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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第三章 それぞれの冒険 転生親子とライド
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81 我が主のために 1 騎士団長共


 現在騎士副団長以上が内密に話し合いをするときに使う会議室に我らは今いる。

 まず私が他の団長たちと合流すると、これまでの話を聞きたいと言われ解ったいつものところで夜話し合うことになった。

 なぜ、今しないかは、今まで私がいなかったせいで滞っていて早急にしなければならない書類があるからそちらを先にするように騎士総隊長の第一騎士団長と第四騎士団副団長のマーディに言われてしまったから、ぶちのめしは後回しになった。が、シグナルたちに付き添うように伝える必要が出てきたので、伝令を飛ばした。


 最低限の仕事を終わらせつつ、副団長のマーディに話しておく。

「マーディ」

「なんでしょう、団長?」

 私は私の秘書ごとく書類の整理とお茶を配膳してくれる副団長にまず遠まわしに尋ねる。

「たとえ話をしたいのだが、かまわないか?」

「はい? 問題ありませんが、」

「では、もし! もし、ライド様と駆け落ちした女性を騎士団が全力で後ろ盾になり、忠誠を奉げるように呼びかけた場合、どのくらいの反発が生まれると思う?」

「・・・団長それは、どういうことでしょうか?」

 私の言葉に違和感があるのか間のいいマーディは目を細め聞き返してくる。

「マーディ、悪いが今はただ単純に応えてくれないか」

「・・・解りました。

 単純にそうなると騎士団の大部分が拒絶するでしょう。それでなくてもライド様を奪った女とも、現在次期当主不在の現況を作ったというだけで忌避されているのですから、まず無理ですね。

 して、団長なぜそのような話をしてきたのでしょうか?」

「それをする前にマーディ副団長はどちらなのだ? もちろん、どちらを選んでもちゃんと答える」

「私ですか? 私は団長に従います」

「マーディありがたいが、私は君の本音を聞きたいと思っている」

 慇懃なマーディは私の言葉をどう取ったのか従うという姿勢をとったが、それは本心というよりも上官に逆らわないといっているようにしか聞こえず、信用に値しない。

 ゆえにもう一度聞きなおす。彼女の目を真っ直ぐ見つめる。

 すると彼女は少しの間のあと答えた。

「・・・解りました。本音は、反対です。」

「なぜか? と聞いてもいいか」

「なぜ、と言われる前に団長がなぜそのような事を聞くのかを教えていただきたい・・・いや、なぜも何もないですね。ライド様をお迎えに行かれて帰ってきたらこのような戯言を言われる。向こうで何かあったと考えるほうが妥当ですね」

「まさしくそのとおりだ。ライド様が惚れ込んだご婦人と会った。そして、話した。色々とね。我らを汲み思いライド様を帰してくれた。ライド様が愛すると同時にライド様を心から愛しておられた。その二人の愛の結晶であるリカルド様に言われた。

『我ら家族をまとめて欲するのであればリリアスの後ろ盾に騎士団全員の忠誠を従わせた後ろ盾にしろ。』と私はそうするつもりだ」

「・・・・」

 マーディは私の言葉を聞くと唖然としたのか無言で私を見ている。なんと言っていいのか解らないのだろうな。この辺は上官に対する言動も模索しているようにも感じるが。

 ジッとマーディの言葉を待つ。

 だが、もしリカルド様だったらこういうとききっと、



(リカルドは答えます。)

