7 今更ながらの説明。
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八公の像があったところから学者や大公たちは魔法図書館に降りてきた。
その時、其処に入った全てのものが頭に響くような声が聞こえた。と、言う。
『始めましてだな、諸君。
この蔵書館を私は魔法図書館または魔法図書と呼んでいる。
幾つか私から君達にこの魔法図書館の利用法を教えようと思う。宜しいかな? というか、問答無用に聞いてもらうんだがね。はっはっは。
さて、私がこの図書館で君達に言うべき事は注意事項である。
注意事項としては以下の事柄であるから、それを聞いて欲しい。また、忘れてしまったら、図書館中央に一応書いてあるから読み直してくれと先に言っておこう。
ではまず始めに、
一つ、この魔法図書館での飲み食いは可である。
二つ、この魔法図書館の敷地からの書物の持ち出しは不可である。というか出来ない(結界の問題で)。
無理に持ち出そうとすると腹痛を催し、何かしらの怪我をして、屈辱的な目にあう。
三つ、本を無理に持ち出すと魔法図書館の本も持ち出した本も燃える。
四つ、この魔法図書館には、机が備え付けられているところがあるからそこで読むことをお勧めする。また、そこで自身が持ってきた紙に文字を写すことを進める。
五つ、二つに対して注釈である。敷地については八公公園の敷地内は持ち出し可だが、それ以上は不可であることをここに明記する。
また、本をとったら、取った場所に戻すか蔵書台に置くことを厳命しておく。もし、戻して置かないと、その人間は最低一週間、八公公園に入れなくなるから要注意。
酷い奴は悪夢を見せる。
六つ、誰かの独占を主張することを禁ずる。
以上である 』
この言葉より数日。
八公公園に入れない領民や腹痛を催した瞬間、何故か骨折。あまりの痛みに脱糞したり、酷い悪夢を見て幽鬼のような表情に成っており、図書館に近づけないから、その場で魔法図書館の方に向って土下座して祈っている。
そんな陳(珍)情が大公家に届いていたりした。
内容は、
「勘弁してください。」
「許してください」
「何とか成りませんか?」等などだという。
それに対する大公家の回答は、
「無理です。初代様の魔法に我々は関与できないからです。
それより、注意事項無視したからこうなった事を反省して下さい。」
だった。