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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
公爵家の最初の子供  前編
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34 騎士たちの行動を観察する親子(母とリカルド)  c


 いつもなら今日は何があった、こうだった。あーだった。と話し合いがあるのが今日は無言の食事会だ。

 騎士たちの表情からして、『若様(家の父)、こんな黒パン(固い)を毎日・・・嘆かわしい・・・』みたいな表情をしていたが前段階で俺に警告されているせいもあって、無言で黒くて固いパンを掴み、一瞬手が止まり、持って齧り驚愕した顔を互いにさせて、もう一口食べるさまを俺と母さんは見て、してやったり顔をして楽しんでいる。

 今回母さんが用意したのは炭パンと言われるものである特に竹を炭にして粉末状にしパン生地に混ぜ込み焼いたパンで、抗菌作用と解毒作用があり、黒パンもとい固パンより柔らかくなおお通じがよくなるからご近所に好評その製法を教えた母さんを崇めていたりする。

 見た目は固パン(黒パン)ゆえ、驚かせて二人でお互いが解かる程度のほくそ笑みを浮かべていたのだった。

 ここで俺が母さんの隣に座っていたら机の下でダウンタッチをしていただろうが、隣じゃないからしょうがない。

 騎士たちは思っていたよりも美味く柔らかいパンを貪る様に食べた後、木皿に入ったミネストローネに最初戸惑いを見せた。

 この世界ではミネストローネなんてまだほとんど浸透していなかったことが要因だ。基本野菜(豆とか葉物野菜)を塩と僅かな燻製肉でだしを取りスープにするから、物によっては乾燥させたり塩漬けにしてしまうから、こんな赤いスープは見たことが無いのだろう。

 だから、恐る恐るといった感じで口に運び『カッ!』と目が見開く4人、その後は奪われては成るものか! という感じでガツガツと食べ始め、すげー行儀が悪いと普通な感想を思ったほどだ。

 木皿が空になるとすぐさま鉄鍋に視線が注がれるがそれを見越したか母さんは当たり前に無詠唱で起用にまだ残っているスープを4人分同時に木皿に盛って上げていた。

 4人は僅かに肩を震わせ驚く。

 この時4人は様々な表情を見せたことを伝えておこう。

 驚=母の無詠唱での細かい魔法のコントロールと自分たちの望みに対しての行動。

 恐=こんな細かい魔法のコントロールが出来、上手い飯が食えた事への感情。

 喜=食べ切ってしまった上手いスープをもっと味わえる気持ち。

 しみじみふかぶか=ライドがこの料理にやられたんだなと納得がホンノリとある。

 騎士たち2杯目をよそわれた事にいい表情を見せ、恐る恐る母をのぞき見た。

 覗き見た母は、何事も無かったかのように食事を続ける母を見て、下の木皿を見、少し見た後今度はゆっくりとスープを口に運び始めたのだった。

 この時騎士たちが何を思ったかは知らんが、悪い事はないと思うといっておこう。


 皆が食事を終わらせ、満足な表情をしつつ、罰が悪そうな騎士たちが口を開こうとしたが、俺は「皿片付けてからにしようよ」で母と俺の片付けタイムになった。

 まず俺が水を空中に生む、母はそこに炎魔法を突っ込み熱湯が出来る。

 父はいつもの事なので驚かないそれ所かお湯を入れる陶器持ってきて机に置く。

 陶器にお湯を入れ、残った空中で浮いている熱湯の中に母が食器を突っ込んでいく。で俺はそれを回すついでにニードルウォーターを発動して木皿・鉄鍋を綺麗にしていく。

 その横で母は新しい水を空中に浮かべて、そちらに鉄鍋・木皿を移し入れて熱取りと洗い直しをして、木皿・鉄鍋は乾燥棚に積まれていくのだった。

 それを騎士たちは唖然として見ていた。

 最後に俺は熱湯魔法を空の彼方へ打ち上げていくのだった。母もしかりだ。

 その間父は茶葉を入れ、今いる全員分のお茶をそれぞれの前に出していたのだった。


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