「この場合なら待つけど、アーティファクトとか戦い中で危険があるときは殴るね。

 つーか、こんなことを考えていたアドソン。あいつ・・・・生きていたら殴っていたなぁ」

「どの道暴力的ですね」アリス

「いいんだ。最終的にはアドソンと俺の関係はそんな感じになったしね(仲良かったんだ)。さて戻ろうか。」



 殴るだろうな。と考えていると、マーディは答えを見つけたのかそれを口にする。

「団長がそこまで考えるというには何があったのですか?」

 彼女は色々な言葉を飲み込んでその言葉に行き着いたらしい。やはり私は副官に恵まれたのだな。

 そんなことを思いつつ、おそらくこれから騎士団長たちに言うことになるこれまであったことを全て話した。

 彼女は信じられないといった表情を見せるが、私は、

「どの道これから会議がある。納得の行かない騎士団長とたたかうことになる。その結果を今回のこととの賛同を選んでくれ」

「・・・解りました」

 そうして、息抜きみたいな話し合いを終わらせ、最低限終わらせないといけない仕事を済ませていくのだった。


 そうして、我らは秘密の副団長以上しか知らない会議室に入っていく。

 後ろからワイハンとリクスが、

「うへ~、こんなとこに入り口がある!」

「つーかこんな空洞がこんなところにあることが驚き!」

 なんてひそひそと話している。

「お疲れ! といいたいところなんだが、何でそいつらがいつのか説明をしてくれないか?」

 最初にその言葉を吐いたのは第三騎士団長ルダンがその言葉を吐くが、周りの騎士団長と副団長は口にはしないがルダンの同意をしている。

「リクス、ワイハン。ここのことは内密にしろ。我々を敵にしたくはないだろ?」

 団長たち全員が自分たちを見ているのに気がつき首を上下に振る。

「とはいえ、団長たちを敵に回してもお前たちはおそらく勝つだろうがな」

 の言葉に団長たちが、特に副団長たちが同様を見せる。

 ちなみにシグナルは第二騎士団副団長の役職を持ち第二騎士団長の後ろにいて一度だけ頷く。

「さて、私が彼らをここに呼んだのは話の補足をつけてくれるのと同時に私のしようとしていることに協力者がおり、絶対の賛同をしてくれるものであることを示そうと思ってね」

 部屋に入り歩きながら普段座っている自分の席に向かいながら話している。入り口で立ち棒けしているリクス、ワイハンを手招きして、自分のほうに招く。

 リクスが居づらそうにしている。

 すぐ隣に第三騎士団長と副団長がこちらを、特にリクスを見ている。

 リクスの部隊は第三騎士団である。ちなみにワイハンは第一騎士団である。

 ワイハンは真正面にいる自分の団の団長たちを一度頭を下げ見つめている。

 それを見ていた第一騎士団長が尋ねてきた。

「まるで、戦いを意識した瞳をしているなアドソン。私たちに何か言いたいことでもあるのか?」

 本質を突いてくるのは公爵家を発足と前から公爵家に使え続けている子爵に取り上げられた一族のもので、現騎士団総長(騎士総長)の立場にいるロロア・ド・エスクワイア・オーレイはこちらを見て問う。

