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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
公爵家の最初の子供  前編
35/367

35 リカルドは父に宣告する。誰を守る騎士(男)であるかを言う。(分家記載公爵家)  c

長いぜ!(^_-)-☆


「さて、改めて話し合いを始めようか?」

 目の前の異常な光景に騎士たちが立ち直れてないでいる事5分した頃に俺がそこに口を突っ込んで見せた。らっ、オカンからツッコミを受けた。

「なんで、あなたがそこで口を開いたのかしら? 一応解からないでもないけれど」

「いや、子供の忍耐力舐めないでほしいです」

 冷静に礼儀正しく母に言って見せると母は、お凸を抑えて一つ溜息を吐いて、数秒後騎士たちを見据えた。

「で、この子も言った通り、話し合いを始めたいのだけれどそろそろ驚きから戻ってきてくれないかしら?」

「・・・・あっ、・・・っ・・・ん」

「・・・・・・・・っ」

 アドソンとシグナルはそれぞれなんといって良いかわからず僅かに声を出して、時間を稼ぐように呼吸を整える。

 後のアドソンたちの護衛兵は上官が喋っているのに会話をするのは失礼だと理解している為、何も言わない。

 ん! ゔん!! とアドソンが率先して口を開く。

「改めまして先ほどのご無礼お許し下さい。

 また、このような機会を作って頂きありがとうございます。」

 礼儀を正し、頭を下げるが、此処まで礼儀正しいのは恐らくオカンの怒りに触れ、俺の怒りに触れ、オカンの美味い飯に胃袋を捕捉されてしまったが故の行為を見ようと思う。

 特に謝りながら、オカンと俺をチラチラ見ていたのが前文の憶測が証拠、だと思う。

 そのせいかは知らないが、この二人大分大人しく身を正している。

 母はアドソンの言葉に一つ頷き、無言で話を促し、父が主役なのに出番がまだ無い現実を客観的・冷静に俺は見ていた。

 ちなみに父はとても真面目だがこれから話すことが何だか複雑なのか渋い顔をしだしている。

 全く一体何があったんだ! と、皆が思っているだろうからここで、【完】で終わらせたらどうなるだろうか?



(カールド・学者たち)

 一文を見た学者たちは無言になる。

 カールドは短く一言。

「破いて・図書館に火を放つ」

 学者たちは冷たい瞳のカールドの言葉にドン引きをしている。

 俺は、本に書き込む[まぁ、そんな事はしねーよ! そういうルールだし。冗談が過ぎたすまん。続けるな!]

 素直に謝る俺にカールドは一つ頷いて本をとる。

 そして、その学者たちは恐ろしい者を見るようにカールドを見、カールドの未来嫁は学者達を見て、内心笑っていた。



「で、実際何があってこうなってんの?」

 俺は子供の見た目を使って、情況を進めるためにも口を挟む。

 オカンにはチロっと見られたが、「俺も家族だ! 何があったか知る権利くらいはあるはずだ!」って言ったら、母はじっと見てきたが数秒で目を逸らし、騎士たちを見て頷いた。

 騎士たちは母の意味を理解して、目礼し俺に話しかけてきた。

「では、失礼ながらリカルド様・・・」

 と、俺を様付けで呼んできたことに少しドン引くがしょうがないよね。名前はさっき母が呼んだりしていたからそれで覚えていっているんだろうけど、オトンの子供ゆえだからだろうが突然の様付けキモイが最初の俺の評価に成った。

