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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
327/367

215 護衛騎士2  蛇に睨まれた蛙。


 ルオルは俺の前に直立不動で立っている。テントは張ってない。

 ルダンはまだ、帰ってきていない。(ついでに名前も無い。色んな名前あって、なっ! ってな)

 ルオルが直立不動なのは、理由が二つ。

 一つはルダンの慌てよう(一時逃走)。二つ、ライドの名を冠し、その息子の名リカルドという言葉に俺が誰なのかがよくお分かりの模様だった。姿は女装だがな。

 一応、ソファーに座ることを進めたが誇示され断られた。

「ひ、一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「はい、何でしょう?」

「り、リカルド…さまは、男子……でお間違いないので、しょうか?」

 若干俺の見た目を見ながら、目を泳がせたり見張ったりしながら答えてきたから俺は肯定とばかしに伝える。

「ああ、俺は男で会っている。

 母に奇襲をし、敗れ、折檻(くすぐりの刑)と女装を選ばされて、命に別状が出ないほうを取った。それが事実だ。」

 まぁな、俺可愛いからしょうがないんだ。ちなみに当事はこんな感じ。



(学者と手伝いの女中達)

 俺は当事の俺の姿を2割増(化粧しているから)に空中に投射する。

「「「!!!」」」」

「「「可愛いーーー!!」」」

 黄色い歓声。

『家に連れて帰って、閉じ込めたくなるな』

 男の心の声が魔力に乗って俺に届き、若干引き。

『家に連れて帰って、自分好みに調教して、一生飼い続けたい『ペットにしたい』『結婚したい』』

 複数の女の心の声が魔力に乗ってやってきて、顔に出さないけど、そいつは要注意で今後マーク。

『罵ってほしいでござる』

 よし、後でブートキャンプ式に罵ってやる、この蛆虫めっ!!

 それはさておき、



「………」

 俺の発言に何か思うことがあるのかルオルは目が泳いでいたが、俺は思い当たることが会ったのでそれを聞いて見る。

「ルオル殿も私が眠っている時に来た暗殺者を母が悪戯で甚振(いたぶ)ったところを見ていたりされたのか?」

 口調が通常に戻り、服装は女の子で会話を投げるとルオルは数秒の沈黙の後に頷くのだった。

 うん。と頷き俺は答える。

 恐らく、母の悪戯を見ていて悪辣としてみているのだろうが、この地位(副団長)から見て俺ら(母含む)の強さは直上(ルダン)やリクスたちに話は聞いているだろう。

 そこから来る俺の強さと父の権力を考えると母のゆうことを聞かない、と言う選択肢があるものではと考えるのだが一つ最大な理由がある。

「まぁ、俺も父も基本的に母を最上位の存在においている為、母の命令は絶対であり逆らうことを許されていないのだ。父と俺の同意見だ。

 致し方ないものとしなれていってくれ。母を知る連中アドソンたちにいえば視線を泳がせながら深いため息吐きつつ頷くぞ。

 ついでに俺も父も母を怒らせない大きな問題がある……」

 俺の話に無言で聞いていたルオルは『母を怒らせない大きな問題』について耳を尖らせる。

「……俺も父も母に3日でも無視され続けると干からびて、精神が持たなくなる」

「…………………はっ!?」

「………………………お待たせしましたっぁぁぁ!!!」

 ルオルは意味が解らなくて思わずと言う感じで声を出したが意味の解らない驚愕中のルオルを無視して、ルダンが勢いよくドアを開いてオボンに乗った茶器を持って来た。ついでに言うと、若干お茶が零れている。

 ガサツなルダン団長の手ずからの()茶である。

 頼んでいたお茶が来て、俺としては小言を言う気はあまり無い。

 そこそこ、意地悪をしている気分はあるし俺を立てるために頑張ったのだから今回は褒めてやることにした。

「ルダン殿、ご苦労様です」

 口調を令嬢ものに戻して、刺繍の入った手袋の中に扇子を戻して魔力を操作してティーカップが空中を浮かぶ。

 俺はカップの持ち手に手をやり、魔力操作を解除してお茶に口を付ける。

 うん、苦いっていうか渋い。

 飲めなくは無いが、うん渋い。

 よくよく知覚でティーポットのほうを覗き見るように感知するとスゲー量の茶葉が入っているのがこの味の正体であることを理解する。

「ルダン」

「はっ!」

 直立不動の短礼で汗が吹き出ている男に俺は、

「ティーが汚いのと苦くて渋いのが減点ですが、大甘に負けてあなたの忠誠心と心意気免じて今日のところは100点中100点差し上げます。」

 次回はもっと、気を使えるよう精進しなさい。と、カップを空にしながら付け加えるとルダンは最初のほうは俺の減点に脂汗が噴出し始め、100点上げたことに歓喜してまだティーポットを盆に載せているのを忘れているのかその場に膝を立てて中の入ったティーポットを落としたが割れることは無い、何せ俺がいるからな。

