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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
317/367

205 [木]に感謝しよう


 朝、窓の縁より日の光は輝くように眩しく、その輝かしい陽光がゆっくりと、でも全ての闇を照らし、罪を暴いてくれるような錯覚に陥る。

 や、焼ける。く、苦しいぃぃぃぃ、あああああああああああああ!!! と太陽の光がっ、光がぁぁっぁぁ!! ベッドの上で冗談の演技をして、真面目になる。

 おおっと! どうやら、丸一日寝ていたようだ。喉が痛いし、尿意がヤバイ。よく洩らさんかった俺。と自画自賛して、誰か(暗部件メイド・執事)を呼ぼうと声を出した。

「Daxッ………」

 声がかすかすで濁っている。ううんっ、と喉をいからせる。

 ここまでか、ここまで俺の喉が干からびるとは初夏よ酷いぜ。梅干を瞬時に思い出して口の中に条件反射の唾をためて飲み込もうとするが、唾が『集まらないだとっ!』と驚く。

 魔法で水は出せるが、どうせなら果物で喉を湿らせたい俺としてはとりあえず、部屋の中に振り返り、丸一日寝ていたならメイドたちが気を利かせてお茶くらいは置いておいてくれていると思ってベッドの際にティーカートを見つける。

 心の中で『ナイス』と、誰かも知らないメイド(執事)を褒めて、こっちに風と土の魔法を用意て、引き寄せると上に掛かっていた埃よけの白い布がひらりと落ちて、腐りにくい果物数点と黄色いスープ見たいのとパンが入った皿が合った。

 それを見た瞬間俺の腹はなる。

 目の前に浮かび上げなら水! とスープを飲むとコーンスープであり、マコトー(事抜いて)ベラス!

 だが、美味いのだがでだである。喉は先ほど以上に渇きを覚えるので近くにあったカップに陶器のポットからその中の液体をカップに注ぐと、水だった。

 うん、背に腹は変えられぬ。カップの水を一飲みし、喉を落ち着け後にりんこでもかじれば言いと考えた。

 思わず、げふっと声を上げて満たされる身体にもう一つの最重要なことを思い出す。

 何よりも最重要でこれが原因で起きたといっても間違いでないその現象に俺は、ズボンを下ろして窓の外を向き、ブルリと全身を痙攣させた。

 心の中では『御開帳である!』とか言っている。

 ふーーーーーーーーぅっ! っ! 生き返るぜ!

 朝日がスゲーいい顔の俺を咎めているようだ。

 そういえば、思い出したことがある。

 昔っと、言ってもこの身体に入る前の話である。

 とある、駐屯地の営内の話でもある。

 俺はその当事初級幹部で教官たちに隠れて駐屯地の部屋で飲酒をしていた。

 もちろんその日も無事に教官たちに見つからず証拠は隠滅したのだが、今日のような朝俺は堪らなく尿意を催していた。

 起きた時間は夜中の3時30分トイレに行くには屍(雑魚寝の同僚の上)を通らなくてはならなく、彼らが可愛そうに思った俺は窓を開け、植物の生える大地に恵の雨を降らせてもう一度眠りに付いた。

 朝になれば輝く太陽とともに訓練が始まり夜になる。

 酒盛りは教官と俺たちの戦いであるのだが、そうここで事件は起きた。

 そう、大事件である。

 初級幹部の訓練の中には空挺団に所属している者もいる。

 その彼が宴会の余興でこういうのだ。

「では、空挺団隊員の俺は見事二階(5mの高さ)から落ちて無事なのをごらんに入れましょう!」

 ワー!! と、盛り上がる現場に驚く俺。

 開かれる窓。

 更に盛り上がりつつ、仲間の一人が『教官にばれるっ、しー!!』と指を立てるが、別の意味で思わず手を伸ばしそうになる俺。

 これから特攻にでも行こうとする空挺隊員に、無言で万歳をする同期たちに俺は目を覆い願った。

 聖水の上に落ちないでくれ! と………。

 俺は下を覗けなかった。

 同期たちは覗いていた。

 そして、彼は無事に帰ってきて言った。

「なんか、地面が動物のおしっこ臭かったんだが、まだお湯出るかな?」

 同期たちはエンガチョー、エンガチョー、バリアーと騒いでいたが俺は心の中で彼に思った。

『ごめん、それたぶん俺のおしっこ臭だ』

 心の中で謝罪をし俺は「さっさと水で洗ってコイやーーー!!」と盛り上がりに燃料を投下して皆で眠ることになったのだが、隣の奴が言うんだよ。

「坂本」

 ドキリ、ドキドキ。

「俺昨日面倒で4時半ごろそこから小便したんだ。」

 超笑顔のバラ開いていた。してやったりと言う顔して笑っていたのだった。

 懐かしいぜ!

 だが、今は大丈夫である。

 起きた瞬間から俺は知覚を発生させる。

 半径3kmの人間の位置はわかっている。

 下には誰もいないことは明白である。

 こんな清々しい朝を迎えられたことを彼ら[木]に感謝しようと思う。

 


(カールド)

