3章20話
「とまあ、以上が儂が里で行った事のオチじゃな。長老は記憶を一気に読み込もうとして昏睡。あの様子じゃと命に問題は無くとも一月は寝たきりじゃろうな。いやまあ注意するようにもっと警告しておくべきじゃったか」
『ふぅん。戦闘の大変さならこっちの方が上だったみたいだね、何せ眷属とは言え海竜と戦ったんだもの」
「おいおいコチラは大量のヒドラを相手にしたのじゃぞ?・・・まあ大半は付き人のエルフが倒しよったのじゃが」
諸々が終わりフレイの家に借りた寝室でまどろんでいた所、グレースが通信を飛ばしてきたので寝る前に近況報告などをしていた。クリスタと同じような方法でジャミングでもしたのかと方法を聞いてきたところ
『空間を省略して遠距離じゃなくて直通で通信できるようにしてるからね。私に結界とかそう言うのは効かないのさ』
との事らしい。彼女曰く大規模な魔力供給源である程度権能を恒常的に起動させれるように調整ができたからこれくらいに細かい芸当くらいはできるようになったとの事だが正直羨ましい。
『ふぅん。で、その子は可愛いの?』
「いやまあ確かに見てくれはよいがもっとこう他にあるじゃろ。どのような生活をしておるかとかどうやって儂の記憶を吸い出したのかとか・・・あるじゃろ」
大事な事なので二回言う。確かに話てもいい部分だが今は近況報告やその他ここで起こった事を離していたのにいきなり雑談に切り替えられても困る。
「その辺は大体察しつくしね。こっちの学園でエルフの暮らしに関する授業がちょうどあったばかりだし、吸出しに関してはまあ魔道具かルーンがあれば私達相手なら容易なはずだから疑問には思わないかな。神域でちょいちょいやってた兄弟姉妹や創造主に記憶を同期する部分の回路に繋げればそれだけで記憶は流し込まれるわけでしょ私達」
「ふむ・・・まあこちらにも敗死しこちらに落ちてきたデミゴッドの遺体はあるらしい。それならば調べられておってもおかしくは無いのかもしれんのう。儂の記憶を転写した魔道具はもしかするとそのあたりを改造したものを用いられたのかもしれんな」
「そんな技術あるかなこっちに? いや神の遺体使って何かしら作ろうとしてる奴が今の私の周りにはいるし意外と研究自体は進んでいるのかな」
よく考えたらデミゴッドだからといってそこまで驚かれなかったが、もしかしたらそこまで珍しい存在でもないどころかかなり昔から研究自体は進められてきた種族なのかもしれないねと締め、
「可愛い娘はいた? イケメンでも全然オッケーだけど」
と今までの話は終わりだと言わんばかりに切り替えてきた。どうしてもエルフの美男美女が気になるようである。声もさっきとは打って変わってテンションが明らかに高くなっている。
「そりゃエルフなんじゃしいくらでもおるわい。儂等も美男美女が基本じゃが、エルフには綺麗系の奴らが多いのう。切れ長の目に長い金髪が良く映える」
「ふむふむ、女の子なら胸、男なら筋肉はどんな感じ?私はどっちも巨乳の方が色々嬉しいんだけれど」
「残念じゃの、細身で貧乳。それに細マッチョばかりじゃからお主の好きそうな筋骨隆々の男はおらんのう」
ちぇっと聞こえたがそれは無視。どうやら性癖には合わないようだ。
「まあエルフは見た目はいいからそれだけで全然イケるか・・・? ああそうそう、それでリリスはどうしたの?」
「依然行方不明じゃな。儂はしばらくエルフの里に滞在するがお主はリリスの奴を探しに行かんのか?」
「私の方もクリスタの頼みでできるだけ捜索してみてるんだけど中々見つからなくてさ。私にも過去視できる範囲ってもんがあるし授業が忙しくてね。人間の魔術運用ってのは私達のより単純だし威力は控えめだけどリソース少な目で使えるから良いって事を始めて知ったよ。だからしばらく勉強してるわけ」
「・・・では誰がリリスの奴を探すのじゃ?」
グレースは黙った。
「いや私も頑張っちゃいるんだよ? 一応君と二人で乗ってた馬車までは発見して追跡できたんだけどやっぱり途中で消えっちゃてさ。こうなったら本人が出てくるか彼女の魔力を感知できるのを待つしかないかもね」
「まあ儂の魂探知にも引っかからぬ以上特殊な場におる事だけは間違いないのは確かじゃし、アタリはその内つけれるじゃろ」
そんな他愛もない会話をしながら彼女たちの夜は更けていった・・・。