 割れないこともあり、ルダンは膝立てをし頭を下げ続けている。

 それをさっきから普段から絶対こんな態度を爺(現)さん(公爵)にさえしない凄い振る舞いをするルダンに目を見張ってから俺と目が会って、ビクリと震えた後なぜか速やかに膝を着くルオル。

 彼が何を思っているかは知らないがこちらの都合を申しつけることにした。

「ところで、騎士…ルダン…」

 高慢ちきで甘ったるい声で嘯くように下々を見下す視線で話しかける。

「…はっ……」

 緊張の返事になぜか冷や汗のルオル。

(わたくし)これから、市井に出かけようと思っているのです」

 演出で相手の心胆を舐めるかのように魔力で少しだけ威圧しながら二人に笑顔を向ける。

「…はっ………」

 声に出すが、冷や汗を出して何を求めているのか少しばかしわからないと言うような声質に俺は笑顔のまま答えた。

「共を、引き受けて、くださいますよね……?」

 俺の言葉に数秒の沈黙の後ゆっくりと顔を上げて、俺の目を扇子越しに見て、唾を飲むように頷いたのだった。



(カールド)

「つーか、爺さん。マザコンだったんだな………」

 ボソリと口に出してしまうのがカールドであり、それを聞いていた回りの学者の温度が下がり、皆が彼の周りから下がる。

 基本俺は口に出さなければ見えないことにする。としている。なので賢いものは口にはしない。が、カールドはある意味賢くない、というのは間違いではないが少しだけ違う。

 俺と近すぎて、タガが外れている。

 なので俺はカールドの横に魔法生命体として現れ笑顔で答えた。

「マザコンとは少し違うんだ。親父はリリアス命で執着しているが、俺の場合は安心して眠れる所がなくなるのは困るって言うのが一番近い。まぁ、この時は母の立場が不味い状況に成り過ぎないように調整のつもりだったんだ。あの人平然と薬の実験に使うし場所を考えて生きてなかったから…………、少しでも実力者が言葉で守りしないとぉ。

 まぁ、それとは別に産みの親だし愛してもいたし、守るべき相手で対等でも会った。

 だから、ルールとして、負けたらゆうことを聞くルールを暗黙了解で作っていたんだ。」

 でも、それがあるから毎日が楽しいんだろ? と、首をかしげてカールドを見つめると、何か考えることがあるのか目を瞑り苦虫を噛んだ顔をしながらも何かが抜けるような疲れたようなため息を吐いてから目を開けて嫌そうな視線を俺にくれてきた。

 俺は笑った。

 カールドは弾息をもう一度ついてから言う。

「明日から、また訓練を始めてくれ、ああ、解っていると思うけど緩やかに頼みたいんだが」

 アリスのことがあるからな。

「致し方なし、子が生まれるまでな。って、言ってもお前の子、ここ100年来でもっとも魔力の高い子で生まれる予定だから、ある程度それを考慮いた訓練にしないと後が大変だぞ」

「どういうこと!?」

「どうもこうも、俺の使える魔力を………ん、ねっ!(笑顔)」

「おいいいいいい!!! どういうことだぁぁぁぁあぁぁぁ!!」

 カールドの叫びが消えた俺を余所に図書館内に響いたのは言うまでも無い。

 翌朝俺はカールドの訓練をサボった。


来週は問題なく、行ける! いけなかったら、また再来週に2話出します。なかったら割烹を確認下さい。


ブックマークや星をくれている方々、ありがとうございます。

そして、皆様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。

ことしの抱負としては週2くらいで出せたらいいな~と感じていますが、うん。かなり無理!!

なので頑張れたら頑張ります。が、仕事や体の肝臓とか健康診断したらやばくて、筋トレに各時間がとられそうで、あいたたたですわ~。。


とりあえずは、皆様ご健康だけは損なわずにいてください。


ではでは。ノシノシ

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