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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第三章 それぞれの冒険 転生親子とライド
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76 ライド(父)

(リカルドは皆に伝えることを伝えたいと思います。)

「皆ここからが本当の新章だよ。つっても、俺も実際体験してないから知らないんだけど、公爵歴の書とライドとアドソンから俺が聞いた話と年取ってから魔法で人の頭の中の記憶を読み取る技を取得してみて総括した話だからあまり深くは突っ込まないで、というか公爵歴の書見てればわかんじゃねーの?」

「え! そんなこと出来るんですか?」

 公爵は驚くが、

「出来たんだけど、危うく相手をパーにするところで危なかった。今は長年の研究の成果で問題ないけど」

 俺の発言に学者たちが驚愕している中、ある程度俺の行動に慣れているカールドが純粋に言う。

「危ねーなじーさん」

「全くな、で公爵歴の書のほうはどうなんだ?」

「一応はどのような経緯を経てきたかまでは知りません」

 先ほどの会話を一時置くことにした現公爵が丁寧に答える。

 それを補足するようにカールドが言う。

「公爵歴史書には、簡単にこう書いてある。

 オルタイシ領を出て、道中公爵分家に雇われた盗賊や斥候に襲われるが難なく切り抜け、ウルフやベアなども出たが騎士一人で討ち取り、公爵自らも前に出て戦うが敵が歯ごたえなく途中から皆で夜はガッツリ寝る事になった。

 そうして、1週間でエルハルム領に入り、それから3日後首都に着いた。ということだけだ」

「ほとんどなんも書いてないんだね。

 オケ、じゃあ、書いていこうか! あ、アドソンが主体で書くからよろしく」

「「「「はーい」」」」



 オルタイシ領を出る前のときの話から始めよう。

 私は部下たちに指示を出し荷造りをしていた。

 それを手伝うためにリリアス様とリカルド様が荷造りの手伝いをしていてくれる。

 最初は断ったのだが、「手伝ったほうが早い」という声と「アドソン殿少ししたら父が4人と手合わせすると言っている。荷造り早く済ませたほうがいい」と言われ、私は頷くことにした。

 二人の手伝いが加わったことで朝8時から始まった作業が1時間30分で終わった。出発の2時間前までかかると思っていたが、このお二人の魔法の能力が高い。このお二人がライド様の公爵就任後来られるとなると公爵家の繁栄は約束されたようなものであると言えよう。

 そしてその時を見届けたら私は騎士団長を辞めて、リカルド様に仕え、命を懸けてお守りしよう。



(リカルドと学者たち)

「まず、俺に先に言わせてくれ。この時の俺だったら、とてもいい迷惑な事いちゃっているおっさんがいる。そう思ったね。

その後いろいろごたごたの後、気持ちのいいやめる宣言して俺の付き添い騎士になろうとしたけど、俺超絶拒絶と騎士団長このままを言い渡して、第四騎士団長はそのままになった。」

「このアドソンって、後の鉄壁のガイアドその人ですよね?」学者A

「ああ、そうだよ。この当時はまだ騎士爵で元は平民の人ね。俺が侯爵家に行くときにいくつか爵位を陛下から貰ったから男爵に任命したんだ」

「にしても、ガイアド男爵アドソンべた惚れだったんですね」学者C

「アドソンはここエルハルム領出身の人間で、同時に本当に騎士らしい騎士(男)だったよ。そのせいもあって、俺を最重要人物(今後公爵家が栄えるのに、その結果家族や友達、子孫たちが安全に平和に暮らせる)と位置づけたらしい。

 実際には自身で言うのも気分としてアレなんだけど、事実だから。俺がいたときが一番栄えたと思うよ。

 そういう意味では先見の明があいつは高かったよ。それでいて、何を本当に守る(民を守るも仕事だけど、民にとっていい主人)のかをちゃんと理解していた男だった」

「ガイアド卿にべた惚れだったのはジーさんの方何じゃないの?」カールド

「べた惚れはしなかったけど、家族以外でもっとも信頼の厚い部下の一人ではあったよ。本当は立場が邪魔して男爵しか渡せなかったけど上子爵(伯爵同等)を与えたかったんだ。でも、その分大目に領地を与えることが出来たから、よかったとは思ってる」

