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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
公爵家の最初の子供  前編
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36⑩ お迎え騎士たちと少年 3


 我々は規格外な魔法の使い方に呆然としていた。

 ドノくらいん時間が経ったかは不明だが、それは唐突に訪れた。

「さて、改めて話し合いを始めようか?」

 女とライド様のご子息のリカルド殿が口を開いたがその瞬間女(母)に後頭部を殴られていた。

「何で貴方がそこで口を開いたのかしら? 一応解からないでもないけれど」

 えっ! そんな事で人の頭部をたたいたの? えっ? わからないでもない・・・・かもしれない。だって、我々食事が終わった後呆然としていただけ出し。と考えている中も半紙は進んで女が声を掛けてきた。

「で、この子も言った通り、話し合いを始めたいから戻ってきてくれない?」

 の言葉に、「あっ、うん」と「・・・っ」と間抜けな返事をしてしまった。

 部下たちは黙っている。

 ゆえに私は場に緊張感を持たせるために咳払いしつつ、時間稼ぎ。

 色々、我々はやらかしているせいで立場が低い為、最低限・・・我々が子供の癇癪と女の怒りに触れないように全力で言葉を正して口を開いた。

「改めまして先ほどのご無礼お許し下さい。

 また、このような機会を作って頂きありがとうございます。」

 と、いうと女は一つ頷くだけで、女は何も言わなかったが1人だけ淡々と口を開いた。

「で、実際何があってこうなってんの?」

 少年と女が目が合い。少年が家族の事は知りたいというと女は何事も無かったかのように此方を見て、話せといっているように見えた。

 だから、掻い摘んで話をしてみた。


 我々は驚いていた。

 掻い摘んで話した内容を齢4、5歳の少年が1を聞いて10を理解したからだ。

 我らは少年を据え恐ろしい彩に慄きと哀しみを覚えた。

 この少年はライド様の子供であるが、同時にこの女の子供である。

 もしライド様が我らのところに戻ってくれば子供は必ず父親であるライド様が引き取るだろう。その時ここまでの才があろうが少年が庶子としてしか生きられないと言う事に、もし、次期当主になれば歴史に尚残す存在になるだろうに生まれのせいでここが限界になってしまう現実に少し哀れみを覚えたのも事実だったがそんな事を考えていると、気持ちの良い懐かしさを思わさせる威力の何かが頬を張った。

 振り返った瞬間、女が自身の母に見えた事は内緒にしておこう。

 女は遠慮の無い言葉と笑顔で我らに言う。

「黙るなら、私たちの生活に邪魔だから帰ってくれないかしら?」

「し、失礼した。あまりにも子供離れしている為驚きすぎてしまった」

 本心を告げると、すかさずライド様が嬉しそうに、

「まぁ、私の(との)愛妻の1人息子だからな!」

 女と少年を自慢してきた。

 それだけで、ライド様がこの女をどれだけ愛しちゃってるか解かった。

 突如、「フォォォォォ!!」とお凸を抑える少年。

 我らは何事かと見てしまった。

 が、直ぐにリカルド殿はライド様の心配する発言をした。

 我らはその言葉に一早く反応し答えを返すとリカルド殿は驚いたような顔をしてライド様を褒めだし、父母は『ん!?』という顔をしている。

 そのうち女が、気がついた模様。

 つまり、オルタイシ領の領主は誰なのかは知っていたが、オルタイシを王太子という意味で理解はしていなかったと言う事らしい。

 何とも間の抜けた話だとは思ったが、何故だか私は安堵した。

 だって、子供が子供らしい一面を見せたんだぞ! 大人として安堵するだろ?

 少し、心が落ち着いてきたころ爆弾発言がリカルド殿から放たれた。

「オトン。公爵領に一度戻れば」

 この発言に女は何事も無かったかのように流し、我らとライド様だけが狂何度目からの驚きに見舞われた。

 ライド様は息子であるリカルド殿に尋ねると、リカルド殿は思う最善を話される。

 それを聞いていた我らは、心内で確かにその方法でも公爵家は助かる。とも思ってしまったが、我らとしてはライド様がこのまま、公爵家の当主になってほしい。

 なぜなら、我らがライド様に敬愛を覚えているからだ。彼の子供時代から知っているし、彼の生き様や我ら国民にしてきてくれた事を知っているから正直それはして欲しくないと思っている。

 ライド様はリカルド殿の言葉に妻が心配だと評した。

 正直こんな強く怖い・・・・ううん! 女の何処が心配なのかはわからないが、心配をしている最中リカルド殿が言う。

 要約すると『母さんは任せろ!』だったが、その後が何か駄目な発言を下らしく、逃げ出そうとしていた。

 が、地面から腕が生え、リカルド殿の足を掴んでいた。

 そこへ微笑みマックスの女が手をワキワキさせつつ、無詠唱で風魔法を発動させてリカルド殿に襲い掛かった。

「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!! か、かあ・・・さん!!! かんべ・・・・・・ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ものの数分でリカルド殿は生きるしかばねと化したのだった。

 ビクンビクンしていた。


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