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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
338/367

226 オカマバー{ブルータイガーズ} 3 終わり c7


 ここは荒野のど真ん中、三人の男たちが今か今かと、銃弾に弾を装てんしている。



(学者たち)

「いや、銃弾って………何?」

 久しく復活したカールドはとても冷静で、皆の期待を一心に浴びて、その視線に言いづらそうにしている。熱視線の意味が解っていない。

「渡した本見ろ」

「ちっ、めんどうくせぇ」

 そう言って前渡した異世界のことを書いた本を開きだした。



 公都の大通りから小さな路地を40mほど歩くと少し開けた道に当たる。

 そこに煌びやかな魔法で出来た光を放つ看板に夜の空飛ぶ虫が光に焼かれそうな光に、中を覗けば地獄絵図を描いたような光景だが、こちらも綺麗な曇り一つ無いガラスがはまった窓があり、店番と店内はガチ鞭タイツの漢女たちが跋扈し、これからバッコバッコする気満々な奴らがいる。

 見ているだけで心が焦げそうで目を向けたくは無いがしかし、見てしまう。

 そして、もう一つこの道は面白いことに本当の意味で狭間と言える立ち居地にある。

 一番近い栄え始める大通りへ40m、そして貧民街に続く始まりの場所まで50mほどの位地とまさに生死の狭間にある休憩所みたいなところである。

 ナンだったら、賽の河原かもしれない。まさにたとえるなら天国(裕福層)と地獄(貧民街)の狭間、賽の河原といいかえれる。そこに少し感動があるが、俺はそれよりも少し別のことにも驚いている。何なのかといえば、何でこんな賽の河原にきらびやかな高価な魔法の看板と透明な窓ガラスの漢女たちを排斥すれば中々な景観の建物が存在することに。

 だが、現在はそんなことを話して感想を述べるよりもまずしなければならない話し合いに楽しく尻を守るために談笑を俺達はしている。

「そんな遠慮しないで下さい。ルダン団長、最近の貴方はがんばられている。

 そんなあなた様を労いたい! そう俺は今思っているんです。だから、だから…」

 俺が行きます。と力拳を握り自分の熱意をアピールしてこの場から離れたいルオルは労いと感動の笑顔でルダンや俺を見る。

「うん。その気持ちはよくわかりますわ。ルダンは頑張っている。ルオルの思いは伝わったわ! (!) でもそれならルオルもそんなルダンを支えてきたのだからたまにはそんな雑事、私が受け止めるのも権威者の務めであるとも思うのよ。

 だから、二人が休みつつ救助者の面倒を少しの間見ていてくれないかしら?」

 うんうんと頷き相手の言葉を肯定して気持ちを落ち着かせさせる。

 俺の言葉に決定的な言葉と受け取るルオルは「では!」と嬉々として走り出そうとするルオルに俺は少し待ての言葉を付け足す。

 ルオルは立ち止まり、苦い表情に変わっており、ルダンが清々しい笑顔見せながら内心焦りつつもルオルに笑顔を向けて言葉を放つ。

「ルオルがそんな風に考えてくれていたなんて俺は嬉しいよ。

 いつも迷惑をかけてすまない。

 だから、こそ、俺の感謝の意味を込めて俺がちょっと近くの詰め所まで走ろう。

 何、リリカお嬢様よりは足は遅いが、お前よりは早く走れるしリリカお嬢様はやはりお嬢様だ。少女の格好をしているのにそんな早く走っては市井が驚くし、何かあったら、リリアス様にもライド様にも申し訳が立たない。

 腐っても団長という私の肩書きは今ここで一番使える。

 ならばやはり私が行くのが適当と思われるがいかがだろうか?」

 清々しい言い切った者の笑顔で伝令に出るという気持ちを志願している。

 かれこれ俺らは10分ほどこの会話を堂々巡りして笑顔で遣り合っている。

 互いに互いがキラッキラな笑顔が張り付いている。

 俺の視線の端にはこちらにゴリラたちの中で一人だけ色白で白髪だが年を取っているというわけではないが程よい腹筋の割れた顔のいい女にも漢にも見える人が穴顎を率いてこちらに向かってきている。

