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51話 レーダー

「お兄ちゃん、学校ではそうなんですね! 知りませんでした……」

「うん。女の子をとっかえひっかえでもうすごいんだよー。妙ちゃんも気を付けてね」

「いえ、大丈夫です恵真さん。お兄ちゃんは妹にそんなことは……でもお兄ちゃんだったらべ、別に――」

「何やってんだお前ら」

「お、お兄ちゃん!?」


 玄関に着くと(たえ)は玄関マットを座布団代わりに正座して、エマとなにやら会話を楽しんでいた。俺にお客さんというのはエマのことだったのか。


「や、タクミ」

「エマ、今妙に変なこと吹き込んでなかったか、ってかもう大丈夫なのか? 」

「うん、私はなんとかね」

 

 手をひらひらさせ、にっこりと微笑むエマの目元は若干赤みがあるように思えるがどうやらもう心配なさそうだ。


「タクミ、帰ってきたばっかりで悪いと思うんだけど、ちょっと付き合ってくれないかな?」

「ああ、いいぞ」

「え、そ、そんなあっさり!? 雫お姉ちゃんを差し置いてまさかそんな……」

「なにいってんだ妙、そんな意味じゃねーよ」

「いやー妙ちゃんはかわいいなー」


 どうやら妙はエマに気に入られた様子だ。今後も仲良くしてほしいが、あまりちょっかいをかけないよう見張っておく必要があるな。

 

「じゃあね妙ちゃん!」

「はい、また遊びに来てください!」


 別れの挨拶を済ませ、エマは玄関の外で待っていた俺の横につける。


「あ、そうそうお兄ちゃん。いい機会だから言っておくけど、ちゃんと靴は揃えてね。毎回毎回バレバレだから」

「ん、なんのことだ? 」

「それくらいは自分で考えてみるんだねっ。じゃ、あまり遅くならないようにね!」


 意味深な言葉と共に妙は俺たちを見送ってくれた。


「で、どこに行くんだよエマ」

「これ、みてよ」


 エマがパチンと指を鳴らすと、急に丸められた紙が目の前に現れ、エマの手元にストンと落ちた。

 広げてみるとそれはマップのようなもので、三つの光が存在し、うち二つは横並びで移動している。どれも明るさはまちまちである。


「なんか、ドラゴンレーダーみたいだな」

「あ、それ知ってる! 長すぎてみるのやめたけどねー」

「お前、あの国民的アニメを……って違くて、これはなんなんだ?」

「これはね、魔法使いレーダーっていえば話が早いかな。あたしと今まで会ったことがある魔力を保持している人の現在地を表してるんだよー。もっと言えば光の明るさと魔力の強さが比例してるんだよねー」


 説明を受け、もう一度レーダーに目を落とすと、確かに隣り合う二つの光は、動きも明るさも俺とエマを表しているように見える。それに、レーダーにある道もここら一体の道と合致しているのうに思う。


 こんなの個人情報ダダ洩れじゃねえか! とツッコんでやりたかったが、話の腰を折ってはいけないと思い、今回のところはスルーしておくことにした。事が済んだらじっくり聞いてやる。覚悟しとけコイツめ。


「じゃ、じゃあこのもう一つの光はなんなんだ」

「そう、それなんだよ。私もさっき見つけたんだよ」


 もう一つの光は、一応光ってはいるものの、とても頼りなく今にも消えてしまいそうだ。なんなら点滅している。


「ちなみにセインでもないよ。セインのはほら、ここにあるし」


 エマはマップをスクロールする。すると俺たちから少し離れた場所に一つの光が確認できた。たぶんこれがセインのものなんだろう。


「私でもセインでもタクミでもなく、魔力を保有していて、それに私と会ったことがある人――言いたいこと、わかるよね?」

「……マジか」

「うん、マジだよ」


 まさか、でも、もしかして――いや、今ここで考えても仕方ない。


「よし、いくぞエマ! 」

「ちょ、タクミ待ってよー」


 俺はいてもたってもいられず、レーダーが示していた場所へと足を走らせた。一筋の淡い光に、とてつもなく都合のいい希望を抱いて――。

 


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