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「えっ!えっと……」
「王族の専属侍女となれば、護衛が必要な時もありましょう。使えていて損はありません!」
熱く語るコルニーさん。いや、近衛の仕事奪うような技術を与えて良いの?
「さぁさぁこちらを。」
止めるまもなくアクアに剣を持たせる。模擬刀だが、武器を持たせるなんて、大丈夫なのかな?
「ちょ……団長……」
カイトスだって驚いている。ほんとに剣を教えるつもりなの?
「……ちょっと待っ………?……アクア?」
止めようとしたのだが、アクアが動かない。どうしたの?
「持てた……持てました!ねぇ、アルビー様見てください!もてましたよ!剣を!」
「ちょっと……落ち着きなさい!持てた?は?」
「だから、持てたんです!剣を!」
謎に喜んでいるアクア。いや、持てたのは見れば分かるから。
「前は持てなかった剣を……剣ですよ!あの剣です!」
「だから何!?」
前は持てなかった?そんなに剣を持てるようになったことが嬉しいのか?それよりも、今度はアクアが興奮してしま
った。剣を振り回すアクアを止めなければ。
「アクア様は剣術の方が好きなようで。」
「ぐぬ……才能があるかは分かりませんよ?」
あぁ、こちらでも言い争いが始まってしまった。
「コルニー団長、落ち着いて……」
カイトスが宥めている。……あーもうっ!
「アクア!一旦落ち着きなさい!剣を振り回すな!
ゲナー伯爵!コルニー殿!お静かに!」
声をあげて静止させる。静かにはなったが、団長二人はまだ睨み合っている。
「アルビー様……」
「落ち着きなさい、アクア。何があったのかは知らないけど、剣を振り回すのは危険よ。それに、持ち方はこう!」
うなだれるアクアを宥める。剣を持てたのが嬉しいのは分かったけど、持ち方間違ってるし、その状態で振り回すとアクアも危険だ。
そう思って教えたのだが……
「ほぅ……アルビレオ殿下は剣の心得があるようで。」
あっ……まずい。コルニーさんの目が輝いている。
心得といっても、前世で姫様の護衛をした時に少し習っただけなのだが。
「少し試し打ちをされてみますか?」
今度は私が剣を持たされる。ずしり と剣の重みが手に……
「そんな……アルビー様も持てるなんて……」
何故だかアクアが絶句しているが気にしない気にしない。
「おお!アルビレオ殿下は剣が似合いますな!少し構えて見てください!」
あー。コルニーさんがやる気になってる……。反対にゲナー伯爵は悔しそうだけど。
手に持った剣を見下ろす。懐かしいな。あの時は必死で覚えたっけ?習ったのは相手を威嚇する技だったけど
懐かしさと共に 少しだけなら と構えてみる。
「アルビレオ様?」
カイトスが何が言っていたが集中する私に声は届かない。
息を吐く。じわりと殺気が漏れ出て……
「何をやっているのですか!」
聞こえてきた怒号に一同が固まる。
恐る恐る後ろを見ると、般若のような顔をした女性が
「え……エルライ夫人……」
「アルビレオ様、今は魔術の授業では?」
えっと……どうしよう。団長たちの方に目を向けるとそらされる。裏切り者が……っ!
「魔術師団長、騎士団長。何をしているのです?」
「あ……アルビレオ殿下に剣術を……」
「私は見ていただけで……」
「おいっ!裏切り者!」
「共犯になった覚えはないっ!」
「団長?」
ヒッ!
エルライ夫人は私の礼儀作法の先生だ。次の授業は礼儀作法だったっけ……
戦争から百年。当時とは文化が変わって、女性の剣術も一般的になって
「とりあえず、お話しを聞きましょうか?」
……はいなかった。
祝20話 到達です!
読んでくださりありがとうございます!
これからもどうか、よろしくお願いします!!




