ここにはいたいだけいていいのよ。(200文字小説)
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ふとしたきっかけで命を狙われた俺は、顔馴染みの女の部屋へ転がり込んだ。
「悪いな、お前まで巻き込んじまって」
「いいのよ、ここにはいたいだけいて。安全だから」
俺が安堵した途端、背中に鋭い痛みが走る。
女の持っていた包丁が俺の背中に突き刺さっていた。
溢れ出る血と共に言葉が漏れる。
「な、なんでだよ……」
痛みが薄くなっていき、意識が遠のく俺の耳に入ってきた女の声。
「だから言ったじゃない。遺体だけいていいって」