「お、おう、そうなのか」

 カールドは茶化したつもりだったのだが、思ったより素で返されて戸惑っている。

「ああ、懐かしいねぇ。もう、俺の記憶の中にしかいないよ。皆、面白い奴らばっかりだったよ」

 しんみりと昔を懐かしむ俺となんだか妙な雰囲気になって居心地の悪そうな学者たちがいる状態になったが、「そろそろ、記憶の読み取りに戻ろうか」そういう流れで物語へ戻った。



 荷造りが終わりリカルド様に中庭で待つように申し付かり待っていると木剣を5本持ってライド様がこちらに歩いてこられる。

 我々はライド様が何をしようとしているのかなんとなく理解したが、思わず我らはおかしくて笑ってしまった。

 というのも、護衛対象に実力を測られようとしている。

 確かにライド様は御強かった。でもそれは今日の我らの訓練前、公爵家にいた頃にともに切磋琢磨したおこがましいかも知れないが友人だった。

 でも、デモである。我らは日々鍛えてきた。つい最近だって地獄の訓練に参加し耐え抜いた。その我らに剣を差し出そうとしているライド様がいる。正直驚いてしまう。

 そこにリカルド様と目が合う。

 リカルド様の目は我らの考えを見透かしたかの追うなあざ笑う目だった。

 私はこの瞬間、背筋がゾッと怖気立つ嫌な感覚を味わう。

 そうこのとききちんと考えるべきだった。我らは自身の味わった地獄に慢心し、ある一つのことを失念していたのだった。

「これから私と打ち合って貰えないだろうか? 私も君たちがどれほど強くなったか知りたいし、私の強さも把握して欲しいからな」

 微笑みながら私たちに木剣を向けてくるライド様に我らは笑顔で頷きお互いに目を合わせて手心を加えることに皆、目を一瞬伏せ賛同した。



(リカルドさんはこのときのことを語る)

「普通にアドソンたちが舐め腐っている顔見て、言ってやろうかどうしようか迷ったさ」

「何をですか?」学者B

「家のオトン、当時冒険者ランクAAAだからね。」

「「「!!!!!」」」

「何、驚いてるの? 家の母の旦那が、母に調教されてないわけないじゃん(まぁ、寝床も物理も父調教されてるんだけど)!」

「「「 O h !!!」」」

 そう、全ての現況も問いすべての今日に至るまでの全ては母である。なんか、ふと恐怖の大魔王みたいに母が見えてくるな。

「それとこの時の父はアドソンたちに向ける目の奥に闘志沸かせていたよ。俺は普通にわかったよ。

 俺、訓練中に行ったはずなんだけどな。油断するなよって。俺は戦いのとき油断はほとんどしなかった。どんなに気を緩めても1割は警戒して生きていた。いつ俺より強い奴が現れても1割の警戒が作動すると警戒9割ユーモア1割で迎え撃っていたよ。

 そういう意味ではこの時のアドソンたちはまだまだ若かったんだよね」

「「「・・・・・」」」



 我々はライド様より剣を受け取り1対1で打ち合うものかと思っていたら、4対1でいいといわれた。

 まさかの申し出に我らは目を疑った。

「ライド様、それはちょっと・・・」

 リクスがライド様に馬鹿にはしないがそれでも言葉の端々に下に見るようなニュアンスが含まれるがライド様は、

「いいからやってみよう!」

 と申される。引く気がないライド様に我らは頷いた。頷きつつアイコンタクトを取った。

 シグナルが諦めたかのように「解りました」と代表するようにして頷き、念を押すようにアイコンタクトをしてくる。

 我らは一本ずつ木剣を受け取り、「じゃっ、俺が合図出すね。ついでにルールは殺さなければなんでも有りで」と笑顔のリカルド様に言われ、いざ勝負となった。



(リカルドはこの発言だけしたい)

「俺、ルールナイスキラーパスだったと思うよ。オトン、俺にだけわかるようにニヤリと笑っていたもん」

『『『この親にしてこの子有り!?!?』』』

『どっちかってっと、俺たちは基本母の影響が強いだけなんだよなー』



 リカルド様の「はじめ」でまず動いたのはリクスだったが、鳩尾に何かを食らったのか吹っ飛び、ワイハンがギョッとした所を見逃さなかったライド様は剣戟で叩き、シグナルが割って入ろうとすると無詠唱の土魔法がシグナルを掴み身動きが出来なくなる。

 剣戟でワイハンの剣を上に弾かれ私の目には二発蹴りが見えたが二発目の蹴りの衝撃を利用してシグナルの首を軽くなぞる。死亡な。という意味に見えた。

 シグナルの魔法が解けると私と1対1に向かい合う。

 ライド様が優しい笑顔で問われる。

「久しいなアドソン」

 こうして、剣を向け合うのは、と、いわれた気がした。

「そうですね」

 ビシビシと剣気を感じる。

 どっと、汗が沸いてくる気がする。

 リカルド様やリリアス様とは違うが人の大きさの違いのようなものが感じられる。

 ん? リカルド様・・・いや、リリアス様が、 !!!

