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黎明開きしウィッチクラフト  作者: ラキューム
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3章13話

一方その頃聖都ルイバル。通信を急に切られたクリスタは荒ぶっていた。美しい金髪の先からはチリチリと炎が出ており、法衣も少し焦げ臭い。本気を出した際に背中から羽根が出るのだがそこから火柱が出ていたようだ。

「ふぅ、どうもこの間変身した時以降感情が高ぶるとすぐに炎が出てしまいますね・・・。やはりあの時は不死鳥に寄りすぎたのが仇になっているのでしょうか? クレア、着替えを」

 指をパチンと鳴らすとどこから聞きつけたのか、替えの法衣を持ってきてくれた。ただし式典用のものでは無く普段着用の簡素な物である。

「こちらに。人払いはどうされますか、教皇様」


「そうですね・・・。今ここには私とあなたしかいませんし問題ないです。ただちょっと換気して頂けるとありがたいですね。手早く着替えますのでその後に窓を開けてください」


「承知いたしました」

 袖から腕を抜き、そのまま上に引っ張って法衣を脱ぎ捨てる。抑えられていた豊満な胸と艶やかな肢体が惜しげも無く晒され、はらりと舞う髪もまた美しい。窓から差し込む日光に照らされる白磁のような肌はまるで芸術品の様に綺麗だ。思わず同性であるはずのクレアの脳裏にもすぐに焼き付く程の美しさ。とっさに背を向けたが静寂な室内でシュルシュルと聞こえてくる衣擦れの音と吐息。それだけでも脳裏に風景が浮かんでしまう。そんな妄想を振り払うために耳を塞いで着替えが終わるまで待つこと数分。

「ふふっ、いつまでそうやってるつもりですか? もう終わりましたよ」


「では窓をお開けいたしますが・・・。その後は何か申しつけはありますでしょうか?」

 

「そうですね・・・」

 と少し顎に手を当てて

「特に何も無いですね。ああ、少々一人で考えたい事があるのでティーセットとお菓子を持ってきて頂けますか? その後は私が呼ぶまでは部屋に立ち入らない様にお願いします」

 と返した。考え事があるというのも事実だが、人を置いておきたくないというのもまた事実。クレアは一礼した後に部屋を出てすぐにティーセットも歌詞も持ってきたがそのまますぐに命令通りその場を立ち去った。

「うん、美味しいですね。さて、まずは何から整理いたしましょうか?」

 戻ってこないグレース、戻ってこないルナ、帰って来ないリリス、再建に時間がかかる大聖堂及び復興がやや遅れている聖都。それに伴い当然の様に悪化する治安。考える事は山積みだった。

「どれもどのみち解決するべきではありますがまずはリリスさんですね。場所はもうしばらく待てばある程度特定できますがどうしましょう?」

 ルナからの連絡の後各地に密偵を飛ばして情報を集めさせているが、まだ確証を持てる情報は届いていない。だがルナが攫われたであろう日に馬車が通っていた程度の情報は集まってきているので彼女はその内見つかるだろう。

「グレースさんは・・・取り敢えず連絡してみますか・・・。もしもしグレースさん、今は大丈夫ですか?」


『私は大丈夫だけど・・・やっぱり説教くらうパターンだったりするやつかな?』

 次に放蕩娘・・・では無く学生ライフを楽しんでいるグレースに通信魔術。今回は特にジャミングなどの妨害なくスムーズに繋がった。 グレースの声は若干申し訳なさそうな雰囲気を出しているがあくまでそれは表面上な物であることはわかっている。

「あなたは説教が効くタイプの存在じゃないですし、まあ数年程度ならそちらで遊んでいらっしゃっても結構ですよ。ただ、一つお願いしたいことがありまして」


『なんだい?』


「確かあなた過去を見れるようですし、ちょっとここ数日の聖都の様子を見て頂いてもよろしいですか? どうやら随分魔力を回復されたようですしそれくらいはできますよね」

 

『結構距離あるしこれやるの疲れるんだけどなぁ・・・。まあちょっと待っててよ」

 そう、密偵の情報も集めさせるがそれはそれとしてズルをすることにしたのであった。

「どうですか? まあ流石に何も見えなかったなどと言う事はないでしょうが」


『そうだねぇ。取り敢えずあのバカでかいゴーレムは普通に起動して地下から出てたけど誰が動かしてるのかは不明。まあ元から黒ずくめの恰好での侵入だったから人物の特定は無理かな。消えた方角は北、でもゴーレムも途中から形跡が途絶えてるから居場所は分からない。なんらかの転移術式を使った可能性は高いんだけどね』


「その辺りは見れないのですか? いえ実際どのくらいなら遡れるのかは把握していないのですが」


『私の近くにあるものならまあ十年は現状見れるけど流石に遠すぎて無理。でも後二日もしたら休日だから手伝いには行けると思うけどどうする? まあかなりの長距離移動だから何らかの魔力回復手段は用意して欲しいけど』

 顎に手を当てて少し考える。確かにそれは凄く助かるがグレースを魔法学園に置いておくのにはそれだけで意味がある上にいつでも呼び戻せるなんて思われるのはかなり厄介だ。

「いえ、私ではどうにもならない場合になったら改めて連絡しますので大丈夫です。それでは」



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