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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
336/367

224 オカマバー{ブルータイガーズ} 1 c

ケツアゴ=穴顎


 俺は彼らを否、彼女らを見て手を振ることにした。

 おーい。と手を振る。

 三人の確実に腕に覚えがありそうなオカマたちは俺たちを視界には入れていたのかすぐに視線がこちらに定まる。

 かに、見えたが視線は俺というか俺の連れの騎士に定まった。

 オカマに見られ二人の騎士は身じろぎをしてなぜか俺の後ろに近寄った気がするし、オカマたちは近寄ってきている。

 ドンドンとなんか圧がまして鼻息も増している。怖い。

「あ~ら、あら~~。何処かで見た気がするのだけど、ン~~~うん。あんたブスね」

 腹筋と顎が割れているゴリラが、いやオカマが俺に向かって平然とジャブを入れてきた。



(学者達)

「ついでにその当事のゴリラこんな感じね」

 ゴリラ、オラウータン、手長で顔がワニのオカマを三匹投影し、

「「「おうえぇぇぇぇぇぇ」」」

 服装まで誰得な奇抜で、あすこがコレからを想像しているのかモッコリしていた。



 俺を目の前にしてゴリラもとい穴顎としておくが、穴顎は考えることを放棄したのかとりあえず女装している俺を罵倒する方向にしたらしいが、俺は俺で、

「それはそうですよ。私なんて今日、日がな母リリアスに悪戯の罰でこの格好をしております。

 私より美に磨かれたお三方を比べたらブスなのは当たり前と私は思いますわ」

 脳筋オカマは俺のよいしょで気持ちよくなってもらいつつ言葉の毒を混ぜておくことにした。

 大概のオカマが母のせいでオカマになっていることは少し前に聞いていたので恐らくコレで俺が誰の子かちゃんと聞いていればわかるはずである。

 分かった奴の顔は一瞬で変わる。変わってこういっちゃう。

「り、リリアス………」

「えっ、リリアスさんって、あのっ!」

「ちょ、ちょちょちょちょっ!」

 三人とも脳筋みたいだったがちゃんと聞いていたのか挙動が可笑しくなっている。

「はい、この間も母の紹介状で公城に出張をお願いし、オネエさま方とお会いした子供がいたと思います。それが私です」

 ニコニコしながら目の奥で俺は穴顎たちを観察していると、穴顎がふと閃いた様に思い出して俺の顔をまじまじと見つめ口に出した。

「思い出した。あの将来、お尻が素敵になってぶち込みたいと思ったあの子なのね。」

 あなたっ!! というような勢いでスゲー事いわれて思わずお尻が閉まった。

 が、それはそれとしてオネエさん達は俺の顔をよーく見て「あら、ほんと」と「ああ、あなたもこっちなのね」と人の話なんて聞く耳持たないように話し始めている。

 それはそれとして、まだこの辺りには意識があって逃げようとしているものも若干いるので俺は無詠唱でそいつらを地面に縫い付けて置きつつ、ちょっと頼み事頼めないかと思って交渉することにした。

「おねい様方、唐突に出会って早々ちょっとお願いがあるんです。って言ってもただ働きとかはさせる気ありませんよ」

 なんてブス呼ばわりされたことを一切気にせず、話に花を咲かせようとしているオカマたちに交渉を持ちかける。

「解ったわ。リリアス(神様)さんの息娘(むすこ)のお願いを聞かないわけには行かないから任せなさい」

 交渉しないで交渉が終わり穴顎は胸を叩いていた。

 俺は、母のネームバリューの強さに驚くべきか、この人たちの行動に驚くべきか数瞬時が止まり間抜けにも「えっ?」と返してしまったくらいだった。

 いや、だってまだ何も決まっていないんだもの。

 でも、オネエさんたちは堂々と漢らしく胸を張り、

「さぁ、さっさといいな! あんたの願いはなんなんだい?」

 と、とある男前のランプの精のように尋ねてくるので、俺は思わず願い事を言う。

「あっ、はい……あ、えーとあのーここの連中が捕らえていた女子供全員とりあえず、オネエ様方が近くにいたということはお家もしくは仕事場があるってことですよね? 少しの間保護をしていただけませんか? 後ほど迎えを寄越しますので、御代がー………」

 かなり素で淡々と思っていたことを言って行き御代の話になると男の中の漢のオカマたちは一斉に手を前に突き出して、笑顔で、

「「「金は不要よ!!! それより、男達を報酬に寄越しなさい。」」」

 俺達三人の血の気が下がるような恐ろしいことと俺たちを見る生ぬるい視線が言い出していたのだが俺は、一つ頷いて、条件を言っておく。

「ここのみで俺達三人と子供以外の男なら好きなだけどうぞ。」

 元々お金と数人の男かな~と思っていたのでそれを堂々と提示すると、三人は揃って「「「ちっ」」」と舌打ちしながら頷くのであった。

 そして、俺も気付いたのは三人の視線が俺から外れた瞬間知らず知らず恐怖のあまり身体強化を解いていて、肩に痛みが走ったのを感じた。

 とある二人の男が小さな俺の肩に冷たく震える拳が二つあることに気がついた。


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