 俺は最初はこっちに向かっているとは思っていなかったせいもあり気にしなかったが、すぐにこちらに来ていることに気がつき姿勢を正した。

 そして、それを見ていた二人は気がつきその視線の先を見た。

 男二人は一瞬ビクッとなりも笑顔を貼り付けたまま見ていた。

 俺は一応こいつらの指揮官ゆえ一歩前に出ておく。

 そして、話しかけられる。

「始めましてだな、可愛らしい少女(・・)よ!」

 真っ先に話しかけてきたのは白髪で色白の性別がわからない不明な人。というか気のせいか胸が膨らんでいる気もするし、大胸筋な気もする。解らない。俺でも、解らない。

 知覚で、やってはいけない駄目だ。でも、俺今子供だし、しかし……と熟考しながら確認しました。

 女である。マジで女である。目が開いたよ、ガン見して。二回見ちゃいましたよ。漢女たちの中に乙女っ! と、驚く中に、穴顎が顔を出してきて、引きそうになりつつ、彼女が口を開く。

「リリカちゃんっ、こちらが私たちのオアシスの管理者で、ママのアナリー。アナリー・タイガーよ。ママは私達と同じ正真正銘の女性よ」

 ………な、なんだとっ、オカマバー経営者は女であるっ!! 心に隙が現在ある俺は久しく驚いていました。

 女の人が黒タイツ履いて腰に鞭を装備した母と違う女王様が俺と視線を合わせてニコリと笑顔一つの後、水が流れるように側に寄っていて、ガシッ! と両頬を片手で鷲づかみにして顔を近づけて、

「女の秘密の覗き見はあまりよくないぞ、若き御曹司…」

 皆さん目が据わってます。怖いです。思わず「うす」と頷いた。

 久しく怖いです。

 女装させられる前に母に敗北した時の選択と同列に怖いです。

 久しく、本当に久しく母以外に脅かされています。心が、怖いです。

 薄っすらと、本当に当事者にしか解らないくらいの口角の弛みに少し、安堵したがこの緩みが助かる道とは限らないが俺はなぜか釣られて弛んだが冷静な精神が僅かに耳に告げ口する。

 なぜ、この後助かると思ってる? で、目の前の人から目が話せない。惚れているわけでは無いのに。

 でも、助かった。女王はもっと顔をもとい耳に近づけながら「リリアスちゃんの息子だから今回は許してあげるわ」と、なんだか、とある錬金術師の将軍のような威圧感だったが女の冷たいオーラよりも歓迎的なオーラを撒きながら、まさかの威圧に気おされていた俺の護衛たちの股間をいい笑み浮べながら握った。

 護衛たちは呆気に取られていた。

 俺に対する行動と威圧に動けず、またそれが解放された後も視線だけしか動かず無防備な身体を女王の前に晒して、股間をつかまれ全身に衝撃が走ったかのように股間を押さえて女王を見たときには既に女王は霞のようにスッと消えて、漢女たちの中心に戻った。

 戻ったが俺は見た。

 歩法が素人のそれでは無い。

 何この人、怖い! 恐らくそっちのほうの実力者だ。

 そして、母をリリアスちゃん……って………。大人しくしておくが吉、か?

 この人なんか、マジで怖い。母と別の意味で。なので、俺は騎士達に、股間を押さえ冷静に戻り剣に、剣つっても股間の剣でなく刀剣の柄に手を置こうとしているので、俺が彼らに威圧を飛ばして、言葉でも釘を刺す。

「それは抜くなっ」

「抜く気があるなら、ついてきなっお客人! こっちから伝令は飛ばしてやっているかなら、なっ」

 騎士に声をかけたら、別の方向から言葉を預かるように綺麗に白髪色白で綺麗な腹筋割れた女王が入ってきた。



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