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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第三章 それぞれの冒険 転生親子とライド
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78 夜警  しぶとく逃げる

 本日、オルタイシ領を出て6日目である。夜の警戒は一人の歩哨を立てて2時間交代で眠っていた。

 ライド様は最初、私も歩哨をすると言われたが我らは困った。

 しかし、冒険者をリリアス様とやられていたときは普通にやっていたからと言われ、納得しかけていたが、主人がそんなことしないで下さい。と言ったら諦めてくれた。心からよかったと安堵した。

 そういえば魔法剣のことを喋っていなかったな。

 不適な笑いをしていたが、笑い方はお二人に似ているだけで解りやすく懇切丁寧に教えていただきありがたかった。

 法魔剣は刀身が持ち主の願いにより火を纏、魔力を大量に流すと刀身自体も炎になり柄の部分が延び薙刀のようにもなるし、上手くコントロールすると鍔迫り合い時先端の一部を炎に変化させて相手を焼くことが出来ることがわかり、寝る前に三人は訓練しており、私の鋼魔剣はこのままでもかなり切れ味のいい剣だが、魔力を流し切れ味を増すことも飛ばすことも出来ることがわかった。

 そして、何より魔剣である。剣に魔力を流しながらどう反応して欲しいのか想像するとその性質にあった攻撃や防御が発動する。ただ振るだけだと魔力の刃が飛ぶとのことだった。

 なぜこんなに詳しいのかというと閻魔剣を見せてもらった。平然と伝説級の剣を腰に挿す主人。そして、ずっと思っていたがドラゴンの鱗で出来た鎧。製作者がリリアス様。

 ああ、うん。と、納得してしまう同時に若干法魔剣いいな~と思ったことは内緒である。騎士団長が部下の剣をモノ欲しそうに見るのは、はっ! シグナルと目が合い、お互いに苦笑いを浮かべてしまった。

 それを見ていたライド様が

「安心しろ。リカルドはそんなケチなことはしない。材料が集まったらおそらく作ってくれるぞ」

 優しい笑みを浮かべるライド様に、周りが優しい笑みを浮かべてきたのは少しイラッとしました。



(あえて言う人)

「俺は全て終わった後にアドソンに閻魔剣とワイバーン(レッサードラゴン)の付与つき鎧一式プレゼントしたぜ!」

「結果、アドソン卿は初代様になつきまくったんですね」アリス

「正確には、コレやるから第四騎士団長でいろと命令した感じ、そこは物語(O・HA・NA・SHI)で細かく話すよ」



 そんなことも合って、色々な経験を踏み我々は魔物が襲ってきても、「敵襲!」と叫び飛び起きるよりも「2時間!」と言われたほうが目が覚めるようになっていたが、コレまでに2時間と言われて飛び起きるような出来事はなかった。

 魔物に囲まれても、盗賊に襲われても一人で何とか出来てしまっていた。

 リカルド様の扱き、リリアス様の魔法、ライド様の武器の使い方や戦いの経験。これらを全て使い戦おうとすると正直魔物がこちらに近づいてきても魔力の開放、魔波動で追っ払えるし、何度か盗賊の類に襲われたが全て遠距離の段階で無詠唱の魔法と鋼魔剣、法魔剣の運用で簡単に叩いていけるし、何より、護衛対象が強い。我々より強すぎて護衛いらない人だった。

 そう、この説得後護衛任務説得も簡単だったし、護衛も当人強すぎにより異常に難易度が下がったもので我々もやる気はあるのだが、わずかな警戒と暢気度9割で楽しい遠征感覚で夜も過ごしていた。



(学者たちの考察とリカルド)

「なんか、苦戦的な模様がないんですね。」学者A

「これ、最初の盗賊くらいで他は初代様たちの訓練の延長を見せているだけですね」学者C

「そのつもりで送り出しましたが何か? 父さんにいたっては俺たち(母と俺)と付き合い長いから言わなくても解ると言う前提だけど。

 もっと言っちゃうと父の教えを受けた騎士たちの総仕上げを緩い練習相手(盗賊。魔物)で訓練中、み・た・い・なっ」

「なるほど。・・・しかし、本当に時期公爵就任のごたごたしているところに戻ろうとしているのに本当になんかのんびりしている感じですね」学者C

「戦闘能力が高くなるとよく周りが見えるし、強くなりすぎると周りが遅く見えるんだ。カールドが周りを遅く見えるようになるまであと1年は必要だけど」

「何でここで俺の名前が出てくるんだ」

「ふっ・・・俺の目標はカールドを人外を超え、魔王も過ぎ去った超越した存在を作ることだからなっ!」

 指を指してカールドに向けると、カールドは何も言わずまず外に向けて走り出した。

 前に逃げたときよりも1.2倍早くなっている。さすがに毎日訓練しているだけあるが、ここは俺の庭っ! 逃がすかーーー!!

 ズベチン! と転び音を立てるカールド。足にサンドアームが掴んでいるが意識を集中させて蹴ると崩れるアーム。

 ゴキブリのように四肢を必死に動かし、立ち上げり出入り口に向かう。俺はその後をカールドに聞こえないように「まぁ、超越者の下りは冗談なんだけどね」と学者たちには聞こえたはずの声を出して彼を「ふふふふふ」と笑って追いかける。

 日々育つ粋のいいカールドが楽しくてしょうがない。

 カールドに聞こえるほうに図書館に響く俺の声。

「カールド俺の庭で逃げられると本当に思っているの?」

「・・・くっ・・・それでも、それでも逃げてみせるっっ!!!」

 と、魂からの言葉が返ってくる。そして、響く悲痛な叫び。

「うわ、何だコレ!! 外に出られない! 出口になんか透明な壁がある!!」

「結界さっ。結界の魔法さっ! ふふふふ」

 そうして、今回も逃げられず追い詰められ魔力を吸収されて気絶するカールドがここにいた。


「カールド、遊ばれてるな~~」学者B

「しかし、あいつの毎日の訓練見たことあるかぁ? アレは・・・キツイぞ! 逃げ出したくなる気持ちもなんだかわかってくる」学者A

「カールド、俺たちはいつでも気持ちはお前の仲間だからな!!」学者C

 皆その言葉を聞き無言で頷きつつ合掌を奉げたのだった。だが、このとき彼らの心は一つだった。

 自分にあの火の粉がかかりませんように。と。

 しかし、俺はその気持ちを魔力貰いつつ記憶貰ってるから無言で思っても聞いちゃっているんだよと言わないけど、教えたい。気持ちはある。それだけは伝えておこう。


文章やストーリーの評価良ければ下さい。

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