プロローグ
どうしてこうなったのだろう。
「……フィル……」
白い絹のような肌は赤黒く染まり、その美しい声は絶え絶えになっている。
「最後の……命令よ……」
(あぁ 本当にどうして……)
目の前の敬愛する少女の心臓に刺さった短剣がきらりと光った。
「もう……しゃべ……っで……」
もう喋らないでください その言葉さえも声に出ない。
「どうか……どうかっ……貴方だけは……っ!」
少女は自分の死がわかったのだろう。痛みもまるで感じないほどに朗らかに微笑んだ。
「――――に……」
(いやだ……待ってっ!)
しかし少女は最後の言葉を言い残すと目を閉じた。支えていた腕が一気に重くなる。
「どうして……どうして……っ!」
世界は残酷だ
分かりきった事だがどうにも忘れていたらしい。
この少女があまりにも奇跡を見せてくれたから。
でもその彼女はもう目を覚ますことは無い。この国を愛し、それにより殺された英雄を彼らは滑稽だと笑うだろうか。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛_______________」
星降る静かな夜に叫び声が木霊した。
◆◇◆◇◆
これは数奇な運命の物語。
「それでは」
運命に翻弄された英雄の
「アルフェラッツ王国」
必然を歩む裏方の話。
「第一王女の入場です!」
夜空色の髪が舞い上がり、金色の瞳が開かれる。アルフェラッツ王国第一王女 アルビレオ アルフェラッツの
復讐
と
贖罪
の物語の始まりである。
初投稿です。よろしくお願いします。