「騎士総長お願いがあります」

「聞こう!」

「騎士団の全忠誠をライド様と駆け落ちした女性にささげ、後ろ盾になってはくれませんか?」

「ッボハッ! ・・ふ、ふざけてんじゃねぇ!」ルダン

「っ! ゲホッゲホッ! ふ、ふざけているのか第四騎士団長と言えどもそんなふざけたことを言うとはどういうつもりだ!? 馬鹿なのか??」

 第二騎士団長であり第一分家のラフィン・ド・エイル・エハール(嫡子)が今まで声も出さなかったのにここぞとばかしに罵倒してくる。

 シグナルと私の副官以外は動揺して居るのは見れる。

 私は周りと言葉が落ち着くまで待つことにし、真っ直ぐ騎士総長を見る。

 騎士総長は数拍の拍手をする。

 乾いた音が室内に響きその視線を独り占めにする。

「まず、理由を聞いてもいいか? 私も他と同じく望ましいと思えないが、少なからず一ヶ月前のお前と今のお前では、大きさが違うのが解る。

 正直言うとなぜそこまでになったのかを、ライド様の説得した方法よりも聞きたいと思っていたのだ」

 その言葉に静まる室内に私は答えた。

 副官に話したことと同じことはもちろん。リリアス様のこと、リカルド様のこと、リカルド様がいかにすばらしいか、リカルド様が言った今回の事と理由も全部である。

 おそらく言ってもリカルド様は気にしないだろうあの性格ではという理由からだ。

 一通り話した後、皆が黙る中シグナルのため息が一つ室内に木霊して、

「すみません。ラフィン団長今回は私の席はあちらなのであちらに行かせて頂きます」

 その言葉を後に私の後ろについた。

 騎士団長たちは同様をそこそこに、騎士総長は話始める。

「なるほど。アドソンの言いたいことは解った。確かに相手の言い分を聞けば我々が一方的に敵対しするのは可笑しな所もある。

 また、それを考えたライド様のご子息もさすがというべき考えといえよう。・・・」

 前文は私の言い分に理解を示し、リカルド様を褒める姿勢をとったが後ろ文はそういうことにはならなかった。手を組みスッと目を細め少なからず威圧を強めて我らを見る。

「では、丸め込むというのはどうだろうか? 我々が忠誠を誓わずとも相手と対話して互いに協力関係を求めてはどうだろうか?」

 リカルド様にいたっては神童とも言えるがまだ子供なのだろうと驕るような言葉にも取れ、リリアス様には会話してお互いに協力関係を作ろうという言葉だが、その奥には命じて鎖で巻きつけ身動きを取れないように閉じ込めてしまえ。と言っている。

 その程度にしか見ていない。もっと言えば今私が言った言葉をおそらく半分も信じていないのだろう。

 10日で我々を鍛え、アーティファクトをつくり、千切れた腕を着けなおしたり、騎士より強いなんて事はない。どちらかといえば、油断した我々に魅惑の魔法を使いたらしこんでいると思うほうが正しい。

 が、妾が居るのは悪くない。他家に養子にも出来るし、力のある商家に嫁がせて力をそぐことや使うことも出来てくる。そうなれば領の発展や統治がしやすくなる。

 私でも逆の立場ならそちらを疑うし、騎士総長と同じ事を考える。

 が、我々は首を振り四人そろって口にする。

「「「「それは無理だな」です」」ね」

「賢母様なら話くらいは聞いてくれるかも知れないませんが普通にこちらが言いたいことを看破しますね。その後どうなるかはわかりません。最悪ライド様とどっか行っちゃいますね」ワイハン

「それに、リカルド様もたぶん話は聞きますが聞いた瞬間、さようならって言って公爵領に決して近づこうとしないと思います」リクス

「そして、リカルド様は好き勝手に大暴れしてドッかしらで有名になりそう」シグナル。

「そのときは、私はリカルド様についていく」アドソン。

 私の言葉にここにいる三人は反応しなかったが他が「「「「「えっ!?」」」」と声を響くが我々の会話は止まらない。

「でも、リカルド様どっか行く前に騎士団壊滅とかしないですかね?」リクス

「リカルド様ならありえる。」シグナル



(俺)

「ありえねーよ。そこまでジャンキーじゃねぇ」

「えっ!! 暴力の権化じゃ・・・」

「カールド君、訓練以外も毎日四六時中それがいいならそうするよ」

 俺は冷たく愛もない。ゴゴゴゴッ! と音が鳴るような視線で見ると彼は素直に元気よく言いました。

「すみませんでした。許してください」

 DO・GE・ZA見ながら頷きました。

 うむ。



 周りが会話に「「「ええ!?!?」」」している中我々の話は続く。

「というかリカルド様なら、最悪『テメーェ・・・俺のことおちょくってんのか?』とか言って、ぼこぼこにした後俺たちを矯正調教されそう。」ワイハン

「その後、『死ね』とか言って公爵領荒らすだけ荒らして出て行きそう。」リクス

「で、考えるのね。リカルド様に追っ手を今度掛けるのか掛けないのかを協議するのね。リスクでかいな~。あの人きっと追っ手を掛けてきて面倒になったら追っ手を掛けている大本潰しに着そう。」ワイハン