 訓練より3日目、口から魂が抜けて白樺のように動かない。

「いやぁ、初代様ひどいです」

 アリスは身重の身体でしくしく泣いている。

「……あのっ」

「しくしくしく」

「ちょっと、やりすぎました。ごめんなさい」

 俺はカールド大好きーのアリスはあまりの過酷な訓練鬼を見て、いい加減旦那が心配になり泣き出してしまっている。

 現にカールドは白く今にも風で吹き飛びそうな灰のようになっている。

 両の膝をつく日本伝統の最上級の謝罪、DO・GE・THEをしている。

 しかし、アリスは未だに泣く。

 俺は手元にエリクサーを召喚させて、立ち上がり泣いているアルスも通り過ぎ白カールドの口にそれを流し込む。

 ビクンとカールドの身体は飛び跳ねる。

 思わず、駄目だったか500年前のエリクサーは!?!?! とそれを見たが、カールドの顔に生気が漲り、目が覚醒した。

 俺は覚醒したよ。とアリスをみるが泣いているだけでこちらを見ないアリスに気付いてと肩を叩くのだが、嫌々をする。

 俺はカールドに向き直ろうとするが、魔力の困った手で突き飛ばされて壁の中に消える。

 家の中ではカールドが「どうしたんだ、アリス!」と抱きしめており、「カールドーー!!」とカールドに抱きつくアリスという構造が出来上がり、俺はそっと言葉を残して消えるのだった。

「やりすぎましたごめんなさい」



 気分爽快、気持ちはアリスとカールドごめんね。



(ボラン)

「唐突に意味の解らない気持ちを入れないで下さい。」ただただ、冷徹なボラン。

「いや、初代様いきなり何が会ったのでしょうか?」冷静なアスト

「ちょっと、カールドに色々やりすぎて訓練していた分体がアリスを泣かせたみたい。」

「まぁ、あなたは可愛いからついついやっちゃうのは解るんですが程ほどをそろそろ理解しませんか?」

「ほどほど………、それはちょっと無理。俺の目標はこの世界最強の生物カールドを作ると言う目標があるから、まだまだ鍛える!」

「いやいや、何も反省してないですよね、それ」

「いや、かわいそうだとは思っているんだけど、ほら、鉄は熱いうちに打てって言うじゃん。だからさー」

「だったら、余計なとこに口を入れないで下さい。公私は別々に分けてください」

「はーい、ママ」

「誰がママじゃい!! 俺は男だ!!」

 スパーンと音が鳴った。

「そういえば、ここ3日カールド氏はなぜ来てないのでしょうか? …あっ、無視なのですね。あっ、はい。わかりました………」



 気分爽快で俺の聖水は完全に土に吸収されている。

 俺は皿の上のパンをむしゃむしゃ食べて果物に手を伸ばす。

 欠食児の様に必死である。

 二杯目の水をカップに入れず、直接陶器の受け口に口を付け、水をごくごくといく。

 グハーッ! 生き返るーーぅ。

 思わず頭から被ってよ。いきなりはね、油断してると被るよね。

 まぁ、被った水をポットに戻すくらいどうにでもなるが、それは汚いから外に飛ばしておく。

 更にあった果物のりんこの2個目をバリバリと食べながら隣の部屋に通じる扉を開ける。

 この先は母がいる。

 防音結界をしているから母の部屋からは音が漏れてこないが起きている反応はある。

 開けた先からは、

「いやだぁぁぁぁあああぁあ!!!」

「たすけっ、たすけでーーーー!!」

「お、お願いだ、おねがいぃぃぃ、だずげでーーーーーー!!!」

 最後の奴は檻から向けだしたのか開いた扉に必死に縋ろうと、もしくは俺を人質にとろうかとする悲痛な叫び声を上げる男が俺の方に向かってきた。

 俺は、向かってきた必死な男の頬を軽く飛び上がり強打して遠ざける。

 男は殴られた衝撃で近くの台に頭部を当てて動かなくなる。

「リカルド~」

 間抜けなのんびりとした声の狂気の主はもちろん母であり、母の周りには艶っぽくぐったりしたメルと実験を協力しているミッシェルが注射針をもって怪しく声なく笑っていらっしゃる。メルはー、いい大人ならわかるだろ。母よ、なにやってやがる実験に集中しろよ。まったく。

 しかし、一般人が見たら卒倒するような光景に俺は、いつものことなのでほうっておく。

 見た記憶は無いが、恐らく盗賊とかその辺だろうとかんづけたからだ。

 だって、皆、薬とは別に拷問の訓練を受けたような傷や独特なお風呂に入ってない臭さがあるし、何よりも顔つきや仄暗い目である。これを一般人と断定するのは無理がある。暗殺者とかその辺だ。

 母に捕まったが最後、がんばれ8人と檻の中の野郎どもに心の中で『南無』と唱えた。

 ガリッと、りんこを齧り母に「母さん昨日から飯とかちゃんと食ってるの?」と尋ねる。母は実験中食事を忘れることがあるから、家族が注意しなければならない。特に俺が。

 父はオルタイシ時代仕事で帰ってこないときがあったから、よく食べ易い果物とかを母さんに持っていったりした。

「あははは、相変わらずリカルドは心配性ね。大丈夫、昨日からじゃなくて一昨日から食べ物はあまり食べてないわよ~~」

 ………………んっ? 昨日、ん?

「というか、あんたよく寝たわね~。丸二日寝てたわよ~」

 ………………。ん!!

「何をビックリしているの? って、ああ、一日寝ていたと思っていたのね。

 違うわよ。丸2日寝ていたのよ」

 お………っふ………、マジか~ぁ。通りで、声が濁るわけだー。と思わず俺は若いはずなのにまさか2日も寝たことに、年とったんだな~。と、ガッカリ思想になるんだが、母が言う。

「子供の体なんだから、まだ無理はしないほうが良いわよ」

 もう少し、そうねぇ……あと12年は確り身体を作りなさい。それから夜更かしをしなさい。

 そう、母さんからお小言をいただいて気がついた。

 あっ、俺の体子供だったわ。そらー、疲れすぎたら回復が早いとは言え寝るわ! 忘れてたわっ!

 聖水も出して、心も本当にすっきりや!

 それはそうと、となると、俺はあいつが、ラフィンとか言う奴があの後どうなったかちょっと聞いてみたくなった。


自衛隊の下りは半分本当です。そして半分は・・・・・・・・(*/ω\*)

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