 本の束の間意識が他の場に行った所を打ち込まれた。

 うぐぐ、つ、強い・・・。必死に相手を押しつつ、後ろに飛んで距離をとる。

 瞬間、クスクスと笑うリカルド様を見た。目が合う。

 その瞬間一気に気がついた。この二人の中でもっとも一緒に長くいたのはこのライドだ。この人が弱いと思ったのはなぜだ! それを思っていると、またリカルド様と目があう。その瞳には『ようやく気がついたのか? 油断するなと、戦いが始まったら目に集しろと言ったろ』と言われた気がした。

 私は遅かった。遅かったが目に集をすると、よくわかる。リリアス様よりも魔力の流れは雑、リカルド様よりも魔力の量は少ない。

 でも、我々よりもずーっと遥か先の器を魔力の運用をしていた。

 ああ、これは我らの読み間違いだ。

 このとき私は大きく息を吸い、剣を一時下げ、ライド様に確りと頭を下げ、頭を上げるとライド様は先ほどよりもいい笑顔で笑っていた。

 木剣を構えなおし、全力で打ち合った。

 何度も何度も何度も、何合打ち合ったか解らない。

 互いに肩で息をして、剣を構え続ける。

 おそらくこれが最後の一撃だろう。だからこそ、この一撃には力が入る。

「はい、ストップ!」

 の言葉と共にど真ん中にリカルド様が立ちはだかった。

 何を!? と思うが我々が口を開く前にリカルド様は言われた。

「これから家(エルハルム領)に帰るのに疲れて気絶してどうするつもり?」

「「あっ!」」

 ライド様と私は口を揃えて間抜けな声を出してしまっていたが、それよりもこの打ち合いの続きの出来ないこともまた悔いの残るものになった。

 でも、我らは思った。どうやら我らのお守りする人は我らよりも同等以上であることが解った。これは大きな収穫といえよう。同時に、ライド様にもう一度謝罪することになった。



==================

 あの後すぐ、昼食になり送りに来ていた皇太子殿下がいらっしゃり、緊張していたりと色々だった。

 城門を出て無言で馬を進めること30分はしたころ、徐にライド様が口を開かれた。

「にしても、本当にお前たち俺の弱者扱いしてくれたな」

 クスクスと笑っていらっしゃるライド様に我らは、ただただ、頭を下げるばかり。

「そのーなんというかすいませんでした。」

「いや、度肝を抜けて楽しくなかったか? と言われれば楽しかったとしか言えないが、リカルドに口を酸っぱく相手に油断するな。と言われていたのではないのか?」

 大丈夫だろうな? と冗談でも言われているのが解る。

「大丈夫です! 今度は油断しません!」

 歳若いリクスが拳を握ってそんなことを言うが、お前それはライド様を弱いと思って馬鹿にしたの肯定したのと同じだぞ! と睨んだら、気がついて口をあわてて閉じた。

 ライド様は始終笑っていたが徐に言われた。

「リカルドはな」

「は、はい」

「リカルドは気を抜くのは9割、警戒1割で普段から要るのだと。慣れれば疲れはしないとも言っていたが、なぜそれなのか聞くと、毎回全力で警戒していると疲れるでも1割軽快なら疲れない。また、1割警戒でまずいものが来ると思えば、気持ち5割からだ4割警戒の9割で残りは1割はのんびりモードで働くのだそうだ。残りののんびりモードも1割ある理由はどんなときでも冷静さを忘れないためののんびりモードだと言っていたぞ。」

 我らはその助言を聞き、体に力が入っていたことに気がついた。

 やはり、ライド様は笑って居られた。

 ああ、どうやら我らはこのご家族から心からの一本も取れることなく負けてしまったことを理解してしまったがなんだか悔しくないことが少しこのたびを楽にしてくれることになった。

 そうして、我らはエルハルム領に突き進んでいくのだった。


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