 で、

「簡潔に申しますと、貴方様のお父上、ライド様はエルハルム公爵家の1人息子、ご嫡男様で在らせられます。

 今その公爵家が危急な状態に有り、出来るだけ早く正当な新しい当主が必要になってきました。

 公爵家が最悪お取りつぶしにならない為には正統後継者が立ち上がることが大切であり、そのことを今日我らはお伝えに越させて頂きました。」

 真っ直ぐ真面目な視線を俺に向けるアドソンに俺は一つ頷く。

 頷き無言になる。

 それを見てアドソンは『やはり、最初のあの殺気(魔波動)は、コントロール出来ない力で、子供には難しいですね』みたいな顔をしたが、俺はもう一度頷き聞き返した。

「幾つか質問してもいいでしょうか?」

「! っ、はい。」

 驚き少し遅れて返事をした。

「公爵家が危急な情況にあるって言ったけど、現公爵は?」

「! ・・・・病に付され・・ています」

「父さん。公爵家って分家とかいるの? 入るなら何家くらいあるの?」

 聞きたい事を聞けたから確認で父に振り向き尋ねる。憶測があっていれば彼らが来た理由が解かるから。

「・・・・入る・・・な。分家の数は大きくは3家ある・・・・・」

 渋い深く考える素振りの父に、自身の考えが確立の高い事を示唆し俺は小さく呟いた。

「・・・・つーと、細かくしたら?」

「・・・力の関係上の大小で言えば3家含めて8家ある」

「ああ、なる程。大体解かった。」

「!? っといいますと?」

 俺の小さく短い言葉にアドソンが驚きと疑いを見せて聞き返してくる。

「要するに、当主が瀕死で次期当主を選びたいけど嫡男は家出をしていていないから、分家たちで当主に成ろう。もしくは、成ってしまおう。という考えが出てきた。まぁ、野心だな。

 もちろん嫡男を呼び戻そうという考えもあるが、それをするよりかは野心がある奴がいて、次の当主は自分が相応しいとか言い出し、コレを気に他も手を上げ分裂しかけている。

 でも、現当主はまだぎりぎり存命しているから大きくコトを動かせない。

 しかも、もし現当主が死んでしまった場合、事は大きくなるし領内の人死にもでる。それが他領や王国に揺るがすような所まで発展すれば公爵家はお取りつぶしに成るし、成らずも時期当主が決った時は公爵家の権威は大分落ちている状態。

 ならば、もっとも文句が言い憎く確実に公爵家を守れる最大な方法は何なのかを考えれば自ずと答えが出る。

 公爵家正統後継者を次期公爵にすればいい。

 そう言う事だろ?」

 とは言え、家出をしたうちのオトンが帰っても他の家に叩かれるんじゃないの? とも、ボソリと思った事を口にした。

 母以外、いや父は直ぐに回帰したが齢5歳前が此処までの感想を言う等思ってもいなかったのか鳩が豆鉄砲食らったかのように固まる。

 今日彼らはどれほど驚く事が起こったのだろう? 一々規格外が入たくらいで驚かないでほしい面倒くさい。



(学者達・カールド&アリス)

『『『理不尽!?』』』


 いや、俺の理不尽は・・・・今に問い思うと思ったけど、このくらいのときからだから普通だよね? それ以前に俺変産者(転生者)だから、こんなもんじゃね?

 


 少しだけ時間が経過したという課程で話すな。こいつらが回帰するのにまたもや5分くらいは必要だったから。

 取り合えず、母が騎士達に魔法のビンタを笑顔でお見舞いする。

「「「「ブヘッ!」」」」

 四人とも左頬を押さえながら家のオカンを、驚愕(お母様!!)みたいな顔しているが先に言っておくお前らの母ではないからな!!

 といいながら、その時の彼らの顔を小説上に投影させる細かさを見せる。



(学者・カールド&アリス)

「「「・・・・・・・・・」」」学者達

 席を立ち持ってきたバックに向かいあさるカールド、それを見ているアリスは近寄って行って覗き込む、その先には・・・・・火打石。

「ちょ、ちょっとカールド何する気!!」

「なーに、まだ持つだけ持つだけだから!!」

「いやいや、ちょっ! 誰かーー!! 誰か来てーーー!!!」

 アリスの悲痛な? 叫びに学者たちは走った。

 彼を止める為に。



「さて、黙るなら私たちの日常生活に邪魔だから帰ってくれないかしら?」

 満面な笑顔の女王(母上)様が居た。

「し、失礼した。あまりにも子供離れしている為驚きすぎてしまった。」

「まぁ、私の愛妻の1人息子だからな!」

 何故かここぞとばかしに妻(母)を褒めるうちのオトン。しかも超胸を張っている。

 ここで我が息子だからと言わないのは、母がどれだけ偉大かを示す為かもしれないが、同時にどれだけ妻を愛しちゃってるかを知らしめる為の言葉にも聞こえるから素晴らしいとも気持ち悪いとも子供として親仲いいなーとも考えられる。

