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カナカナが泣いている

掲載日:2020/07/27

心の友へ~

カナカナが鳴いている。

静かな森の朝。


昨夜の夜更かしのせいでもう少し寝ていたい。

夜明けと共に始まるカナカナの合唱が眠りをさえぎる。


ああなんて、この世界は非情なのか。

嗚呼なんで、人々は歩き続ける。

それで何が変わるというのか。

それが何を変えようというのか。


生活?それは生きる術。

社会?情報操作があるだけだろう。

自然現象?対峙する事などできぬまま。

愛?所詮嘯くことばかり。


断絶された想いを胸に、遠ざかるはるかな夢の雫。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の断りを表す・・・唯夢の如し。


ああ、もうコリゴリだ。

嗚呼、言葉では言い切れぬ悲壮感。

ああ、僕をこのまま遠くへ連れて行っておくれ。

嗚呼、明日のことなどもうどうでも良い。

ああ、あの頃に戻りたい。

嗚呼、遠く霞んで消え行く記憶。


いつしか再び眠りについた。

静かに呼吸だけを連ねて行く。


人は何で生きているのか。

人は死ぬまで暇つぶしをするのか。

そうかもね、人生は大きな暇つぶし。

忙しく駆け回っても人生。

それを止めてしまえばいいだけ。

どうせ未来なんて誰にも見越せない。

それでも時は止まらない。

焦っても人生。

暇つぶしも人生。


ならば、君はどれを選ぶ?

であれば、僕は何を望む?


ああなんて、遠い道のり。

嗚呼何て、遠くない未来。

いつまで続くのだろう、この長雨。

何処まで行くのだろう、宛てのない進化。

ああいつまでも眠っていたい。

ああいつまでも空想していたい。

ああいつまでも独りよがりで居たい。


孤独なんて人の決めた言葉遊び。

人生なんてだれもマニュアルを持っていない。

真っ白なキャンバスに描き出す勇気。

そしてそこから未来を描き出して行く。

立ち止まることもあろう。

それでも宇宙は回っている。

さあ、なにから走り出そうか・・・


ああ、カナカナが鳴いている。

いつもどおりに鳴いている。

嗚呼、カナカナが独り泣いている・・・


~fin.~









































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