249 リ・オルタイシ ④ 翌朝、リックとリクス師弟の騎士訓練の観察。
リクスは騎士の試合の時はおらず、確りとリックの側に付き体力を作るため走り込みをさせていた。
俺が騎士の試合を見たあと、いろいろ思うことは有ったが、まずは公爵家の騎士たちに労いの言葉をかけると全員安堵の表情を作った。明日の事なんてわからないに。
リクスとリックの所に出向いた頃には息を吐き子供用の木剣を渡し振らせていた。
ところどころの修整を入れ100回終わった頃に小鹿がいた。
小鹿に発情しそうになる己が心を諌めながら、リックにばれないように地中の中から従兄妹を見守る俺に気が付いたリクスが地面を驚愕した目で慄いて居るのは見た。同でもいい。
目だけニヤリとリクスを見るとビクッ! と、脅えられた! いや、今回は別に脅えられることはしていないはずなんだけど、まぁ、いっか。
そういう風に仕向けたからしょうがねぇな。じゃぁ、しょうがねぇ。それよりも可愛い可愛い従兄妹の鑑賞である。
『はぁはぁ』
(ボラン)
「あの~、すいませ~ん」
ん?
「今しがた気が付いたんですが、リック殿がリクス殿に剣を教えてもらう流れになった話書いて無くないですか」
ああ。
「俺に関係なかったから書いてないよ。
生来は(240 リ・オルタイシ 道中 2日目~ (閑話話))で書く予定だった。
朝の訓練中にリックが「俺も、家族を守るために強くなりたい!」とか言い出して、俺の短剣一振りくれてやって、リクスを師匠に就けたのがこの話の後の話だな」
「書くなら喋れよ、そういう大事なこといきなり始まって驚いたわ!」
してやったりだぜ!
俺は真下から従兄妹の成長を覗き見していると、リックはリクスにそわそわしながら言った。
「リクス先生、質問が、疲れてくると誰かに見られているような変な感じがあったりするものなんですか?」
要所で相槌をうつリクスにリックは話を続ける。
俺はトイレかと思って見ていたら、リックの危機管理の感がなんかよくなってきている現在にそっと地面の中に潜って逃げるのだった。だって、ばれたら嫌われちゃうじゃん!
(カールド)
「いや、見るからに嫌われているだろう、これ」
心の其処からに見えるその発言に、同意の心を持ちながらカールドを『大丈夫かこいつ、死なない? 殺されないの? カールドだから大丈夫なの??』と言った視線が降り注いでいる中、俺は、笑顔をカールド以外に向けてから、
「いや、一度聞いた事があるんだけど、苦手意識は強くあったみたいだけど、親戚だし、憎くてやっているわけではないのは解っていたみたいだから、係りたくは無いけど好き嫌いで言えば正直どちらでもないって言ってた。」
と、喋りながら当事の情景を魔力で展開しながら、酒場でリックの肩に手を回し片方で抵抗しないように身体をホールドし、音声なしだけど、文字だけ浮かせて『正直に喋らないとキスして首筋ぺろぺろして、ベットに連れ込むぞ、オラー!!』的なことを酒に酔った16歳の男同士がイチャイチャしている絵面を上げると学者たちがリックに哀れめな視線を送る。
当のリックは必死の抵抗をしていたが唇が唇に接触する前に陥落し、俺は舌打ちを打っていた。
『意地を見せろ! 意地を』と言っている絵面は消える。
その中でもカールドは素が出て言ってしまう。
「あんた鬼か!?」
俺は満面な笑顔で答えた瞬間、後に大きくカールドは飛び身体を捻って逃走をしようとして、もう1人の俺に速捕まり、濃厚なデイープキスで悲鳴を上げるまでも無くキスされて、何をされているのか身体が判断して声にならない悲鳴を上げるのだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「だめだよ~、カールド。そろそろ一段階上げるって言ったじゃん。だったら、目に見えるもののみの警戒は駄目だ。もっと魔力を研ぎ澄ませていれば今回の事にはならなかったよー。反省しろよ!」
学者たちはドン引きしていた。
一部、手伝いのメイドたちが息を荒げているが見なかったことにしてやった。
そして、俺は「ここで待っていろ」といったアドソンの側まで行き地上に戻った。




