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9 ご先祖様

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 若学者は誰よりも早く魔法図書館にやってきていた。

 他の学者たちは未だに考え中というか、正直なところ他の学者たちが何について調べており、何を調べたいのかを私は知っていたりする。

 さて、私は何を調べたいのかを先延ばしにして話す気はさらさら無い。

 ゆえに先輩学者たちが何を調べているか教えて進ぜよう。

 それは、大公家の、初代大公の魂は危険なのか危険でないのか? または、自分たちは初代大公の琴線に触れて怒らせて閉まった結果現れたのではないのか? と言う事だが、正直なところそんな事はない。

 それは、私の祖父が昔言っていた。

『ワシも、昔初代大公に出会った事がある。

 あの人は、根本的に遊び好きでお喋りだからであったら聞いて見ると言い』

 この時の私は祖父に聞いていた。

『わー、爺ちゃんそんな凄い人に出会ったのーー、すごーい!!』

 子供らしく天真爛漫に祖父を尊敬の眼差しで見た。・・・・のは、嘘で、本当は、

『それは嘘だね。爺ちゃん子供騙すにしてはあんまり、面白くねーよ!』

 辛らつな言葉を叩き込んでいた。 

 でもよ、言わせてくれ平民にしては裕福ではあるが、何処まで行っても平民の家に初代大公様の魂が現れるなんて思いもしないだろ。

 でも、祖父は当たり前のように言うのだ。

『いや、家は、遠縁ではあるが、大公様の子孫の家系じゃぞ』

『うっそだーー』

 俺は祖父が俺を騙そうとしているものと思い速攻で言い返してみたが、祖父の表情は俺を騙して遊ぼうとしている顔ではなく、ただただ本当のことを言っているみたいに言葉を続けたのだ。

『ワシも最初、初代様に言ったのだ。

 平民のワシの家に初代様が現れるのはおかしい、直系の子孫である大公様の家と間違えたのでは? 何て失礼な事を言ったものだが、それに対して、初代様はカラカラとお笑いになってな、こう言いなさった。

[アホくさ。

 俺は子孫相手でもえげつない事をするが、一律的に直系、傍系、養子関係なく俺の子孫と認めた子孫達を皆愛している。

 それが、平民に落ちたとしても変わらない。

 お前は俺の愛すべき子孫だ]

 ってな。ワシは、子供だったのも有ったが、毎日家に帰っても1人、誰もワシを見てくれてはいない。

 そう思っていたわしは思わず泣いて居たよ。』

 ちゃんと見てくれている人(?)がいる事に嬉しくて・・・。


 そう私の祖父は言っていた。

 それから私は、大公家のことを調べだした。

 その間も調査している中、大公家に別国の間諜に間違われ追っかけられたり、捕まったりもしたが、私の言っている事を現大公がお聞きになり、家格を調査された結果、本当に初代大公の子孫であることが判明し、冤罪のお詫びを込めた資金援助を貰い私自身は若いながらも歴史学者になれたのだった。

 

 現大公様に至ってはあの人、嬉しくて周り忘れて興奮しているんだと思う。

 調べていく中で知ったんだが、どうも親が愛情を持って育てない子どもの前や愛はあるがどうしても仕事や戦争で寂しい思いをさせている子供の前に現れて、色々な事を教えてくれる初代大公の話は大公家では有名な話らしく、前回現れたのも現大公の2代前(まあ、私と同じだね)の大公の前に現れ、やっぱり私同様に孫にその話をしていたのだという。

 だから、現大公様は憧れたのだろうね。

 あって見たいと。

 でも、本の中のお人は変態的だった。

 まあ、私は祖父の話を思い出し、回りの人と違う視点で見れては居たが、なる程祖父の言った通り、遊び好きな人だなあと感心していたりもした。

 後、本を読み直して僅かに内容が違った件については、考察できる。

 ここは魔法図書館。

 書物も魔法が掛かっている。

 飽きさせない工夫なのか? 読む人により、違う文字になるのか? ただの初代様の悪戯(お遊び)なのかと言う事なのだろう。


 私はそんな事を考えつつ、昨日の続きを読むために昨日もとの位置にしまった本の目の前に居る。

 その本は隣の位置と合わせる様に締まったはずなのに本は、まるでとられるのが解かっているのかのように取り易いように前に出ている。

 私は当たり前のようにそれを取り、昨日使っていた机に向うと、お茶とお菓子が置いてあり、手紙もあった。

 手紙を開けて読むと其処には、

【大正解。

 あと、何で解かったのか気になると思うから教えておくと、身体を復元させるのに大量の魔力が必要でね、魔力を貰っているんだが、ついでに何を考えているのかを魔力を通じて頂いているんだ。

 いや~、狙ったとおりの反応で楽しいよ、あはははははははは。

 

 追伸

 魔力が低い人からは1%以下しか取ってないから気絶はないよ。

それも不味い人は取ってないしね。  】


『・・・・・・・・・・・・・・マジかよ』

「イエス!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


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