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「初めまして。シェアト スクルプトリースです。お招きいただき、ありがとうございます。」


今日はシェアト様と茶会をする日だ。この前、お父様に話しをしたところ 問題ない と言われたため、無事王城に呼ぶことができた。


王女だから、付き合う人も考えないといけないのだが、エルライ夫人が推しただけあって、シェアト様は身分も十分だし、後ろめたいことは特にない。


「えぇ、こちらこそよろしくね。」


こうして、シェアト様との茶会が始まった。


最近の流行や、領地の様子、持ってきた茶菓子など、他愛のない話をしていたのだが

……ほんとだ、マナーがしっかりしている。立ち振る舞いも完璧だし、話も面白い。これはエルライ夫人も絶賛するわけだ。


「シェアト様のドレスはフォルナーキス帝国のものかし

ら?」


茶会が始まってしばらくした頃、気になっていたことを聞いてみる。


「まぁ、ご存知でしたか。これはフォルナーキス帝国の南部で作られたものです。」


シェアト様が着ているドレスは形状は王国の物と変わらないものの、生地が柔らかそうで、王国では作られないものだ。

柔らかい生地が、シェアト様の淡い薄紫色の髪とあって、より儚げな印象になっている。


女侯爵が外交の際に購入したものだろうか?もしかしたらキュグニー伯爵との繋がりもあるかもしれない。


「お母様が買ってきてくださったのですわ。」


やっぱり。今、南部との貿易は流通が難しく、交易が少ないから御母君には頑張って頂きたい。

そんなことを考えていたのだが


「王女殿下のお召し物もお美しいですね。春らしい、爽やかな水色ですわ。」



――あれ?話そらされた?


自分のドレスを褒められたから相手も褒める。話の流れ的には自然だが、どうも違和感がある。……なんか元気無い気がするし。


「ありがとう。私の侍女が選んでくれたのよ。お気に入りなの。」


「……っ……そうですか……」


今一瞬だけ反応した。やはり母親と何かあったのかな?

……あまり追求しない方が良いか。


「そういえば、庭園にブライダルベールが咲いているの。見に行かないかしら?」


「……っ!ありがとうございます。楽しみですわ。」


違和感を抱えたものの、庭園に行ってしばらくした後、茶会は終わった。


「私のことは アルビレオ と呼んでくれないかしら?私、シェアト様とお友達になりたいわ。」


「え……ぁ……こ、光栄ですわ。その……アルビレオ様。どうかよろしくお願い致します。」


帰り際に、こんな話をしたので、また話ができるだろう。



私の「お友達」のこの違和感は何に繋がっているのだろう。


◆❖◇◇❖◆


「お友達……」


馬車に揺られながら一人、シェアトは呟いた。



『私、シェアト様とお友達になりたいわ。』



無邪気にそう言った王女の顔が思い浮かぶ。


生誕祭や夜会の時は怖い感じがしたが、今日会った時は私を気遣ってくれて……とても“ 優しい”人だった。



――優しい


「私とは大違いね。」


“ 淑女の鏡” “ 心優しき令嬢”と呼ばれた彼女は瞳を閉じた。


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