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公爵家の長男坊は皆から愛されている。  作者: 雪将
第四章     後編
304/367

191 盗賊と騎士団  恐い人たち 1


 満面な笑みを浮べて得物ペチペチ自分の肩や手を打ちながら可愛らしく薄汚く汚くしみを作っている男たちにただ笑みを向けている。

 喋るなっ。と、変なことしたらわかってるよなっ、なぁっ! 徐に持っていた得物で相手の肩をぺしぺし叩く。(あい)らしい男たちはガタガタと周りの屈強な笑みを浮べるお兄さんたちに貞操の機器とばかしにガタガタと震えているが別段男娼ではない。

 しいていうなら………地面に埋まった盗賊たちである。

 そして、その内の一人に聞く。

「お前らの仲間にお友達が居ると聞いてやってきたんだが、一つ聞きてぇこの砦の大きさからテメェらだけでは出来ないはずなんだけど知っている人居たら教えてくれない?」

 俺は屈強なお兄さんたちの中央で踏ん反り帰りながら台を作った上で座りながら着々と縛られ集められた盗賊たちに尋ねていた。

「お、俺達をどうするつもりだ!」

「俺達にこんなことしてただで済むと思うなよ!」

「地の底まっ!(パンッ!!)」

「「「…………………」」」

 何をしたのかは今までの事でお分かりだろうから弾けたとだけ言えば解るだろう。なので、

「もう一度聞くがその前に俺の質問に答えないなら、全員何処か一部だけ弾けるぞっ! さっきの奴は簡単に死ねただろうが、腕だけ飛んだりしたら死ぬまで(いて)ぇと思うんだけど、

どう思う?」

 首をかしげ無動に立つ一切表情を変えない屈強の男たちにゆっくりと絶望の気配が死の臭いと共に自分たちの頬を撫でているのだろう。

「じゃっ、皆素直に慣れたところで、


 さっさと喋ろうやっ、俺は面倒なお話し合いは嫌いなんだ。沸点が異常に短い。


 死にたい奴から余計なことを言え…………………」

 笑顔から一瞬で変わる無表情。

 声のトーンもただ陽気から淡々と魔力の波動が、本当に彼らの頬を、首を、肩へと撫で下ろしていく。



「「「ギャァァァあああああああああああああああああ!!!」」」

 と、騒いで居るのは盗賊たちだけである。

 俺達は走っている。

 風を切り、遠心力が発生し当たるか当たらないかギリギリで木々をすり抜ける。

 ちなみに子供2名は確りと抱っこして振動やギリギリなんてのは味会わない。担がれている荷物はしょうがないのが現実である。

 10分も走れば、俺は早あーしっ! と声をかけて駆け足が緩やかになっていく。

 そうして、たどり着くのは肛門様に悪戯した村の前門200mの所だった。

 門番は驚いている。

 盗賊を背負っていた騎士たちは盗賊を地面に荷物のように下ろす。

 下ろすと同時に盗賊たちは失心していない半分が口から新しくすっぱい感じのゴミを吐き出している。

 俺はシグナルにお前が話しを着けろと命令を出すと同時に騎士の一人に公都ハルトへの伝令に出す。

 もちろん、盗賊の回収についてである。少なくとも10km圏内には騎士はまだ来てはいない。

 まぁ、さっきの商隊と分かれてまだ1時間くらいだ。

 そんな早くはないよな。うんうん。

 そうこうしているとシグナルが俺を呼ぶ。

 村人は門の中に入り村長の家に伝令に出てくれているようだった。

 その間も村の中の一番近い家から村人が出てくる。

 俺はその中に入って行き、子供を抱えている騎士を呼ぶ。

「この村にこの子らを知っている者は居るかっ!」

 複数人集まってきていた大人たちに向かって声をかけると、突如現れた騎士たちに集まっていた視線が子供達に集中すると同時に声が聞こえた。

「ヨシュアっ! ヨシュアっ!!」

 村の奥からやつれた顔をした、若くはなさそうな女が駆け寄ってきて騎士が抱えている子供を奪うような勢いで最愛の子を愛す母のように一人の男の子を抱きしめていた。

 うれし涙を流す彼女を見ていると、自分が前世銃弾で打たれたとき薄っすらと子供を抱きしめる母が見えた気がしたが、こんなに喜んでいたと思うと死にはしたくなかったが、悪くない死に様だったんだな。と、思っていたりしたら、もう一人の子を呼ぶ声がした。