 それを聞いていた母は笑顔を変えないが遠まわしのオトンの言葉に嬉しい事が子供として見てわかるから、ニヤニヤして母を見ていたら俺にしか解からない魔法の凸ぴんを貰った。

 1人お凸を抑えていると不審な目が四つ、父は何が合ったか察しているため優しい笑顔が気持ち悪い。

 此処で俺は凸をおさえながら親父へこう言った。

「しかし、そんなに今慌しい公爵家に戻った所で何かしら分家達に因縁つけられるんじゃないの? だったら、下手に行けば暗殺もされかねない父さんが行く理由にはならないんじゃないの?」

 騎士たちは俺の発言にもう驚かない! と誓っているのか誓ったのか大概に顔を見合わせ俺の質問に答えてくれる。

「それは、そうかもしれませんがその時は命をかけて我々が守ります。しかし、ライド様はこの国の王に信頼を得ていますし、この国の次期王の王太子おうたいし殿下と義兄弟の杯を交わしている事は有名な話。

 ライド様が公爵家に戻ってくる事と分家が公爵になるでは国や貴族から見た時の公爵家の信頼度や価値は大きく違います。」

「・・・・・・・父さんって、この国の王太子と義兄弟の仲になってんの!? スゲーじゃん!!」

「「・・・・・・・」」

 純粋な俺の感想にオトンとオカンは俺に対して目をクワッと開き、互いに視線を合わせながら交互に俺を見てくる。

 それから少しの沈黙の後、父が慎重に言葉を紡ぐ。

「ルド・・・此処の領主が誰かは知っているか?」

「? 義伯父上・・・ファリス義伯父上ではないんですか?」

「ああ、そうだが、ここの領の名前はなんていうか知っているか?」

「オルタイシ領ではないの?」

「ん、ああ。合ってい・・・・る・・・?」

 俺がいるところが何処なのか知っているかを改めて聞き間違っていない事に安心しつつそれで居て何故俺がわかっていないのか解からないと言った模様であったが直ぐに、母が「ああ、なる程」と理解を示しスイーツ笑みを浮かべて口を開いた。

「ルド、あなたここが王太子領であることを知らないのね?」

「・・・へっ?・・・・・(どう言う事?)」

「やっぱり」

 納得の母に、疑問系を示す父や騎士達。それに答えを示す為、教授を俺にしてくれる。

「ルド、この国はね。建国当時王太子おうたいしの事を王太子オルタイシと呼んでいたの。

 で、王太子殿下を呼ぶ時は【おうたいし】と言い、王太子殿下が次期王になるための領を一時的に与えられた場合【オルタイシ】と言われる決まりが出来たのよ。

 まあ、この理由には諸説あるんだけど。例えば、次期王を廃嫡と見せかけ、それを隠すためとか、隣国から暗殺者が仕向けられて我が国に着たが直ぐには見つからないようにするためとか、ね。

 つまりね。今ここの領地は正統な主人が居るファリス王太子殿下のお膝元に入るというわけなのよ」

 はーーーい!!! ここで俺は義伯父が王太子であることを初めて知りました(きゃぴるん!)