「ありえる・・・・」遠い目をするシグナル。

 そこに私は私の思いを乗せる。

「まぁ、そうなっていたとしても私はこの領にはいないけどな」一貫変わらずアドソン

 四人でうーんと困りながら話に花が咲き始めている頃に騎士総長が、「ちょ、ちょっといいかな」と口を挟んできた。

 何か? と我々は騎士総長に顔を向けるとウっという表情を一瞬作るがすぐに笑みをたたえて話しかけてくる。

「ちょ、ちょっと聞きたいのだが・・・」

 はい。と我々は頷く。

「話の中で結構なんかやばい相手の話をしていたが一番気になったのが、所々でアドソンが騎士を辞めるって言っているのが聞こえたんだがどういうこと」

 に、目の前で見ていた三人はポカンとした顔をしつつ間抜けな声で「「「あっ」」」ともらし私は、「言葉通りだが」と伝えると、「いやいやいやいや・・・意味わかんない」と手を左右に振りあせった声で言ってくる。

 ふと思った。騎士総長がこんなにあせって居るのは珍しいなぁ。で現実に回帰。

「ああ、そうか。そういえばお前らは知らないんだよな。いなかったし。

 私はリカルド様に惚れ込み絶対の忠誠(剣)をリカルド様に捧げたんだ。だから、ライド様が次期公爵家当主になったら、暇を頂いてリカルド様だけの騎士になろうと思っている」

「「「「「「「「ええ!!!!!」」」」」」」」」

 この発言には副官はもちろんリクス、ワイハン、シグナルも驚いていた。

「あ、アドソン早まるな! 騎士団長をそんな簡単に辞めるとかどうなのだ! それにご子息リカルドが外にお出になるのが嫌なら力づくでここに留めるとすればいいのではないか!」

 言葉に我ら四人は鼻で笑ってしまった。

「無理ですよ、騎士総長。あの人私たちより強いんですよ」手を左右に振り体で絶対無理表現するリクス

「正直我々はかなり強くなりましたが騎士総長、貴族街の城壁を並走して走れますか? それをして外周8kmを5分切る感じで走った後、戦いに入るんですが我らは汗を掻いているのにあっちは掻かずでほぼ負けっぱなし、勝ったことも一度は合ったがそれもうっすら汗かいてるか掻いてないかくらいのタフさと強さがある人ですよ。無理です。死にます」シグナルでなくワイハンが遠い目をする。

「あの強さは異常だ。今思うとわざと負けてもらった気もする強さだ。

 だって、リリアス様と我々が一対一で戦った後のあの戦いを見たら、おそらくアレが本気で我々のは訓練、強くするために必要なお遊び感覚の三割だった気がする」シグナル

「今の我々が本気のリカルド様の前に四人で立ったら、せめて20秒は持ちたいな」

希望を口にするアドソンにシグナル、リクス、ワイハンはうんうんと同意して頷いた。

 騎士総長は我々の会話を聞いていて眉間にしわを寄せてそれを摘み揉んでいる。

 その上であえて口にする。

「もし、もしだぞ! 騎士団全員が総員でご子息リカルドに戦いを挑んだ場合だったらどうなる?」

「開始一秒で魔波動撃って弱いものは気絶して立っている者も1分を立たずに壊滅するのではないだろうか?」

 私は思ったことを口にすると、室内が怒りなど通り越して静まり返っていた。

 だが、勇者が現れた。ルダンだ。ルダンは机を叩き、声を荒たげる。

「ふ、ふざけてんじゃねーぇ!! 冗談でもそんな奴がいるわけねーだろ! そんなんいたら化け物じゃねか!」

 信用で来るか! と怒鳴るが、ここで私は言葉にする。

「なら、私と戦えばいい。」

「はぁ?」

「もともと、私は騎士団を力付くで騎士団の忠誠をリリアス様に捧げるように指導するためにここに来ている。

 リカルド様が言われたのだ。

 どんなに偉そうなこと口で言おうが騎士は国の武力の顕在、騎士として生きるなら言葉で分かり合えないなら剣(実力)で示すしかない。」

 私はこの場で堂々とリカルド様のごとく言い放つ。


「御託はいいだよ! さっさと表出やがれ、騎士団長共!!!」


文章やストーリーの評価良ければ下さい。

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