36⑤ お迎え騎士たちと少年 c
突如意味はわからないが宮廷魔導士長が怒り狂って我らに攻撃してきた。
我らは瞬間的に戦闘態勢に入りガリアン殿に非難を浴びせる。
砂埃が舞ってはいるが、ガリアン殿は並々ならぬ殺気を放ち我らの前に立つのが解かる。
僅かだが、肌に嫌な汗がにじみ出る。
呼吸が浅くなるのを感じる。
これが、本当に魔導士なのかと思わせる圧力である。
そのときだった。
土煙の間から大人より・・・いや、青年よりも小さな陰が見え、目を凝らすとそこに居たのは少年、いや、幼年か!?
なぜ!? と一瞬脳裏に過ぎるが今はそれよりここが危ない事を少年に告げなくば成らない。
そして私は少年に声を掛けた。
だが、少年は私たちをチラリと見て、無視してガリアン殿の方に歩いて行く。
二人はお互いに本の一瞬視線を合わせて、何事も無かったかのように無視し会う。
そして、何か話し声が聞こえてきた。
我らは二人は体制を建て直し立ち上がり、抜刀している。
部下二人は扉に押しつぶされ動けないで居るみたいだが命に別状はなさそうだ。
剣を握り直し、もう一度ガリアン殿に声をかけようとした時だった。
何か慌てているような声が聞こえたかと思うと、いつの間にかと言う感じでガリアン殿の後にあの女が右手に鞭を持ちたっており、啖呵を切った。
「ガリアン! コレは私の喧嘩よ! 口出し無用!!
そして、あんた達! 物事の道理と誰が強者か教えてやるわ!!」
鞭を地面に叩きつける女王様・・・じゃなかった。女が我らの前に立ちふさがった。