 とはいえ、俺は少し遅れて、心から「・・・おっふ・・・!」と漏らした。

 母は笑っていた。

 父は、問題が解決し納得しつつ、俺が知らない事に僅かな安堵を覚え。

 騎士たちは俺の卓越した知識が会ったことと当たり前の常識を知らない事のギャップから来る唖然がそこに見えた。

 だから、警備隊長は怒っていたのか最初の頃。と今に理解。

 それはそうと、俺は直ぐに現実に回帰する。どっかの主人公たちみたいに『なっ! 何だってーーーー!!』なんて驚かない。そんな若くない。マジカーくらいにしか思わない。

 それに驚いているよりは、今回の件を簡単に終わらす事に頭を働かせ始め思った事を言う。

「オトン。公爵領に一度戻れば」

 である。

「「!!!」」

 唐突な俺の言葉にオトンと騎士たちが目をむいて俺を見てくる。見てきてオトンは口を開く。

「えっ! いきなり・・・・・いやそれよりいきなり・・・どうして・・・・だ?」

 色々考えながら最も納得行く言葉を父は口にした。

 騎士たちは俺の言葉に無言で俺と父を交互に見ている。要は静観している。

「取り合えず、さっきの事は驚いたと言っておこう。

 で、こっちは現状を簡単に終わらせるのに最も簡単な方法を見つけた。」

「いや、そう言う事を言っているのではなくて何故いきなり私に帰ればなんて言葉が出たんだ?」

「いや、さっきとても複雑な渋顔をしていたじゃん。

 それってオカンと駆け落ちした時の父親とか、領民とか、仲良かった家臣たちのことを考えたり、今の生活の充実差を考えたりと色々思うことがあったんだろ?

 だったら、一度帰って全部清算してくれば?

 さっき騎士たちが言ってたじゃん。オトンは影響力が強いって、なら領民達が確実に不幸になる未来を示すより、オトンが直接公爵領に出向き、後を継がない事を言い次期公爵を選定してくれば全部収まるんじゃないの?」

 次期公爵推薦なら誰も文句は言わないんじゃないの? とダメ押ししての発言だった。

 父は真正面から俺の言葉を受け止め、うーんと悩みだした。

 しばらくうんうん呻っていたが顔を上げて母と俺を見る。

「リリアス」

 口を開き、母を見た父。

 それに対して母は首を左右に振る。

「しかし!」

 君をここに置いては行きたくない! とでも言う言葉だったが父の言葉の意味は母を狙う崇拝者(筆頭=ガリアン=宮廷魔術士長)どもが何かをしないかという警戒心というか嫉妬などの会話だが、母にも嫌がる理由がある。

 それは絶対に父の親族や家臣たちから軽蔑の視線を受けたりなじられたり、というのが面倒くさいし、そんな面倒の場所に居たくないという理由だ。

 だからこそ、

「そこは俺が母さんを守ると約束するよ。家長(主君)の息子として、母(姫)を守るナイト(男)として、今回はお小遣いつられないでね。」

 ニヤリと笑いながら父親を見て言う俺に父は、

「やっぱり、ガリアンにしれっと報告していたのはお前か!?」

 気持ちのいいツッコミを受けた。

 おっと、ばれたし(内心 笑)。でも言うのだ。

「いや、母さんはガリアンさんのこと何とも思ってないから別に平気でしょ。俺もあの人の事を父とは言いたくはないし。

 さっき母さんが言ってたじゃん。男性と添い遂げようと思ったのはライドだけよって」

 満面な笑顔でいうと父の初文はプンプンしていたが最後の方はテレテレしててキモかった。

 そして母は黒い笑顔で俺に迫ってくる。

 コレは、私でお金儲けしていたのね(ダーク❤)。怒っている笑顔である。

 俺死んだかもしれない。

 俺は瞬時に魔力が足を駆け、先ほど壊れた玄関へ向けて重心を倒れるように落とし、跳躍をしようとした。

 しかし、それは読まれていたのか母にいつの間にかアースハンドで足をつかまれていて転んだ。

 ニコニコしている母。

 恐怖する俺。

 黙って見守る父。

 如何しようかと視線を彷徨わせる騎士達。

 そうして、俺は守るべき母(姫)にお仕置きをされるのだった。


 

(カールド)

「コイツ(初代大公)、アホだな・・・・」

 その言葉に何と言っていいのかわからない学者たちはカールドを見ている事しかしなかった。

 しかし、その言葉に俺は、文字に起こす。そんな血が君達に流れている。と・・・。



来週なしな。

再来週からまたやるね。

書けたら閑話を挟むね。無理そうだけど。

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