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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
356/367

243リ・オルタイシ   道中  3日目の夕刻

今回の投稿は此処までです。

改めまして、続きを待つ方々いつもありがとうございます。出来る限り早く戻れるよう頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

また、皆様が健やかであることを願います。


 俺たちは現在、イアンに頼まれキキリーの実家子爵の館前、門柱より少し手前にいる。このまま行くと面倒くさそうなのでイアンを伝令に走らせる。

 門柱では凄い殺気を放っているのと浮き足立っているが恐らくはキキリー関連だろうから、少し離れたところから見ていると門柱で少し揉めているみたいだがすぐにこっちに指が向き俺は幌の上で憮然に堂々と腕を組んで仁王立ちしている。

 俺様が一番偉い! 下郎共頭が高い、ひれ伏すがいい。という感じで待つ。が、イアンがこっちに来てくれと言う様に手を振るので馬車を進ませ、俺はバランスを崩してよろける。

 馬車が門の前に着くと子爵家の騎士たちとメイドたちが集まってきて、自分たちの主君筋が馬車から出てくるのを待っている。

 俺は気を聞かせて馬車の後に土で階段を作り、紳士らしく笑顔で手を差し出してみた。

「お手をどうぞ」

「………結構です………」

「………………」

 無言に見つめた後、少し俺を避けるように返事を返したキキリーに俺は笑顔で固まる。

 その横にアドソンとロミオがやってきて、二人とも口を揃えて、俺とキキリーに聞こえる程度で、「子爵家をつぶしますか?」「子爵を切りますか?」二人とも朗らかな笑みをたたえていた。

 キキリーさんの答え。

「………じょっ、冗談です! ちょ、ちょっと悪戯の過ぎるリカルド様に、い、悪戯返しですわ」

 冷や汗を垂らして視線はずらし、顔色悪く震える声で返事をして手汗掻いた手で俺の手を握ってきて思ったことは、手が汗で濡れていて気持ち悪い。これだったら、手を取らないで欲しかった。後ほどに服で拭こうと思う。以上である。ちなみに駄洒落になっちまったぜ!

 とはいえ、子爵家の御令嬢が馬車から降りてくると子爵家の騎士たちの殺気が一瞬で霧散して歓声に変わる。

 お嬢様! お嬢様!! とメイドと騎士たちが駆け寄る。

 俺はそっと場所を彼らに渡し、手汗を拭う。

 馬車の中からは伯父さんたちが顔を出して微笑ましそうに見ていて、キキリーがそれに気が付く。

 向き直り伯父たちには緊張感なく深々とお辞儀をする。

「リッド様、ナーシャ様、リック君、リーシャちゃん。道中楽しく、お世話になりました。

 もし、よろしければ我が家で一泊していかれませんか?」

 近くにいた騎士やメイドたちが主人の言葉に頭を下げる者と頭を下げて館の中に歩む者がいる。

 ちなみに通常ならリッド伯父上は平民ゆえ、本来ならリッド様で無くリッドと言われるところなんだが俺がリッド伯父上を伯父上と呼んでいたので尋ねてきたので、

『俺の母の兄で、母も俺も心から敬愛し尊敬している方だ!』

 って、言ったのとメイドたちや執事たちに騎士たちが謙譲語で話すのでそこから忖度して敬語で話している。と思われる。もしくは、俺や騎士たちを怒らせないためかもしれない。何せ、このときイアンは意識を取り戻してはいるが絶好調ではない。

 コレが理由だと思う。

 それにしても解せない。

『俺と母が敬愛し、尊敬している方だ!』

 といった時の伯父の引きつった笑みと笑い声、何がそんな顔にさせる言葉や言動があっただろうか?? よく分からない。



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