「ドーダの所のドーイじゃないかっ! おい、誰かドーダを呼んできてやれ!!」

 どんどんと門の前に集まってきている中、俺は大人たちに踏まれて吹き飛ばされると思いそっとシェードアウトするように人ごみから離れる。

 そう、面倒ごとは大人に任せるのが一番だと俺は思うから。




192 盗賊と騎士団  化け物 2


 ザワザワと賑わいを見せる前門にドーダ事肛門様が現れた。



(カールド)

「…………………」

 カールドは黙って俺を見てきている。その視線には何か言いたいことあるか、このギルティー野郎。

 その視線に呼応するかのように皆の視線が一つ、また一つと増えていく。

 静かなる間が生まれるのはそう遠くなく、魔王である我は冷たい視線で彼らを見る。

 カールドはそっと物語に顔を逸らした。



 ドーダ事肛門様は肛門を押さえるかのように腰を砕けてへっぴり腰しながら杖を突き村人に付き添われながら現れた。



(俺)

「なんだ……、何か言いたいことが有れば言うがいい。俺は気にしないから」

「「「…………………」」」

 ギラリと光らせ彼らを見ると彼らは口を閉ざして視線も逸らすのだった。



「ど、ドーイがいると、居ると聞いたんだが」

 へなへなの声を出して、肛門様はにぎやかな集団に話しかけると、道が割れる。

 騎士の一人もすぐに理解して肛門様に近づいていき、子供を肛門様にお渡しした。

「ああ、ドーイっぅぅぅぅぅ。」

 尻が痛いのか子供が帰ってきて嬉しいのか良く解らない感じで若い男は泣いていたが、俺は一つだけ思いながら気配を消しながら彼の後ろに立ち回復魔法をかけ始める。

 そして、感動そこそこに肛門様に話しかけた。

「よう、お兄さん。朝ぶりだな」

 彼の真後ろいとおしそうに子供を抱いていた男に蒼い瞳にハイライト讃えて、俺は血を被ったかのような稀に金があるが赤い髪をしている俺の方にその首がゆっくりとこっちをむき出して、涙にぼやけていただろう目が数秒の停止の後、カッ! と目が開いて、叫んだ。

「………………化け物だーーーーー!!!!!」

 飛び上がり俺を罵倒しながら距離をとるドーダ。

 空を舞う放り上げられた子供ドーイ。

 そっと動いていたのを見ていたシグナル達と幾人かは何かしたな、と察す。

 それ以外の騎士はキョトンとしたり、僅かに俺を化け物発言に剣の鞘を整えなおし今にも距離をつめそうな目をしているがそれに気づいているシグナルは目だけでそれを静止させる。

 俺はせっかく救出時に回復魔法を使って子供癒しているのに驚いたからと言って空に投げるこの親に少しだけ嫌悪を感じる。

 風の魔法を無詠唱で発動させながら、空気が固まっている村人達の間にゆっくりと子供が地面に降りるのを見ていた。

 そして、

「てめぇ、子供の放り投げるとは何事かっ!!」

 距離なんて無い俺にとっては一瞬でそいつの胸倉をつかみ、下に引き落としながら投げ飛ばした。

 きゃぁぁ、と御夫人の悲鳴が上がるがソンなんはどうでもいい。

 受身も取れずもんどりを打ちドーダの馬乗りになり、

「冷静でいようや……なっ!」

 メンチ切りながらも拳を振り上げて奴の鼻っ面で止めて、風圧がそれの威力を理解させたのか、ドーダは黙るのであった。

 そして、この頃ようやくこの村の村長が、やって………いや、いた。

 困った顔しながら話しかけてきたのだった。


評価ほしい、ヨロ!

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