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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第三章 それぞれの冒険 転生親子とライド
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77 一人(いちじん)にて

 我らがオルタイシ領を出て3日ほど立った。その間長閑な田舎道を歩いているが、今朝から少しの時間がたち森に入っていく。

 馬の足に任せて歩いているとまず最初に警戒の声を出したのは、我らでなくライド様だ。

「皆、防護陣形」

 ふと、本当にふと、我らが本来することをこの人が言っちゃってるせいで我々いるのかいらないのかよくわからなくなってくるが、我らよりも早く気がついてくれるので助かってもいる。

 マジ、この人たち(ライド・リカルド・リリアス)なんなんだろう?

 そんなことを余裕を持って考えていると森の中から数人の汚くボロボロだが鎧を着た男たちが現れた。

「お前たち! 金目と食い物に命を置いていけ!!」

 我らは一切の防御陣形を崩さず睨みを聞かせているとライド様が我らに聞こえる声で語られる。

「森の中に4人が弓で、剣や槍が6人、目の前の合わせて12名だ」

「・・・なぜ解るんですか?」

「ん!? リカルドに戦いが始まったら、集しろと言われただろ? してないのか? 周りを見れば、弱いが魔力のタユっているのが見えし魔力応用で視力の強化をすれば何を持っているか位はわかるぞ」

 そんな方法があったの!? と驚いていると、ライド様は「ああなるほど」と一人で納得された。

 その間も、盗賊は、「何を喰っちゃべってやがる大人しくしてれば優しく殺してやるからとっとと武装を解除しやがれぇぇ!!」とか言っているが全く恐怖感がない。それよりもなんか普通に思ってしまう。

 弱そう。

「リカルドとリリアスの訓練を受けると感覚で相手の力がわかるようになるから弱く感じやすいんだよな。実際に今まで戦っていたのが息子たちだとあからさまに気が抜けてしまうんだよな」

 私(我々)の心を読んだかのように口を開いているライド様がいるが、すぐに命令が出る。

「ワイハン」

「はっ!」

「君一人で全員戦えると思うからリカルドやリリアスに教えてもらったようにでなく、今まで全ての経験を含めて柔軟に戦ってごらん。

 軽い練習になるよ。盗賊なんて」

 あまり恐怖感も何もなく、遊んでやれと言っている。

「き、貴様っ! 森の中にはっ!」

「12名! 12名しかいないだろっ、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと撃つのか切りかかってくるかしろ! 雑魚は雑魚らしく馬鹿みたいに突っ込んでこいや!!!」

 叫び声を上げて我々を威嚇する盗賊の首領がいるが、ライド様は数をいい、挑発もし始める。

 大丈夫なのかと思い一応見てみると、

「ん。大丈夫身体強化しているだけで、まず訓練もしてない人間の矢なんてまず刺さらない。それ以前に妻や息子が作った防具がすべて弾く」

 あっ、そんな感じなんですね。

 うん。と、何も言ってないのに頷かれた。

「クソ! 舐めやがって!! お前たちやっち・・・」

 首領の言葉は最後まで言葉は続かなかった。それよりも先にライド様が「ワイハン、行け!」の命令で馬から消える。

 首領の首が切り飛ぶ。その横にいた人間も形相を浮かべたまま首が中を飛び、敵の矢は飛んで来ない。それ以前にワイハンが無詠唱で作った風の矢でピンポイントに命中しているためか絶命しているだろう。

 ワイハンが次に移っている中、ライド様はおっしゃられる。

「なるほど、リカルドとリリアス。分投げた・・・いやこれを見越していたのかな。なるほど、基礎は叩き込んでいるだけで実際の使い方までは教えてない感じだな」

 一人でぶつぶつといった後、私に声を掛けてきた。

「アドソン」

「はっ!」

「風の力の宿った魔剣貰っていたな」

「はっ!」

「使い方は教えてもらったか?」

「はっ・・・ん? いえ、使い方とはなんでしょか?」

「ん。今ので解った。森を抜けたら平原だったよな、この先そこでお前たちの貰った剣の使い方を教える」

「剣の使い方ですか?」

「ああ、私はリリアスとの付き合いが長いのもあって、昔から色々な魔法剣を作っては渡してきたから教えられる。」

「ええ! 色々な魔法剣ですか?」

「ああ、彼女は何十年も魔法も鍛冶も魔道具も時間を掛けて研究してきた。そのうちの成功例を貰って使い続けて居るのは私なのだ。

 ふふ、おそらくそれをも見越してお前たちの魔法剣を渡していると思われる。だから、後の総仕上げ(妻と息子の)は私がやろう」

 なぜか、リカルド様にもリリアス様にも似た笑みを浮かべて、我々は嫌な予感しかしなかった。

 

 その頃、ワイハンはのんびりと全ての盗賊を殺し終えて戻ってきたのだった。

 そして、我々を見て首をかしげたのだった。


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