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黎明開きしウィッチクラフト  作者: ラキューム
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4章3話

「察しねぇ。まあ少なくとも大陸一つ隔ててるって訳じゃ無いでしょ? エレノアは大損害被ったし・・・もしかしてクーホン?」


「御名答。まあ小国を超えた小国なんだがな。かろうじて経済国家として成り立っちゃいるがとてもセレスティアには敵わない。ただ、こうやって諜報活動や物を盗むこと、それに誘拐に関しては一流ってところかな?」

 クーホン、セレスティアからエレノアを隔てて東方に行ったところにある海洋国家。商業で発展しているが、国土は大陸に位置する都市を除けばその全てが小さな島々から成る島国だ。国力自体は高いが軍はそれほど強く無いと言われているが・・・。

「いやまあ夜に強いタイプの悪魔の私を攫える技量は確かに見事と言わざるを得ないわね。ただあなたが欲しい情報とか道具は持ってない。というか確認させたでしょう?まあ個人的にはサキュバスひっ捕らえておいて何もしないというのもどうかと思ったのだけれどそれはまあいいか」


「本音を言うとお前さんのようなべっぴんさんは味わえるもんなら味わいてぇもんだがな。ただ聞くところによると元魔王だそうじゃねえか。そいつはいささか不味いって事くらい聞いただけで分かる。なにせこれだけガチガチに悪魔封じを仕掛けてもそれでもなお魔族としての能力をある程度出せてるんだからな。知ってるか? 普通の魔族ならその鎖だけでほぼ俺たちのような凡人と同じくらいに落ちるかろくに動けなくなるんだぜ」


「はぁ、私の過去なんていったい誰から聞いたのよ。魔王だったのが一体何千年前だと思ってるの」

 それにしても

「小国には小国なりのコネってやつがあってな。まあその分うちの主どのは苦労しているんだが・・・」

 なるほど、私の事を知っていてなおかつ契約に面倒な代価を要求するような悪魔という事か。しかし、それだけの情報だと理解なんて不可能だろう。何故ならそんな知り合いは文字通り腐るほどいる。なんなら腐ってる奴だって沢山心当たりがある。

「魔王と契約したの? それともどっかの君主とか大公? 流石に淫魔族から繋がってるなんてことはないでしょうけど」


「盟主様曰く契約相手を話したらダメって契約だって話だから何とも言えん。俺は一介の研究所の所長だからな、そんな上の立場ってわけでもないんだなこれが」

 監獄なのか実験施設なのかはっきりして欲しいところだが、今はそんな事は些事。関係が無いのなら早く解放してさっさと家に帰して欲しいところだ。ただそう言ってホイホイ返してくれるわけないよなと、微妙な表情を浮かべながらリリスは聞く。

「まあいいか。それでこの枷と魔術は一体いつ解いてくれるの? なんなら帰宅するまでの間は一切手出ししないって契約を結んであげるからさっさと外して欲しいんだけど」


「契約ねぇ。盟主様もやけに大事にしてるが破ったらどんなペナルティがあるんだ? なんとなく死ぬかそれに近しい目に合うんじゃねぇかなとは思うが生憎悪魔と契約したことが無くってな」


「その悪魔にもよる、としか言いようが無いわね。事前にペナルティを決めてくれる悪魔もいるしその逆で相手が破って初めてペナルティを課す悪魔もいるからね。私は勿論後者だけど・・・まあ命は取らないから安心してくれていいわよ」


「何を安心したらいいんだ。いや待て、そっちが契約を持ちかけた上で踏み倒した場合のペナルティは誰が負うんだ?」


「まあその場合は私に何かしらのペナルティを課せるからイーブンよ。ただし彼我の実力差が大きい場合はある程度強制力は減るんだけどね」

 因みに後者である理由は単純、こちらをなめてこき使ったヤツが想像以上のペナルティを課されて絶望する顔を見るのは中々に乙だからだ。それとどのみち破った奴は同じ種族の若い娘たちの餌もとい繁殖用の種馬として死ぬまで利用してあげるのだから多少の恐怖と引き換えに死ぬまでの快楽は保証される分有情だろう。

「じゃあ仮に契約を結んだとしてもこちらが結果的に不利になるんじゃないか?」

 もう既に要求を突っぱねる事が前提であると言わんばかりの態度。しまった、流石に条件をミスったかと思うが既に腹の中では契約もしないし帰すつもりもなさそうだ。

「今の私はあんた達のせいで大分力削られてるし普通に有利かトントンにはなるわよ。ほら、最低限でいいから魔力を使える様にしてちょうだい。ほんの一%さげてくれるだけでいいから。ねっ?」


「なら先に契約の文言をしっかりとこの紙に書け。そして契約の呪文はこちらが付与する。それで書いた後に魔術を起動すればこちら主導の契約を結べるから、それの後に魔力を解放してやる。それでいいだろ?」


「確かに契約は文言に魔力を込めて契約書契約書(ギアス・スクロール)にしてやればある程度は強制力を相手に押し付けれるからね。人間にしてはやるじゃない」

所長はそう感心するリリスに呆れた顔をして一言。

「世間知らずめ、素直に契約を口頭で結んでたのはもう数百年も前の常識なんだよ」


「あら・・・」



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