54 学者達の昼飯
学者たちは研究資料を読むことがまずまずの仕事である。
昼のタイミングや帰るタイミングなどは基本的に俺のアナウンスがきっかけで食事に入ったり帰ったりすることが多い。
つまり俺が時間の管理をしている。と言う事である。
更にいうと、俺偉いである。(江戸時代、昼を知らせるのは大砲の音だったという。時間を指定し決めていいのはその領地の殿様だったという話がある。)
なので、今日は取って置きの飲み物を学者全員分用意してあるので、俺はニコニコしながらそれを近くにあった机の上において、一言だけ伝える。
「飲め!」
赤黒く、生臭く、何かやばいそれを死神の如く伝えると、『えっ!?』という顔をする学者達とジョッキを見た瞬間口を押さえて膝たちで両目ガン開きの今にも失神しそうになっているカールドが生まれ、更にそれを見ていた近くの学者が、『あれドンだけやばいネン?』とドン引きしていた。
しかし、俺はニコニコしながら「学者とは、学ぶ者と書くものだろ? なら、文字だけでなく実際に行動し、その行動の結果を誰か(後世)に伝える事も大切だろ? だから、飲め!」伝えるとやはり学者たちは『の、飲ませたいんだ!』と此方が何を求めているかわかったのかドン引きしながら、逃げられない選択肢に戦々恐々していた。ちなみにカールドの分はない。今日から毎日ノルマで飲まないといけないから、彼は朝飲んだから次は明日の昼である。
そして、動いたものがいた。
誰よりも率先して動いたのは現大公である。現大公は小ジョッキ口数でいうと5口分をジッと見つめ、匂いを嗅ぎ、ビクンと軽く跳ねるように固まること一瞬覚悟を決めて口をつける。
次の瞬間、カッと目が開き喉をならし、2口目で身体が拒絶反応を見せるのか痙攣し出し、3口目で喉を通らず(アドソンたちにもしたが)吐き出そうとしたから口に魔法結界を作り吐き出せないようにしたら、本当に無理だったらしく鼻から噴水の如く吹き出し、大公は気を失って倒れた。
「大公様」「大公様!!」「大公様!?」
周囲はその光景を見て大変なことになっていたが、俺は魔法で大公をそっと床に置き大公の前に立ち学者達に伝える。
「最低2口飲まないとここから出さないから・・・・・」
ニコニコ笑顔で彼等に伝えると彼等は絶望感漂う表情を見せ、逃げようとするもの、その場で固まる者、覚悟を決めて飲む事に決する者に代わって言った。
そして、洩れなく色々な葛藤の末結果として飲み、失神の道と成った。
「お前等だらしねーぞ! 俺はこの当時毎日飲んでたんだからな! それに今日の朝からカールドはコレを飲み続けるというルールに成ったんだから、それより楽なんだから情けない失神すんな!」
この時のカールドは、寝耳に水!? という形で眼を見開き膝立ちのままこっちを凝視して固まっていた。
あれは失神していたのだろうか?




