戦になること事態が想定外なんだ。先輩を呼ぶにしても印の近くには軍人達がいる、今は救援が来るまで待つしかない」


「...誰か来ないかな?僕、干からびそうなんだけど」


白鷹が恐る恐る近くの窓から様子を見ていると2人の面影を見つけた。


時は戻って30分前、まず望海達6人は中心街より少し離れた洛陽にいた。ここを拠点とし、作戦会議に入る。

此処は比良坂町の中でも更に複雑で迷路のように十字路が連なっている。


新しく担当場所になった希輝達も道を覚えるのが困難なようで苦戦を強いられてるようだ。

その為、望海は勿論他2人も同じ場所を担当する者として出来るだけこの場所に馴染めるよう希輝達に道案内をしている事もある。


そのあと、同行していた黄泉は零央を守るように抱き抱えているようだ。


「僕と零央君は君達に何かあった時為にここで待機しておこう。希輝君達も負傷しているかもしれない。見つけたら此処に連れて来てくれ」


「黄泉、零央を頼む。あの数、ざっと900から1000人はいそうだな。一つの基地からこんなに部隊を派遣出来るものなのか?恐ろしいな」


児玉は遠目からだが、人の波を見つけ少し肩を震わせているようだった。

そんな中、圭太は冷静にその様子を見ていた。


「僕の知る限り、秋津基地って結構大きな基地なんだよね。部署も細かく分けられていて、まるで一つの国みたいな感じなんだ。これ、町内で合算したら4000人ぐらいかな。完全に僕たちを潰しに来てるね」


そこ言葉に望海は冷や汗を掻くのと同時に顔を真っ青にする。


「それって比良坂町の人口とそう変わりないじゃないですか!?人魚相手でもかなりの被害が出ているのに、次は軍人だなんてどうかしてます」


それとは反対に光莉はずっと、ニヤニヤしながらその集団を見つめていた。

古めかしい長身の銃、そう火縄銃を手に持ち準備を始めているようだ。


「皆、斬り込み隊長はこの光莉様に任せなさい!これだけの的があれば、私の火縄銃が疼くってものよ!それこそ、町内にいる軍人達全員を此処に集めても良いんだから」


「大きく出ましたね光莉。ですが、この場面。光莉以上の適任者はいないでしょう。ただ、一回失敗したら念力切れで暫くは撃つ事は出来ませんし、動けなくなる可能性があります。能力的に私が光莉の護衛につきます」


その話に圭太が割って入って来た。


「何?光莉の能力って大多数を攻撃出来る物なの?なら、護衛は僕にやらせて。良い案がある、これいつ使うか検討もつかなかったんだけど絶対に失敗出来ないんだよね。だったら僕に任せて欲しいかな」


その言葉に望海が首を傾げるも、圭太に光莉の護衛を任せる事にした。そして現在に至る、白鷹の見た人影は光莉と圭太の事であった。


「私さ、何故か知らないけど零央君に懐かれてないんだよね。赤ん坊の頃、抱っこした時凄い泣かれてさ。あの時は結構ショックだったな」


「光莉が怖いんじゃない?子供って愛想笑いしても結構わかるものだし」


「...圭太君って思った事ズバズバ言うよね」


緊張感もなく、雑談を交わす2人だが目線は軍人達の方をギロリと見つめていた。

彼らが何処を向いているのか?

自分達の存在に気づいた瞬間、光莉は銃を構えた。


【コード:700 承認完了 第六天魔王を起動します】


「サポートするよ、これでどれだけ削れるかな」


【コード:800 承認完了 鏡の国を起動します】


敵へ向けられた火縄銃が更に倍増し、一斉に放たれる。


「三千...いやその倍の六千発!撃てぇ!!」


光莉の号令により、放たれた弾丸はまるで五月雨のようだった。

良いや、それ以上に視界が見えなくなる程の弾幕。

身を隠していた望海や児玉は勿論、中心街にいた3人にも鼓膜が破れそうになる程の騒音を感じとった。


しかし煙幕が消え、人影が見える事に気づいた光莉は慌てて圭太を引き連れ逃走する。

その間、児玉に無線でこう伝えた。


「玉ちゃん!アイツら何なの!火器が全然効いてない!」


希輝達もそれに気づき、光莉達の退路を作る為何とか気を引けないかと行動に移す。


「剣城!!ほら、彼らだったら気を引けるんじゃない?あんな物見せられたら絶対に大混乱になるよ!」


「五右衛門達は俺の大事な家族だ。物じゃない。しかし緊急事態だ、やるしかない」


剣城は卵のような物を手にしながら窓から腕を出しコード入力する。


【コード:007 承認完了 略奪者を起動します】


「ギャアアアアアアア!!」


突然現れた恐竜に光莉はビビり、それとは反対に圭太は目をキラキラ輝かせている。


「凄い!カッコいい!」


「ちょっと、圭太君!今のうちに逃げるよ!玉ちゃん達と合流して対策を練らないと!」


2人はそのまま、その場から離れる事にした。



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